処方薬
ビカルタミド錠80mg「テバ」
後発

ビカルタミド錠80mg「テバ」の添付文書

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効果・効能

前立腺癌。

(効能又は効果に関連する注意)

    1. 本剤による治療は、根治療法ではないことに留意し、本剤投与12週後を抗腫瘍効果観察のめどとして、本剤投与により期待する効果が得られない場合、あるいは病勢の進行が認められた場合には、手術療法等他の適切な処置を考慮すること。
    1. 本剤投与により、安全性の面から容認し難いと考えられる副作用が発現した場合は、治療上の有益性を考慮の上、必要に応じ、休薬又は集学的治療法などの治療法に変更すること。

用法・用量

通常、成人にはビカルタミドとして80mgを1日1回、経口投与する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):劇症肝炎、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.3参照〕。

  2. 1.2. 白血球減少(1.0%)、血小板減少(1.9%)。

  3. 1.3. 間質性肺炎(頻度不明)。

  4. 1.4. 心不全、心筋梗塞(いずれも頻度不明)。

    1. その他の副作用
    1. 内分泌:(5%以上)乳房腫脹(44.7%)、乳房圧痛(46.6%)、ほてり。
    2. 生殖器:(5%以上)勃起力低下。
    3. 肝臓:(1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、(1%未満)γ-GTP上昇、LDH上昇。
    4. 泌尿器:(1%未満)腎機能障害(クレアチニン上昇、BUN上昇)、(頻度不明)血尿、夜間頻尿。
    5. 皮膚:(1%未満)皮膚そう痒、発疹、(頻度不明)発汗、皮膚乾燥、脱毛、多毛、光線過敏症。
    6. 精神神経系:(5%以上)性欲減退、(1%未満)傾眠、(頻度不明)頭痛、めまい、不眠、抑うつ状態。
    7. 循環器:(1%未満)心電図異常。
    8. 消化器:(1~5%未満)便秘、(1%未満)口渇、(頻度不明)食欲不振、下痢、悪心、嘔吐、消化不良、鼓腸放屁、腹痛。
    9. 筋・骨格系:(1%未満)胸痛、(頻度不明)骨盤痛。
    10. 過敏症:(頻度不明)血管浮腫、蕁麻疹。
    11. その他:(1~5%未満)総コレステロール上昇、中性脂肪上昇、(1%未満)さむけ、(頻度不明)貧血、浮腫、倦怠感、無力症、疲労、高血糖、体重増加・体重減少。

      副作用頻度は承認時までの国内臨床試験を基に集計した。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. 小児[本薬の薬理作用に基づき、男子小児の生殖器官の正常発育に影響を及ぼす恐れがある。また、本薬の毒性試験(ラット)において、雌性ラットで子宮の腫瘍性変化が認められている]。
    1. 女性[本薬の毒性試験(ラット)において、子宮の腫瘍性変化及び雄仔の雌性化が報告されている]。

(重要な基本的注意)

    1. 外国の臨床試験において、本剤投与例で本剤との関連性が否定できなかった前立腺癌以外の死亡例が報告されている。そのうち心・循環器系疾患による死亡は9%未満であり、その主な死因は心不全、心筋梗塞、脳血管障害等であった。これら外国の臨床試験で報告された心・循環器系疾患による死亡率は、対照の去勢術群(16%未満)より低く、高齢者で一般に予期される死亡率の範囲内であったが、本剤を投与する場合は十分に観察を行い、慎重に投与すること。
    1. 本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
    1. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.1参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:本剤は肝臓でほぼ完全に代謝を受けるため、定常状態時の血中濃度が高くなる可能性がある〔16.6.2参照〕。

(高齢者)

高齢者への投与の際には患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤の臨床試験成績から、高齢者と非高齢者において血漿中濃度及び副作用の発現に差はみられていないが、一般に高齢者では、心・循環器系の機能が低下していることが多く、心・循環器系の有害事象の発現頻度が若年層より高い)。

(相互作用)

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4を阻害する〔16.7参照〕。

  1. 2. 併用注意
    1. クマリン系抗凝血薬(ワルファリン等)[クマリン系抗凝血薬の作用を増強するおそれがあるので、プロトロンビン時間を測定する、又は、トロンボテストを実施するなど、血液凝固能検査等出血管理を十分に行いつつ、凝固能の変動に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(in vitro試験で蛋白結合部位においてワルファリンと置換するとの報告がある)]。
    2. トルブタミド[トルブタミドの作用を増強するおそれがあるが、但し、相互作用に関する報告症例はない(本剤は、in vitro試験でトルブタミドの代謝を阻害した)]。
    3. デキストロメトルファン[デキストロメトルファンの作用を増強するおそれがあるが、但し、相互作用に関する報告症例はない(本剤は、in vitro試験でデキストロメトルファンの代謝を阻害した)]。
    4. 主にCYP3A4によって代謝される薬物(カルバマゼピン、シクロスポリン、トリアゾラム等)[主にCYP3A4によって代謝される薬物の作用を増強するおそれがあるが、但し、相互作用に関する報告症例はない(本剤は、in vitro試験でCYP3A4によるテストステロン6β-水酸化酵素活性を阻害した)]。

(適用上の注意)

    1. 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    外国において、呼吸困難が発現したとの報告がある。

(保管上の注意)

室温保存。