処方薬
タルセバ錠100mg
先発

タルセバ錠100mgの基本情報

タルセバ錠100mgの概要

商品名 タルセバ錠100mg
一般名 エルロチニブ塩酸塩錠
薬価・規格 3769.3円 (100mg1錠)
薬の形状
内用薬 > 錠剤 > 錠
内用薬 > 錠剤 > 錠のアイコン
製造会社 中外製薬
ブランド タルセバ錠25mg 他
YJコード 4291016F2027
レセプト電算コード 620005891
識別コード T100
添付文書PDFファイル

タルセバ錠100mgの主な効果と作用

  • 腫瘍を治療するお薬です。
  • 腫瘍細胞の増殖に関与するタンパク質の働きをおさえる働きがあります。
  • あなたの病気や症状に合わせて処方されたお薬です。

タルセバ錠100mgの用途

  • 治癒切除不能な膵癌
  • EGFR遺伝子変異陽性切除不能再発・進行性がん化学療法未治療非小細胞肺癌
  • 切除不能な再発・進行性でがん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌

タルセバ錠100mgの副作用

※ 副作用とは、医薬品を指示どおりに使用したにもかかわらず、患者に生じた好ましくない症状のことを指します。 人により副作用の発生傾向は異なります。記載されている副作用が必ず発生するものではありません。 また、全ての副作用が明らかになっているわけではありません。

主な副作用

ALT上昇、AST上昇、下痢、悪心、嘔吐、食欲不振、爪囲炎、爪障害、皮膚乾燥、皮膚亀裂、皮膚そう痒症

起こる可能性のある重大な副作用

間質性肺疾患、間質性肺炎、肺臓炎、放射線性肺臓炎、器質化肺炎、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、肺浸潤、胞隔炎、ざ瘡様皮疹、発疹、重度皮膚障害、ビリルビン上昇、重篤な肝機能障害、重度下痢、脱水症状、腎不全、急性腎障害、重篤な腎機能障害、多形紅斑、消化管穿孔、消化管潰瘍、消化管出血、角膜潰瘍、肝炎、肝不全、皮膚潰瘍、蜂巣炎、敗血症、皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死融解症、Toxic Epidermal Necrolysis、TEN、重篤な水疱性皮膚障害、重篤な剥脱性皮膚障害、角膜穿孔、眼痛

上記以外の副作用

感染症、脱毛、貧血、血小板減少、白血球減少、好中球減少、口内炎、便秘、味覚異常、皮膚感染、肺感染、上気道感染、倦怠感、発熱、疲労、体重減少、血中アルブミン減少、脱水、紅斑、皮膚剥脱、皮下出血、皮膚色素沈着、結膜炎、眼乾燥、角膜炎、眼瞼炎、睫毛異常、眉毛異常、眼そう痒症、角膜びらん、眼脂、霧視、流涙増加、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、クレアチニン上昇、BUN上昇、血尿、尿沈渣異常、白血球増加、リンパ球減少、好中球増加、INR上昇、口唇炎、腹痛、胃炎、口内乾燥、消化不良、腸炎、アミラーゼ増加、食道炎、鼻出血、呼吸困難、咳嗽、喀血、口腔咽頭痛、頭痛、不眠症、浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、意識障害、電解質異常、CRP上昇、浮腫、血圧上昇、筋肉痛、筋痙縮、筋痙攣、血糖値上昇、総蛋白減少、血栓、塞栓、手足症候群、尿中蛋白陽性、血小板増加、単球減少、好酸球減少、血中アミラーゼ増加、腹部膨満、うつ病、KL-6増加、血中コレステロール減少、悪寒、皮膚血管炎、IgA血管炎、光線過敏症、男性型多毛症、ぶどう膜炎

タルセバ錠100mgの用法・用量

  • 〈非小細胞肺癌〉通常、成人にはエルロチニブとして150mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に1日1回経口投与する
    • なお、患者の状態により適宜減量する
  • 〈治癒切除不能な膵癌〉ゲムシタビンとの併用において、通常、成人にはエルロチニブとして100mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に1日1回経口投与する
    • なお、患者の状態により適宜減量する
  • (用法及び用量に関連する注意)7.1. 〈効能共通〉副作用の発現により用量を変更する場合には、50mgずつ減量すること
  • 7.2. 〈効能共通〉高脂肪・高カロリー食の後に本剤を投与した場合、AUCが増加するとの報告がある
  • 食事の影響を避けるため食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること〔16.2.2参照〕
  • 7.3. 〈非小細胞肺癌〉他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、「17.臨床成績」及び「15.1臨床使用に基づく情報」の項の内容を熟知し、選択すること〔15.1.2、17.1.3参照〕
  • 7.4. 〈治癒切除不能な膵癌〉本剤をゲムシタビン以外の抗悪性腫瘍剤との併用で使用した場合や本剤を化学放射線療法として使用した場合の有効性及び安全性は確立していない
  • 7.5. 〈治癒切除不能な膵癌〉「17.臨床成績」の項の内容を十分に理解した上で本剤を使用すること
  • 7.6. 〈治癒切除不能な膵癌〉国内第2相臨床試験(JO20302/JO21097試験)の基準を目安として、休薬、減量又は中止を考慮すること
  • [治癒切除不能な膵癌を対象とした国内第2相臨床試験における休薬減量基準(一部改変)]1). 〈治癒切除不能な膵癌〉間質性肺疾患<Gradeは問わない>:疑われる症状が発現した場合には、直ちに休薬、その後CT検査を含めた適切な検査を実施し、医学的に間質性肺疾患と判断した場合には投与中止(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);医学的に間質性肺疾患と判断されなかった場合には、同一用量で投与再開
  • 2). 〈治癒切除不能な膵癌〉角膜炎:①. 〈治癒切除不能な膵癌〉角膜炎<Grade2>:2週間以上継続する場合はGrade1以下になるまで休薬(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);同一用量で再開(ただし、主治医判断で50mgに減量して再開可能)(50mgで再開した後に副作用が再び発現した場合には、投与を中止する)
  • ②. 〈治癒切除不能な膵癌〉角膜炎<Grade3>:Grade1以下になるまで休薬(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);50mgで再開(50mgで再開した後に副作用が再び発現した場合には、投与を中止する)
  • 3). 〈治癒切除不能な膵癌〉下痢:①. 〈治癒切除不能な膵癌〉下痢<Grade2>:その症状が忍容できない場合はGrade1以下に回復するまで休薬(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);同一用量で再開(ただし、主治医判断で50mgに減量して再開可能)(50mgで再開した後に副作用が再び発現した場合には、投与を中止する)
  • ②. 〈治癒切除不能な膵癌〉下痢<Grade3>:Grade1以下になるまで休薬(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);50mgで再開(50mgで再開した後に副作用が再び発現した場合には、投与を中止する)
  • 4). 〈治癒切除不能な膵癌〉発疹(ざ瘡/ざ瘡様):①. 〈治癒切除不能な膵癌〉発疹<Grade2>(ざ瘡<Grade2>/ざ瘡様発疹<Grade2>):その症状が忍容できない場合はGrade1以下に回復するまで休薬(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);同一用量で再開(ただし、主治医判断で50mgに減量して再開可能)(50mgで再開した後に副作用が再び発現した場合には、投与を中止する)
  • ②. 〈治癒切除不能な膵癌〉発疹<Grade3>(ざ瘡<Grade3>/ざ瘡様発疹<Grade3>):Grade1以下になるまで休薬(ただし、主治医が継続投与可能と判断した場合は同一用量で投与可能)(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);50mgで再開(50mgで再開した後に副作用が再び発現した場合には、投与を中止する)
  • 5). 〈治癒切除不能な膵癌〉AST<Grade3>又はALT<Grade3>:Grade2以下になるまで休薬(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);50mgで再開(50mgで再開した後に副作用が再び発現した場合には、投与を中止する)
  • 6). 〈治癒切除不能な膵癌〉前記以外の非血液毒性:①. 〈治癒切除不能な膵癌〉前記以外の非血液毒性<Grade2>:4週間以上継続した場合はGrade1以下になるまで休薬(ただし、主治医が継続投与可能と判断した場合は同一用量で投与可能)(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);50mgで再開(50mgで再開した後に副作用が再び発現した場合には、投与を中止する)
  • ②. 〈治癒切除不能な膵癌〉前記以外の非血液毒性<Grade3>:Grade1以下になるまで休薬(ただし、主治医が継続投与可能と判断した場合は同一用量で投与可能)(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);50mgで再開(50mgで再開した後に副作用が再び発現した場合には、投与を中止する)
  • 7). 〈治癒切除不能な膵癌〉全ての非血液毒性<Grade4>:投与の中止(重篤又は致死的となる可能性がないと主治医が判断した場合を除く)
  • 8). 〈治癒切除不能な膵癌〉血液毒性<Grade4>:Grade2以下になるまで休薬(3週間以上の連続した休薬で回復しない場合には、投与を中止する);同一用量で再開
  • GradeはCTCAE v3.0により評価
  • 本剤減量後の増量は行わない
※ 実際に薬を使用する際は、医師から指示された服用方法や使用方法・回数などを優先して下さい。

タルセバ錠100mgの使用上の注意

病気や症状に応じた注意喚起

  • 以下の病気・症状がみられる方は、添付文書の「使用上の注意」等を確認してください
    • 過敏症
    • 肝機能障害
    • 消化管潰瘍
    • 肺気腫
    • 肺疾患
    • 慢性閉塞性肺疾患
    • 腸管憩室
    • 全身状態不良
    • Gilbert症候群
    • グルクロン酸抱合異常
    • 喫煙歴
    • 間質性肺疾患
    • 肺感染症
    • UGT1A1発現量が低下
    • ECOG Performance Status:2-4
    • 原疾患の転移
    • 正常肺占有率低値
    • 蜂巣肺

患者の属性に応じた注意喚起

年齢や性別に応じた注意喚起

タルセバ錠100mgの注意が必要な飲み合わせ

※ 薬は飲み合わせによって身体に悪い影響を及ぼすことがあります。 飲み合わせに関して気になることがあれば、担当の医師や薬剤師に相談してみましょう。

薬剤名 影響
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤 エルロチニブのAUC<中央値>が86%・Cmax<中央値>が69%上昇
ケトコナゾール エルロチニブのAUC<中央値>が86%・Cmax<中央値>が69%上昇
イトラコナゾール エルロチニブのAUC<中央値>が86%・Cmax<中央値>が69%上昇
クラリスロマイシン エルロチニブのAUC<中央値>が86%・Cmax<中央値>が69%上昇
テリスロマイシン エルロチニブのAUC<中央値>が86%・Cmax<中央値>が69%上昇
インジナビル エルロチニブのAUC<中央値>が86%・Cmax<中央値>が69%上昇
ネルフィナビル エルロチニブのAUC<中央値>が86%・Cmax<中央値>が69%上昇
リトナビル エルロチニブのAUC<中央値>が86%・Cmax<中央値>が69%上昇
サキナビル エルロチニブのAUC<中央値>が86%・Cmax<中央値>が69%上昇
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤 エルロチニブのAUC<中央値>が69%低下
リファンピシン類 エルロチニブのAUC<中央値>が69%低下
フェニトイン エルロチニブのAUC<中央値>が69%低下
カルバマゼピン エルロチニブのAUC<中央値>が69%低下
フェノバルビタール エルロチニブのAUC<中央値>が69%低下
シプロフロキサシン エルロチニブのAUC<幾何平均値>が39%上昇、エルロチニブのCmax<幾何平均値>が17%上昇
プロトンポンプ阻害剤 エルロチニブのAUC<幾何平均値>が46%低下
オメプラゾール エルロチニブのAUC<幾何平均値>が46%低下
H2受容体拮抗剤 エルロチニブのAUC<幾何平均値>が33%低下
ラニチジン エルロチニブのAUC<幾何平均値>が33%低下
血液凝固阻止剤 INR増加、胃腸出血
ワルファリン INR増加、胃腸出血
非ステロイド系抗炎症剤 胃腸出血

飲食物との組み合わせ注意

  • グレープフルーツジュース
  • セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
  • 脂肪・カロリーが多い食事

タルセバ錠100mgと主成分が同じ薬

  • 内用薬 > 錠剤 > 錠のアイコン
    薬価 5368.5円 (150mg1錠)
    薬の形状 内用薬 > 錠剤 > 錠
    製造会社 中外製薬
    先発
  • 内用薬 > 錠剤 > 錠のアイコン
    薬価 3769.3円 (100mg1錠)
    薬の形状 内用薬 > 錠剤 > 錠
    製造会社 中外製薬
    先発
  • 内用薬 > 錠剤 > 錠のアイコン
    薬価 1026.1円 (25mg1錠)
    薬の形状 内用薬 > 錠剤 > 錠
    製造会社 中外製薬
    先発
主成分が同じ薬をすべて見る

タルセバ錠100mgに関係する解説

分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔EGFR-TKI〕)

  • タルセバ錠100mgは、分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔EGFR-TKI〕)に分類される。
  • 分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔EGFR-TKI〕)とは、上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ活性を選択的に阻害することでがん細胞の増殖を抑制する薬。

分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔EGFR-TKI〕)の代表的な商品名

  • イレッサ
  • タルセバ
  • ジオトリフ
  • タグリッソ
  • ビジンプロ
分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔EGFR-TKI〕)についての詳しい解説を見る