処方薬
エレンタールP乳幼児用配合内用剤

エレンタールP乳幼児用配合内用剤の添付文書

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効果・効能

新生児及び乳幼児の次記疾患の栄養管理に用いる。ただし、適用年齢は原則として2歳未満とする。 1. 新生児小腸切除、新生児回腸瘻造設及び乳幼児小腸切除、乳幼児回腸瘻造設等で消化吸収障害を有する場合の栄養管理。 1. 新生児悪性腫瘍及び乳幼児悪性腫瘍の栄養管理。 1. 新生児心疾患術後及び乳幼児心疾患術後の栄養管理。 1. 新生児難治性下痢及び乳幼児難治性下痢の栄養管理。 1. 新生児術前及び乳幼児術前に腸管内の清浄化を要する場合の栄養管理。 1. 新生児消化管術後及び乳幼児消化管術後で未消化態タンパクを含む栄養物による栄養管理が困難な場合の栄養管理。 1. 新生児ヒルシュスプルング病(short segment)の保存療法、新生児胆道閉鎖、新生児栄養障害及び乳幼児ヒルシュスプルング病(short segment)の保存療法、乳幼児胆道閉鎖、乳幼児栄養障害等で未消化態タンパクを含む栄養物による栄養管理が困難な場合の栄養管理。

用法・用量

本剤を水又は微温湯に溶解し、経口又は経管投与する。症状により適宜増減する。

1歳未満:20~30g/kg体重(78~117kcal/kg体重)。

1歳~2歳:15~25g/kg体重(59~98kcal/kg体重)。

(本剤は原則として2歳未満の患者に用いるが、2歳以上の幼児で特に本剤の投与が必要と判断される場合は1歳~2歳の投与量に準じる)。

通常、1日3~10g/kg体重(12~39kcal/kg体重)で投与を開始し、徐々に投与量を増やし、通常3~10日で維持量に達する。濃度は、通常、10~15W/V%(0.4~0.6kcal/mL)で投与を開始し、徐々に濃度をあげて、維持期には18~20W/V%(0.7~0.8kcal/mL)とする。なお症状により適宜増減する。

経口投与では1日数回に分けて投与し、経管投与では原則として1日24時間持続的に投与する。なお、注入速度は患者の状態により適当に調節する。

(用法及び用量に関連する注意)

ミルク等の未消化態タンパクを含む栄養物による栄養管理が可能となった場合は、できるだけ速やかに本剤から離脱すること。

副作用

次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 1.2. 低血糖(0.1%未満):投与終了後にダンピング症候群様低血糖(倦怠感、発汗、冷汗、顔面蒼白、痙攣、意識低下等)があらわれることがある〔8.2参照〕。

    1. その他の副作用
    1. 消化器:(5%以上)下痢、(0.1~5%未満)腹部膨満、嘔吐、便秘、電解質異常(著しい下痢の場合)、(0.1%未満)嘔気。
    2. 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇等の肝機能異常。
    3. 血液:(0.1~5%未満)貧血。
    4. 皮膚:(0.1%未満)発疹、湿疹。
    5. その他:(0.1~5%未満)発熱、(0.1%未満)乏尿、Al-P上昇、喘鳴。

      発現頻度は、使用成績調査を含む。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. フェニルケトン尿症等のアミノ酸代謝異常のある患者[高アミノ酸血症等を起こすおそれがある]。

(重要な基本的注意)

    1. ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること(特に、鉄欠乏性貧血が認められた場合には鉄剤の併用等の処置が有効なことがある)。長期投与中に、セレン欠乏症(心機能低下、爪白色変化、筋力低下等)があらわれることがあり、また、カルニチン欠乏があらわれたとの報告がある。
    1. 経管投与患者においては、投与濃度が濃すぎる又は投与速度が速すぎると、投与終了後にダンピング症候群様低血糖があらわれることがあるので、投与濃度、投与速度に注意すること〔11.1.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 小腸広範囲切除等による短小腸の患者:慎重に投与することが望ましい(下痢の発現頻度が高い)。

  2. 1.2. 難治性下痢の患者:栄養状態の改善が望めないと判断された場合は、速やかに中止する(必ずしも全ての難治性下痢が本剤の適用とは限らない)。

(小児等)

  1. 7.1. 低出生体重児:慎重に投与することが望ましい(アミノ酸代謝等において、未解明な点もあると考えられる)。低出生体重児を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 7.2. 2歳以上の幼児:特に必要と判断される場合のみ適用すること。本剤は原則として2歳未満の患者に用いる。

(適用上の注意)

    1. 薬剤調製時の注意
  1. 1.1. 調製方法 1. 本剤は用時、水又は微温湯に溶解して調製する(70℃以上の湯では、成分の分解のおそれがある)。 1. 本剤は溶解後6時間以内に使用する(ただし、冷蔵して保存する場合は、30時間以内に使用する)、溶解後の長時間保存は微生物増殖のおそれがある。

    1. 薬剤投与時の注意
  2. 2.1. 投与方法 1. 誤飲をおこさないように注意して投与すること。 1. 本剤は溶解後、経口又は経管で投与し、静注してはならない。 1. 投与濃度及び投与量は段階的に増加させることが望ましい。 1. 経管で投与する場合は、特に下痢の発現に注意して投与速度を調節し、24時間持続投与を行うことが望ましい。

  3. 2.2. その他:可塑剤としてDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい。

(取扱い上の注意)

内袋を開封後は、光を遮り気密容器に保存すること。開封後の粉末は、吸湿に注意して保管し、1週間以内に使用する。

(保管上の注意)

室温保存。