処方薬
アドリアシン注用10
先発

アドリアシン注用10の基本情報

アドリアシン注用10の概要

商品名 アドリアシン注用10
一般名 ドキソルビシン塩酸塩注射用
薬価・規格 1989.0円 (10mg1瓶)
薬の形状
注射薬 > 散剤 > 注射用
注射薬 > 散剤 > 注射用のアイコン
製造会社 サンドファーマ
ブランド アドリアシン注用10 他
YJコード 4235402D1030
レセプト電算コード 620003675
添付文書PDFファイル

アドリアシン注用10の主な効果と作用

  • 腫瘍を治療するお薬です。
  • 腫瘍細胞の核酸代謝をおさえることにより、増殖をおさえる働きがあります。
  • 悪性リンパ腫多発性骨髄腫を治療するお薬です。
  • あなたの病気や症状に合わせて処方されたお薬です。

アドリアシン注用10の用途

  • 悪性リンパ腫の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 胃癌の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 肝癌の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 結腸の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 骨肉腫の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 消化器癌の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 膵臓癌の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 多発性骨髄腫
  • 直腸癌の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 乳癌の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 尿路上皮癌
  • 肺癌の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 膀胱腫瘍の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 胆管癌の自覚的及び他覚的症状の緩解
  • 小児横紋筋肉腫
  • 小児神経芽腫
  • 小児ユーイング肉腫ファミリー腫瘍
  • 小児悪性固形腫瘍
  • 小児肝芽腫
  • 小児腎芽腫
  • 小児網膜芽腫
  • 悪性骨・軟部腫瘍
  • 悪性骨腫瘍
  • 乳癌<手術可能例における術前あるいは術後化学療法
  • 子宮体癌<術後化学療法・転移・再発時化学療法>
  • 胆のう癌の自覚的及び他覚的症状の緩解

アドリアシン注用10の副作用

※ 副作用とは、医薬品を指示どおりに使用したにもかかわらず、患者に生じた好ましくない症状のことを指します。 人により副作用の発生傾向は異なります。記載されている副作用が必ず発生するものではありません。 また、全ての副作用が明らかになっているわけではありません。

主な副作用

心電図異常、食欲不振、悪心、嘔吐、口内炎、脱毛、頻尿、排尿痛、膀胱炎、頻脈、不整脈

起こる可能性のある重大な副作用

心筋障害、心不全、骨髄機能抑制、出血、汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少、ショック、間質性肺炎、咳嗽、呼吸困難、発熱、萎縮膀胱

上記以外の副作用

胸痛、肝障害、下痢、皮膚色素沈着、倦怠感、頭痛、血尿、過敏症、発疹、蛋白尿、残尿感、気胸、血胸、鼻出血

アドリアシン注用10の用法・用量

  • 〈ドキソルビシン塩酸塩通常療法〉6.1. 肺癌、消化器癌(胃癌、胆のう・胆管癌、膵臓癌、肝癌、結腸癌、直腸癌等)、乳癌、骨肉腫6.1.1. 1日量、ドキソルビシン塩酸塩として10mg(0.2mg/kg)(力価)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回4~6日間連日静脈内ワンショット投与後、7~10日間休薬する
  • この方法を1クールとし、2~3クール繰り返す
  • 6.1.2. 1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20mg(0.4mg/kg)(力価)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回2~3日間静脈内にワンショット投与後、7~10日間休薬する
  • この方法を1クールとし、2~3クール繰り返す
  • 6.1.3. 1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20~30mg(0.4~0.6mg/kg)(力価)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回、3日間連日静脈内にワンショット投与後、18日間休薬する
  • この方法を1クールとし、2~3クール繰り返す
  • 6.1.4. 総投与量はドキソルビシン塩酸塩として500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする
  • 6.2. 悪性リンパ腫6.2.1. 前記6.1.1~6.1.3に従う
  • 6.2.2. 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、次のとおりとする
  • (1). ドキソルビシン塩酸塩として1日1回25~50mg(力価)/㎡(体表面積)を静脈内投与し、繰り返す場合には少なくとも2週間以上の間隔をあけて投与する
  • (2). ドキソルビシン塩酸塩として、1日目は40mg(力価)/㎡(体表面積)、8日目は30mg(力価)/㎡(体表面積)を静脈内投与し、その後20日間休薬する
  • この方法を1クールとし、投与を繰り返す
  • 投与に際しては、日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液により希釈する
    • なお、年齢、併用薬、患者の状態に応じて適宜減量する
    • また、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする
  • 6.3. 乳癌(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法6.3.1. シクロホスファミド水和物との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として60mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回静脈内投与後、13日間又は20日間休薬する
  • この方法を1クールとし、4クール繰り返す
    • なお、年齢、症状により適宜減量する
  • またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする
  • 6.4. 子宮体癌(術後化学療法、転移・再発時化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法6.4.1. シスプラチンとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として60mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回静脈内投与し、その後休薬し3週毎繰り返す
    • なお、年齢、症状により適宜減量する
  • またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする
  • 6.5. 悪性骨・軟部腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法6.5.1. イホスファミドとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20~30mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回3日間連続で静脈内投与し、その後休薬し3~4週毎繰り返す
    • なお、年齢、症状により適宜減量する
  • またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする
  • 本剤単剤では6.1.3、6.1.4に従う
  • 6.6. 悪性骨腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法6.6.1. シスプラチンとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回3日間連続で静脈内投与または点滴静注し、その後3週間休薬する
  • これを1クールとし、投与を繰り返す
    • なお、疾患、症状により適宜減量する
  • またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする
  • 6.7. 多発性骨髄腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法6.7.1. ビンクリスチン硫酸塩、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量ドキソルビシン塩酸塩として9mg(力価)/㎡(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液に希釈して24時間持続静注する
  • これを4日間連続で行う
  • その後休薬し、3~4週毎繰り返す方法を1クールとする
    • なお、年齢、症状により適宜減量する
  • またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする
  • 6.8. 小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法6.8.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、次のとおりとする
  • (1). 1日20~40mg(力価)/㎡(体表面積)を24時間持続点滴1コース20~80mg(力価)/㎡(体表面積)を24~96時間かけて投与し、繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する
  • 1日投与量は最大40mg(力価)/㎡(体表面積)とする
  • (2). 1日1回20~40mg(力価)/㎡(体表面積)を静注または点滴静注1コース20~80mg(力価)/㎡(体表面積)を投与し、繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する
  • 1日投与量は最大40mg(力価)/㎡(体表面積)とする
  • 投与に際しては、日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液により希釈する
    • なお、年齢、併用薬、患者の状態に応じて適宜減量する
    • また、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡(体表面積)以下とする
  • 6.9. 膀胱腫瘍6.9.1. 1日量、ドキソルビシン塩酸塩として30~60mg(力価)を20~40mLの日局生理食塩液に1~2mg(力価)/mLになるように溶解し、1日1回連日または週2~3回膀胱腔内に注入する
    • また、年齢・症状に応じて適宜増減する
  • (ドキソルビシン塩酸塩の膀胱腔内注入法)ネラトンカテーテルで導尿し、十分に膀胱腔内を空にしたのち同カテーテルより、ドキソルビシン塩酸塩30~60mg(力価)を20~40mLの日局生理食塩液に1~2mg(力価)/mLになるように溶解して膀胱腔内に注入し、1~2時間膀胱把持する
  • 〈M-VAC療法〉6.10. 尿路上皮癌6.10.1. メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩及びシスプラチンとの併用において、通常、ドキソルビシン塩酸塩を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、成人1回30mg(力価)/㎡(体表面積)を静脈内に注射する
    • なお、年齢、症状により適宜減量する
  • 標準的な投与量及び投与方法は、メトトレキサート30mg/㎡を1日目に投与した後、2日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/㎡、ドキソルビシン塩酸塩30mg(力価)/㎡及びシスプラチン70mg/㎡を静脈内に注射する
  • 15日目及び22日目に、メトトレキサート30mg/㎡及びビンブラスチン硫酸塩3mg/㎡を静脈内に注射する
  • これを1クールとして4週毎に繰り返すが、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/㎡以下とする
  • (用法及び用量に関連する注意)7.1. 〈多発性骨髄腫、小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)〉24時間持続静脈内注射を実施する場合は、中心静脈カテーテルを留置して投与すること〔8.6参照〕
  • 7.2. 〈悪性リンパ腫〉本剤の投与量、投与スケジュール、併用薬等について、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること
  • 7.3. 〈乳癌<手術可能例における術前あるいは術後化学療法>に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉本剤の投与スケジュールの選択、G-CSF製剤の使用等について、国内外の最新のガイドライン等を参考にすること
※ 実際に薬を使用する際は、医師から指示された服用方法や使用方法・回数などを優先して下さい。

アドリアシン注用10の使用上の注意

病気や症状に応じた注意喚起

患者の属性に応じた注意喚起

年齢や性別に応じた注意喚起

アドリアシン注用10の注意が必要な飲み合わせ

※ 薬は飲み合わせによって身体に悪い影響を及ぼすことがあります。 飲み合わせに関して気になることがあれば、担当の医師や薬剤師に相談してみましょう。

薬剤名 影響
心毒性を有する抗悪性腫瘍剤 心筋障害が増強
アントラサイクリン系薬剤 心筋障害が増強
抗悪性腫瘍剤 骨髄機能抑制等の副作用が増強
パクリタキセル 骨髄抑制等の副作用が増強

アドリアシン注用10と主成分が同じ薬

主成分が同じ薬をすべて見る

アドリアシン注用10に関係する解説

抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)

  • アドリアシン注用10は、抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)に分類される。
  • 抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)とは、細胞の増殖に必要なDNAやRNAの合成を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす薬。

抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)の代表的な商品名

  • アドリアシン
  • ドキシル
  • ファルモルビシン
  • カルセド
抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)についての詳しい解説を見る