処方薬
ヒアルロン酸Na関節注25mg「サワイ」
後発

ヒアルロン酸Na関節注25mg「サワイ」の添付文書

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効果・効能

  1. 変形性膝関節症、肩関節周囲炎。

  2. 関節リウマチにおける膝関節痛(次記1)~4)の基準を全て満たす場合に限る)。

    1. 抗リウマチ薬等による治療で全身の病勢がコントロールできていても膝関節痛のある場合。
    2. 全身の炎症症状がCRP値として10mg/dL以下の場合。
    3. 膝関節の症状が軽症から中等症の場合。
    4. 膝関節のLarsen X線分類がGrade1からGrade3の場合。

用法・用量

  1. 変形性膝関節症、肩関節周囲炎:1回精製ヒアルロン酸ナトリウムとして25mgを1週間ごとに連続5回膝関節腔内又は肩関節(肩関節腔、肩峰下滑液包又は上腕二頭筋長頭腱腱鞘)内に投与するが、症状により投与回数を適宜増減する。

  2. 関節リウマチにおける膝関節痛:1回精製ヒアルロン酸ナトリウムとして25mgを1週間毎に連続5回膝関節腔内に投与する。

    本剤は関節内に投与するので、厳重な無菌的操作のもとに行う。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    ショック:ショック症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

  2. その他の副作用:次のような症状が認められた場合は適切な処置を行う。

    1. 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹等の発疹、そう痒感、浮腫(顔面浮腫、眼瞼浮腫等)、顔面発赤[発現した場合は投与を中止し、適切な処置を行う]。
    2. 投与関節:(頻度不明)投与関節疼痛(主に投与後の一過性投与関節疼痛)、投与関節腫脹、投与関節水腫、投与関節発赤、投与関節熱感、投与関節局所の重苦しさ、*投与関節周囲のしびれ感[*:関節リウマチにおける膝関節痛適用を持つ類薬により認められている副作用]。
    3. 肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇、LDH上昇[関節リウマチにおける膝関節痛適用を持つ類薬により認められている副作用]。
    4. 血液:(頻度不明)好酸球増多、ヘマトクリット低下、白血球増多[関節リウマチにおける膝関節痛適用を持つ類薬により認められている副作用]。
    5. その他:(頻度不明)嘔気・嘔吐、発熱、*倦怠感、*蛋白尿、*尿沈渣異常、*動悸、*ほてり、*総蛋白低下、*BUN上昇[*:関節リウマチにおける膝関節痛適用を持つ類薬により認められている副作用]。

使用上の注意

(禁忌)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)

  1. 他の薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者。

  2. 肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害の既往歴のある患者においてAST異常値(GOT異常値)、ALT異常値(GPT異常値)例がみられた]。

  3. 投与関節部に皮膚疾患又は投与関節部に感染のある患者[本剤は関節内に投与するため]。

(重要な基本的注意)

  1. 変形性膝関節症、関節リウマチにおける膝関節痛については、投与関節の炎症が著しい変形性膝関節症又は関節液貯留が著しい変形性膝関節症、投与関節の炎症が著しい関節リウマチにおける膝関節痛又は関節液貯留が著しい関節リウマチにおける膝関節痛の場合は、本剤の投与により局所炎症症状悪化を招くことがあるので、炎症症状を抑えてから本剤を投与することが望ましい。

  2. 本剤の投与により、ときに局所痛が現れることがあるので、投与後の局所安静を指示するなどの措置を講じる。

  3. 関節腔外に漏れると疼痛を起こす恐れがあるので、関節腔内に確実に投与する。

  4. 関節リウマチにおける膝関節痛については次の点に注意する。

    1. 関節リウマチにおける膝関節痛については本剤による治療は原因療法ではなく局所に対する対症療法であるので抗リウマチ薬等と併用する(本剤は漫然と連用する薬剤ではない)。
    2. 関節リウマチにおける膝関節痛については抗リウマチ薬等の治療により全身の病勢がコントロールできていても膝関節痛がある場合、当該膝関節腔内に投与する。
    3. 関節リウマチにおける膝関節痛については膝関節以外の使用経験はなく、他の関節については有効性・安全性が確立していないため本剤を投与しない。
    4. 関節リウマチでは膝関節の器質的変化が高度なものは有効性・安全性が確立していないため本剤を投与しない。

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(ウサギ)では催奇形性は認められていないが、妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

  2. 授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせる[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている]。

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない。

(適用上の注意)

  1. 注射時の注意

    1. 本剤は膝関節腔内又は肩関節内に投与するので、厳重な無菌的操作のもとに行う。
    2. 症状の改善が認められない場合は、5回を限度として投与を中止する。
    3. 関節液の貯留があるときには、必要に応じ穿刺により排液する。
  2. アンプルカット時:本品は、ワンポイントアンプルなので、マークを上にして下方へ折る。なお、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。

  3. その他

    1. 血管内へは投与しない。
    2. 眼科用には使用しない。
    3. 本剤は粘稠なため、18~20G程度の太めの注射針を用いて注射筒に吸引し、22~23G程度の注射針を用いて投与することが望ましい。
    4. 本剤は粘稠なため、アンプルの頭部に注射液が付着することがあるので、アンプルを振り、付着した注射液をアンプルの底部に流下させ、ゆっくりと注射筒へ吸入する。
    5. 本剤は、殺菌消毒剤であるベンザルコニウム塩化物等の第4級アンモニウム塩及びクロルヘキシジンにより沈殿を生じることがあるので十分注意する。

(取扱い上の注意)

安定性試験:ガラスアンプルに充填したものを用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。