処方薬
ジメリン錠500mg

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効果・効能

インスリン非依存型糖尿病(但し、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る)。

用法・用量

1日量アセトヘキサミドとして250mgを経口投与し、必要に応じ適宜増量して維持量を決定する。但し、1日最高投与量は1000mgとする。

投与方法は、1回投与の場合は朝食前又は後、2回投与の場合は朝夕それぞれ食前又は後に経口投与する。

副作用

承認時における安全性評価対象例124例中、低血糖を除いた臨床検査値の異常変動を含む副作用は8例(6.5%)、9件認められた。

再評価結果における安全性評価対象例614例中、低血糖を除いた臨床検査値の異常変動を含む副作用は37例(6.0%)、44件認められた。主なものは、肝機能障害18件等であった。

低血糖については、再評価結果において50例(頻度不明)の重症低血糖症が報告されている。

  1. 重大な副作用

    1. 低血糖(頻度不明):脱力感、高度空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等が現れることがある(なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意する)。また、本剤の投与により低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース)との併用により低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与する。
    2. 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症(0.1%未満):再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
  2. その他の副作用

    1. 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)光線過敏症等[症状が現れた場合には投与を中止する]。
    2. 血液:(0.1%未満)血小板減少。
    3. 肝臓:(0.1~5%未満)肝機能障害、(0.1%未満)肝性ポルフィリン症。
    4. 消化器:(0.1~5%未満)悪心、食欲不振、腹部膨満感、腹痛、下痢等。
    5. その他:(0.1~5%未満)頭痛、倦怠感、(0.1%未満)アルコール耐性低下、関節痛、脱毛、甲状腺機能異常、晩発性皮膚ポルフィリン症。

使用上の注意

(警告)

重篤かつ遷延性の低血糖症を起こすことがあるので、用法・用量、使用上の注意に特に留意する。

(禁忌)

  1. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、インスリン依存型糖尿病(若年型糖尿病、ブリットル型糖尿病等)の患者[インスリンの適用である]。

  2. 重篤な肝機能障害又は重篤な腎機能障害のある患者[低血糖を起こす恐れがある]。

  3. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンの適用である]。

  4. 下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こす恐れがある]。

  5. 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

  6. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

(慎重投与)

  1. 既に肝機能障害又は腎機能障害のある患者。

  2. 次に掲げる低血糖を起こす恐れのある患者又は状態。

    1. 肝機能障害又は腎機能障害。
    2. 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
    3. 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態。
    4. 激しい筋肉運動。
    5. 過度のアルコール摂取者。
    6. 高齢者。
    7. 「相互作用」の1.に示す血糖降下作用を増強する薬剤との併用。

(重要な基本的注意)

  1. 糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮する。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、老人性糖代謝異常、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意する。

  2. 適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮する。

  3. 投与する場合には、少量より開始し、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合には、速やかに他の治療法への切り替えを行う。

  4. 投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、体重の推移、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意する。

  5. 重篤かつ遷延性の低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意する。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させる。

(相互作用)

併用注意:

  1. 血糖降下作用を増強する薬剤

    1. インスリン製剤(ヒトインスリン等)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(血中インスリンの増大)]。
    2. ビグアナイド系薬剤(メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(糖吸収抑制、肝の糖放出抑制)]。
    3. α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース)との併用により低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与する(糖吸収抑制)]。
    4. インスリン抵抗性改善剤(トログリタゾン)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(インスリン作用増強)]。
    5. DPP-4阻害剤(シタグリプチンリン酸塩水和物等)、GLP-1アナログ(リラグルチド)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(インスリン分泌促進、グルカゴン濃度低下)]。
    6. ケトフェニルブタゾン[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制)]。
    7. プロベネシド[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(腎排泄抑制)]。
    8. クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(肝代謝抑制)]。
    9. サリチル酸剤(アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート、サザピリン等)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(血中蛋白との結合抑制、インスリン分泌促進、インスリン代謝抑制)]。
    10. β遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロール等)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与する(特にβ遮断剤と併用する場合はプロプラノロール塩酸塩等の非選択性β遮断剤は避けることが望ましい)、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(糖新生抑制、アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制、低血糖に対する交感神経症状抑制)]。
    11. MAO阻害剤[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(インスリン分泌促進、糖新生抑制)]。
    12. サルファ剤(スルファメトキサゾール、スルファモノメトキシン、スルファメチゾール等)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制)]。
    13. クロラムフェニコール[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(肝代謝抑制)]。
    14. テトラサイクリン系抗生物質(ドキシサイクリン塩酸塩、テトラサイクリン塩酸塩、ミノサイクリン塩酸塩等)[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(インスリン感受性促進)]。
    15. クロフィブラート[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制)]。
    16. ビンポセチン[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(ビンポセチンの血糖降下作用は小さいが、併用によりアセトヘキサミドの作用を増強させる)]。
    17. グアネチジン硫酸塩[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(機序は明確ではないが、ノルアドレナリンの遊離阻害、組織のカテコールアミンの枯渇、インスリン感受性促進等の報告がある)]。
    18. ミコナゾール[(臨床症状)血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与する(肝代謝抑制)]。
  2. 血糖降下作用を減弱する薬剤

    1. アドレナリン[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(糖新生促進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制、グルカゴン分泌促進)]。
    2. 副腎皮質ホルモン[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(糖新生促進、末梢でのインスリン感受性低下、末梢での糖利用抑制、脂肪分解促進)]。
    3. 甲状腺ホルモン[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(糖新生促進、末梢での糖利用抑制、腸管からの糖吸収促進、グルカゴン分泌促進)]。
    4. 卵胞ホルモン[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(コルチゾール分泌の変化、組織での糖利用の変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化、末梢でのインスリン感受性低下)]。
    5. 利尿剤(チアジド系利尿剤、クロルタリドン、フロセミド等)[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(低カリウム血症によるインスリン分泌抑制、末梢でのインスリン感受性低下)]。
    6. ピラジナミド[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序は不明;血糖値のコントロールが難しいとの報告がある)]。
    7. イソニアジド[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(炭水化物代謝の障害による血中ブドウ糖濃度上昇)]。
    8. リファンピシン[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(肝代謝促進)]。
    9. ニコチン酸[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(肝臓でのブドウ糖の同化抑制)]。
    10. フェノチアジン系薬剤[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン分泌抑制、副腎からのアドレナリン遊離)]。
    11. フェニトイン[(臨床症状)血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;(措置方法)併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン分泌抑制)]。

(高齢者への投与)

本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続し、血糖降下作用が強く発現する恐れがあるので、少量から投与を開始し、定期的に検査を行うなど慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[スルホニル尿素系製剤は胎盤を通過することが報告されており、新生児の低血糖、巨大児が認められている(また、動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されている)]。

  2. 授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせる[他のスルホニル尿素系製剤で母乳中に移行することが報告されている]。

(過量投与)

  1. 過量投与時の徴候、症状:低血糖が起こることがある。

  2. 処置

    1. 過量投与時で飲食が可能な場合:ブドウ糖(5~15g)又は10~30gの砂糖の入った吸収のよいジュース、キャンディー等を摂取させる。
    2. 過量投与時で意識障害がある場合:ブドウ糖液(50%20mL)を静注し、必要に応じて5%ブドウ糖液点滴により血糖値の維持を図る。
    3. 過量投与時には、場合によっては、血糖上昇ホルモンとしてのグルカゴンを投与してもよい。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

  1. スルホニル尿素系製剤(トルブタミド1日1.5g)を長期間継続使用した場合、食事療法単独の場合と比較して心臓・血管系障害による死亡率が有意に高かったとの報告がある。

  2. インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。