スキャンドネストカートリッジ3%の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
歯科・口腔外科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔。
(効能・効果に関連する使用上の注意)
浸潤麻酔においては、30分以内の処置に適用する[本剤は、血管収縮薬配合の局所麻酔剤と比較して作用時間が短い]。
持続性の出血を伴う処置には適用しない[本剤は血管収縮薬を含まないので止血作用がない]。
用法・用量
メピバカイン塩酸塩として54mgを使用する。
なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減するが、増量する場合には注意する。
副作用
使用成績調査等の頻度が明確となる調査を実施していないため、副作用発現頻度については不明である。
重大な副作用
- ショック:徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、適切な処置を行う。
- 意識障害、振戦、痙攣:意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
- 異常感覚、知覚・運動障害:注射針の留置時に神経に触れることにより一過性異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害等の神経学的疾患が現れることがある。
その他の副作用(頻度不明)
- 中枢神経:眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等[このような症状が現れた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う]。
- 消化器:悪心・嘔吐等[このような症状が現れた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う]。
- 過敏症:蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等。
使用上の注意
(禁忌)
本剤又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者。
(慎重投与)
高血圧、動脈硬化、心不全、甲状腺機能亢進、糖尿病のある患者、血管攣縮の既往のある患者[これらの症状が悪化する場合があるので、慎重に使用する]。
高齢者又は全身状態不良な患者[生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある]。
心刺激伝導障害のある患者[症状を悪化させることがある]。
重症肝機能障害又は重症腎機能障害のある患者[中毒症状が発現しやすくなる]。
(重要な基本的注意)
まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておく。
本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意する。
- 患者の全身状態の観察を十分に行う。
- できるだけ必要最少量にとどめる。
- 血管の多い部位(顔面等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与する。
- 注射針が、血管に入っていないことを確かめる。
- 注射の速度はできるだけ遅くする。
- 前投薬や術中に投与した鎮静剤、鎮痛剤等による呼吸抑制が発現することがあるので、鎮静剤、鎮痛剤等を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい(なお、高齢者、小児、全身状態不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行う)。
- 鎮静剤あるいは鎮痛剤を併用する場合には、本剤あるいはこれらの薬剤が過量投与にならないよう、十分に注意する[本剤あるいは鎮静剤、鎮痛剤を過量に併用投与すると、痙攣発作や呼吸停止を起こす危険性がある]。
注射針が適切に位置していない等により、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わない。
本剤の投与により、誤嚥・口腔内咬傷の危険性を増加させる恐れがあるので注意する。
(相互作用)
併用注意:
抗不整脈薬(アプリンジン塩酸塩)[両剤の中枢神経系及び心臓に対する副作用が増強される可能性が報告されているので、併用する場合には慎重に投与する(両剤の抗不整脈作用及び局所麻酔作用が、併用により相加することが考えられる)]。
クラス3抗不整脈薬(アミオダロン等)[心機能抑制作用が増強する恐れがある(作用が増強することが考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、生理機能の低下により、麻酔に対する忍容性が低下していることがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行うなど慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない。
(過量投与)
過量投与時、局所麻酔薬の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。特に誤って血管内に投与した場合には、数分以内に発現することがあり、その症状は、主に中枢神経系症状及び心血管系症状として現れる。
徴候、症状:
- 過量投与時の中枢神経系症状:初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等が現れ、症状が進行すると意識消失、全身痙攣が現れ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じる恐れがある(より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある)。
- 過量投与時の心血管系症状:血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等が現れる。
処置:過量投与時には呼吸を維持し、酸素を十分投与することが重要であり、必要に応じて人工呼吸を行う。過量投与時、振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。過量投与時、心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。過量投与時、心停止を来した場合には直ちに心マッサージを開始する。
(適用上の注意)
使用回数:本品は1回限り使用のディスポーザブル製剤であるので、再度の使用は避ける[使用したカートリッジには、患者の体液が逆流している可能性がある]。
注射速度:強圧をかけずにできるだけゆっくり注射する[骨膜下への強圧注射は組織の損傷又はガラスチューブの破折につながる恐れがある]。
使用目的:歯科用にのみ使用する。
(取扱い上の注意)
注意:
凍結するとゴム栓の飛び出し又はカートリッジが破損することがあるので注意する。
カートリッジを消毒する場合は、アルコールで軽く清拭し、その他の消毒方法は避ける。
本剤は、金属を侵す性質があるので、長時間金属(注射針等)に接触させないことが望ましい(なお金属器具を使用した場合は、使用後十分に水洗する)。
廃棄の際は感染防止の配慮をする。