処方薬
クロヘキシン液20%

クロヘキシン液20%の添付文書

添付文書PDFファイル

PDFファイルを開く

※添付文書のPDFファイルは随時更新しておりますが、常に最新であるとは限りません。予めご了承ください。

効果・効能

  1. 手指・皮膚の消毒。

  2. 手術部位(手術野)の皮膚の消毒、医療機器の消毒。

  3. 皮膚の創傷部位の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒。

  4. 結膜嚢の洗浄・消毒。

  5. 産婦人科・泌尿器科における外陰・外性器の皮膚消毒。

用法・用量

  1. 手指・皮膚の消毒:クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液を用いる(本剤希釈倍数40~200倍)。

  2. 手術部位(手術野)の皮膚の消毒、医療機器の消毒:クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液を用いる(本剤希釈倍数40~200倍)。又は、クロルヘキシジングルコン酸塩として0.5%エタノール溶液を用いる(本剤希釈倍数40倍(希釈液:消毒用エタノール))。

  3. 皮膚の創傷部位の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒:クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%水溶液を用いる(本剤希釈倍数400倍)。

  4. 結膜嚢の洗浄・消毒:クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%以下の水溶液を用いる(本剤希釈倍数400倍以上)。

  5. 産婦人科・泌尿器科における外陰・外性器の皮膚消毒:クロルヘキシジングルコン酸塩として0.02%水溶液を用いる(本剤希釈倍数1000倍)。

    (本剤は必ず希釈し、濃度に注意して使用する)。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用

    ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので観察を十分に行い、血圧低下、蕁麻疹、呼吸困難等が現れた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行う。

  2. その他の副作用(頻度不明)

    過敏症:発疹・蕁麻疹等[このような症状が現れた場合には直ちに使用を中止し、再使用しない]。

使用上の注意

(禁忌)

  1. クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者。

  2. 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある]。

  3. 膣、膀胱、口腔等の粘膜面[クロルヘキシジン製剤の前記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている]。

(慎重投与)

  1. 薬物過敏症の既往歴のある者。

  2. 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者。

(重要な基本的注意)

  1. ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行う。

  2. 本剤は必ず希釈し、濃度に注意して使用する。

  3. 創傷部位又は結膜嚢に使用する希釈水溶液は、調製後必ず滅菌処理する。

  4. 結膜嚢等特に敏感な組織に使用しなければならない場合には、濃度に注意し、使用後滅菌精製水で水洗する。

  5. 原液や高濃度液が眼に入らないように注意する(眼に入った場合は直ちによく水洗する)。

(適用上の注意)

  1. 投与経路:外用にのみ使用する。

  2. 使用時

    1. 注射器、カテーテル等の神経や粘膜面に接触する可能性のある器具を本剤で消毒した場合は、滅菌精製水でよく洗い流した後使用する。
    2. 本剤の付着したカテーテルを透析に用いると、透析液の成分により難溶性の塩を生成することがあるので、本剤で消毒したカテーテルは、滅菌精製水でよく洗い流した後使用する。
    3. 血清・膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用する。
    4. 石鹸類は本剤の殺菌作用を減弱させるので、石鹸分を十分に洗い落としてから使用する。
    5. 綿球・ガーゼ等は本剤を吸着するので、これらを希釈液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下にならないように注意する。
    6. 本剤のエタノール溶液は引火性、爆発性があるため、火気(電気メス使用等も含む)には十分注意する。
    7. 溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意する。

(その他)

クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の投与によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある。

(取扱い上の注意)

  1. 本剤は外用剤であるので、経口投与や注射をしない。誤飲した場合には、牛乳、生卵、ゼラチン等を用いて、胃洗浄を行うなど適切な処置を行う。誤って静注した場合には溶血反応を防ぐために、輸血等を行う。

  2. 本剤は、常水や生理食塩水等に含まれる陰イオンにより難溶性の塩を生成することがあるので、希釈水溶液を調製する場合は、新鮮な蒸留水を使用することが望ましい。

  3. 手洗い等に使用する本剤の希釈液は、少なくとも毎日新しい溶液と取り替える。

  4. 本剤の希釈水溶液は安定であるが、高温に長時間保つことは避ける。(高圧蒸気滅菌を行う場合は115℃30分、121℃20分、126℃15分で滅菌処理することができる)。

  5. 本剤を取扱う容器類は常に清浄なものを使用する。

  6. 本剤の希釈水溶液は調製後直ちに使用し、やむを得ず消毒用綿球等に長時間使用する希釈水溶液は微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい。(エタノールの場合7vol%以上、イソプロパノールの場合4vol%以上になるように添加する)。

  7. 器具類の保存に使用する場合は、腐食を防止するために、高濃度希釈液(目安として本液0.3%以上)を使用し、微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい(アルコール添加量は前記6.と同じ)。本液は器具類の保存に使用する場合は、毎週新しい溶液と取り替える。

  8. 本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがあるので、漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。

(保管上の注意)

遮光、気密容器。