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オフェブカプセル100mg
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効果・効能

1.  特発性肺線維症。
1.  全身性強皮症に伴う間質性肺疾患。
1.  進行性線維化を伴う間質性肺疾患。

(効能又は効果に関連する注意)

    1. 〈全身性強皮症に伴う間質性肺疾患〉全身性強皮症に伴う皮膚病変等の全身性強皮症に伴う間質性肺疾患以外の臓器病変に対する本剤の有効性は示されていない。
    1. 〈進行性線維化を伴う間質性肺疾患〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、肺機能、呼吸器症状及び胸部画像所見の総合的な評価により進行性線維化が認められる間質性肺疾患患者に本剤を投与すること。

用法・用量

通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。なお、患者の状態によりニンテダニブとして1回100mgの1日2回投与へ減量する。

(用法及び用量に関連する注意)

    1. 〈効能共通〉下痢、悪心、嘔吐等の副作用が認められた場合は、対症療法などの適切な処置を行ったうえ、本剤の治療が可能な状態に回復するまでの間、減量又は治療の中断を検討し、治療の中断後再開する場合は1回100mg、1日2回から再開することを検討すること(患者の状態に応じて1回150mg、1日2回へ増量することができる)。再投与又は増量する場合は慎重に投与し、投与後は患者の状態を十分に観察すること。
    1. 〈効能共通〉ASTが基準値上限の3倍を超えた又はALTが基準値上限の3倍を超えた場合は、本剤の減量又は治療の中断を行い、十分な経過観察を行うこと(治療を中断し投与を再開する場合には、AST又はALTが投与前の状態に回復した後、1回100mg、1日2回から投与することとし、患者の状態に応じて1回150mg、1日2回へ増量することができる)。再投与又は増量する場合には慎重に投与し、投与後は患者の状態を十分に観察すること〔8.1、11.1.2参照〕。
    1. 〈全身性強皮症に伴う間質性肺疾患〉シクロホスファミド、アザチオプリンとの併用時の有効性及び安全性は検討されていない〔17.1.3参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 重度下痢(3.0%):下痢症状がみられる場合は速やかに補液やロペラミド等の止瀉剤投与を行い、本剤による治療の中断を検討すること。これらの対症療法にもかかわらず持続するような重度下痢の場合は、本剤による治療を中止し、再投与は行わないこと〔7.1参照〕。

  2. 1.2. 肝機能障害(2.1%)〔7.2、8.1参照〕。

  3. 1.3. 血栓塞栓症(静脈血栓塞栓(頻度不明)、動脈血栓塞栓(0.2%))。

  4. 1.4. 血小板減少(0.2%):血小板減少があらわれ、出血に至った重篤な症例も報告されている〔8.2参照〕。

  5. 1.5. 消化管穿孔(0.1%):異常が認められた場合には、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行うこと。

  6. 1.6. 間質性肺炎(頻度不明):胸部画像検査や呼吸機能検査で急激な間質性肺炎悪化等の薬剤性間質性肺炎の徴候がみられる場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  7. 1.7. ネフローゼ症候群(頻度不明)〔8.3参照〕。

  8. 1.8. 動脈解離(頻度不明):大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある。

    1. その他の副作用
    1. 代謝及び栄養障害:(5%以上10%未満)食欲減退、体重減少。
    2. 血管障害:(1%以上5%未満)高血圧。
    3. 胃腸障害:(10%以上)下痢(56.1%)、悪心(21.6%)、嘔吐(11.0%)、腹痛(10.9%)、(1%以上5%未満)便秘、(1%未満)虚血性大腸炎。
    4. 肝胆道系障害:(10%以上)肝酵素上昇(AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇等)(12.2%)、(1%未満)高ビリルビン血症。
    5. 皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)発疹、皮膚そう痒症、脱毛症。
    6. 神経障害:(1%以上5%未満)頭痛。
    7. その他:(1%以上5%未満)出血。

使用上の注意

(警告)

本剤の使用は、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで行うこと。

(禁忌)

    1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(重要な基本的注意)

    1. AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔7.2、11.1.2参照〕。
    1. 血小板減少があらわれ、出血に至った重篤な症例も報告されているため、本剤投与中は定期的に血液検査を行うなど、観察を十分に行うこと〔11.1.4参照〕。
    1. ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、投与期間中は尿蛋白を定期的に検査すること〔11.1.7参照〕。
    1. 創傷治癒を遅らせる可能性があるので、手術時は投与を中断することが望ましく、手術後の投与再開は患者の状態に応じて判断すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 血栓塞栓症の既往歴及び血栓塞栓症素因のある患者:血栓塞栓事象の発現を助長する可能性がある。

  2. 1.2. 出血性素因のある患者、抗凝固剤治療中の患者:出血リスクを助長する可能性がある。

(肝機能障害患者)

  1. 3.1. 中等度及び高度肝機能障害(Child Pugh B・C)のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること、使用する場合は、肝機能検査をより頻回に行うなど、慎重に患者の状態を観察すること(肝機能障害が悪化するおそれがあり、また、中等度の肝機能障害(Child Pugh B)のある患者では血中濃度が上昇し、高度の肝機能障害(Child Pugh C)のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない)〔7.2、8.1、16.6.1参照〕。

  2. 3.2. 軽度肝機能障害(Child Pugh A)のある患者:肝機能検査をより頻回に行うなど、慎重に患者の状態を観察すること(肝機能障害が悪化するおそれがある)〔7.2、8.1、16.6.1参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、本剤の投与中及び投与終了の少なくとも3カ月後までは適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物(ラット、ウサギ)を用いた生殖発生毒性試験で催奇形性作用及び胚致死作用・胎仔致死作用が認められている)〔2.1、9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている)。

(小児等)

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

(高齢者)

一般に生理機能が低下している。

(相互作用)

本剤はP-糖蛋白の基質である。

  1. 2. 併用注意
    1. P-糖蛋白阻害剤(エリスロマイシン、シクロスポリン等)〔16.7.1参照〕[P-糖蛋白阻害剤との併用時は観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与の中断、減量又は中止等の適切な処置を行うこと(P-糖蛋白の阻害により本剤の曝露が上昇する可能性があり、ケトコナゾールとの併用によりニンテダニブのAUCが約1.6倍、Cmaxが約1.8倍に上昇した)]。
    2. P-糖蛋白誘導剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(St.John’s Wort)等)〔16.7.2参照〕[P-糖蛋白誘導剤との併用により、本剤の作用が減弱する可能性があるので、P-糖蛋白誘導作用のない又は少ない薬剤の選択を検討すること(P-糖蛋白の誘導により本剤の曝露が低下する可能性があり、リファンピシンとの併用によりニンテダニブのAUCが約50%、Cmaxが約60%まで減少した)]。

(適用上の注意)

    1. 薬剤交付時の注意
  1. 1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

  2. 1.2. 本剤は吸湿性があるので、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。また、アルミピロー包装(1アルミピロー包装中に28カプセル(14カプセル入りPTPシート×2)を含む)のまま調剤を行うことが望ましい。

    1. 薬剤投与時の注意
  3. 2.1. 服薬を忘れた場合は、次の服薬スケジュール(朝又は夕方)から推奨用量で再開すること。

  4. 2.2. カプセルは噛まずにコップ一杯の水とともに服薬すること。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    本剤との因果関係は明確ではないが、本剤の癌(適応外)を対象とした臨床試験において顎骨壊死が認められている。また、類薬[血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害剤]において、投与後に顎骨壊死が発現したとの報告があり、多くはビスホスホネート系製剤投与中又はビスホスホネート系製剤投与経験のある患者であった。

    1. 非臨床試験に基づく情報

    反復投与毒性試験で、ラットでは出血を伴う切歯破折及び壊死を伴う切歯破折が認められ、ラット及びサルでは、成長中の骨で骨端成長板肥厚が認められた。

(保管上の注意)

25℃を超えるところに保存しないこと。