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モリヘパミン点滴静注
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モリヘパミン点滴静注の添付文書

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効果・効能

慢性肝障害時における脳症の改善。

用法・用量

1回500mLを点滴静注する。投与速度は、500mLあたり180分以上を基準とする。

経中心静脈輸液法を用いる場合は、本品の500mLを糖質輸液等に混和し、24時間かけて中心静脈内に持続注入する。なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

副作用

承認時までの症例243例中、副作用発現症例数9例(3.7%)、副作用発現件数9件(3.7%)であった。主な副作用は悪心、嘔気(各0.8%)、発汗、一過性の血中アンモニアの上昇、血管痛、蕁麻疹、低血糖による手足の振戦(各0.4%)であった。

  1. 過敏症:(0.1~5%未満)発疹等。

  2. 消化器:(0.1~5%未満)悪心・嘔気等。

  3. 循環器:(0.1~5%未満)胸部不快感、心悸亢進等。

  4. 糖代謝:(0.1~5%未満)低血糖。

  5. 大量・急速投与:(頻度不明)アシドーシス、(0.1~5%未満)一過性血中アンモニア値上昇。

  6. その他:(0.1~5%未満)悪寒、発熱、頭痛、血管痛、発汗。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 重篤な腎障害(透析又は血液濾過実施中を除く)のある患者[窒素化合物の負荷により原病の症状を悪化させる恐れがある]。

  2. 肝障害以外のアミノ酸代謝異常のある患者[アミノ酸インバランスを助長させる恐れがある]。

(慎重投与)

  1. 高度アシドーシスのある患者[大量投与によりアシドーシスを悪化させる恐れがある]。

  2. うっ血性心不全のある患者[循環血液量の増加により心負荷増大の恐れがある]。

  3. 透析又は血液濾過実施中の重篤な腎障害のある患者[アミノ酸の代謝産物である尿素等の滞留がおこる恐れがある]。

(重要な基本的注意)

  1. 本剤の投与により血中アンモニア値上昇がみられ、同時に、精神・神経症状の悪化が認められた場合は、本剤の投与を一時中止するか、他の治療法に変更する。

  2. 透析又は血液濾過実施中の重篤な腎障害のある患者における、尿素等の除去量、蓄積量は透析の方法及び病態によって異なるので、血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始及び継続の可否を判断する。

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

(適用上の注意)

  1. 投与前

    1. 結晶が析出することがあるので、このような場合には50~60℃に温めて溶解後これを体温付近まで放冷して使用する。
    2. 完全に澄明でないものは使用しない。
    3. 開封後は速やかに使用し、残液は決して使用しない。
  2. 投与時:酢酸イオン約100mEq/Lが含まれているので、大量投与時又は電解質液を併用する場合には電解質バランスに注意する。

  3. 投与速度:ゆっくり静脈内に投与する。

(取扱い上の注意)

  1. 薬液の着色、漏出、あるいは外袋中に水滴が認められるものは使用しない。

  2. 薬液の着色防止のため、外袋は使用直前まで開封しない(製剤の安定性を保持するために脱酸素剤を封入している)。

  3. 外袋が破損すると薬液が着色するので傷つけない様注意する。

  4. 通気針は不要。

  5. ゴム栓を保護しているシールがはがれているときは使用しない。

  6. 注射針はゴム栓の刺針部(凹部)にまっすぐ刺し入れる(斜めに刺すと、ゴム栓や排出口内壁の削り片が薬液中に混入したり、容器を刺通し液漏れの原因となることがある)、また、同一箇所を繰り返し刺さない。

  7. 容器の目盛りは目安として使用する。

  8. 本製品は、連結管(U字管)を用いたタンデム方式による投与はできないので、2バッグを同時又は連続して投与する場合は、Y字タイプの輸液セットを使用する。