処方薬
バップベリン錠10mg
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バップベリン錠10mgの添付文書

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効果・効能

  1. 次記疾患又は状態における頻尿、尿失禁:神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)。

  2. 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

  1. 本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに類似症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌等の下部尿路における新生物等)に留意し尿検査等により除外診断を実施し必要に応じて専門的な検査も考慮する。

  2. 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療を優先させる。

用法・用量

プロピベリン塩酸塩として20mgを1日1回食後経口投与する。

年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分の場合は、20mgを1日2回まで増量できる。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

20mgを1日1回投与で効果不十分であり、かつ安全性に問題がない場合に増量を検討する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. 急性緑内障発作:眼圧亢進が現れ、急性緑内障発作を惹起し、嘔気、頭痛を伴う眼痛、視力低下等が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行う。
    2. 尿閉:尿閉が現れることがあるので、観察を十分に行い、症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    3. 麻痺性イレウス:麻痺性イレウスが現れることがあるので、観察を十分に行い、著しい便秘、腹部膨満等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    4. 幻覚・譫妄:幻覚・譫妄が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止する。
    5. 腎機能障害:腎機能障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、BUN上昇、血中クレアチニン上昇が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    6. 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    7. 血小板減少:血小板減少が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    8. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    9. QT延長、心室性頻拍:QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    10. 肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用:次の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行う。

    1. 消化器:(頻度不明)口渇、便秘、腹痛、嘔気・嘔吐、消化不良、下痢、食欲不振、口内炎、舌炎。
    2. 泌尿器:(頻度不明)排尿困難、残尿、尿意消失。
    3. 精神神経系:(頻度不明)眩暈、頭痛、しびれ、眠気、*意識障害(*見当識障害、*一過性健忘)、*パーキンソン症状(*すくみ足、*小刻み歩行等の*歩行障害、*振戦等)、*ジスキネジー[*:投与を中止するなど適切な処置を行う]。
    4. 循環器:(頻度不明)動悸、血圧上昇、*徐脈、*期外収縮[*:投与を中止するなど適切な処置を行う]、胸部不快感。
    5. 過敏症:(頻度不明)そう痒、発疹、蕁麻疹[投与を中止するなど適切な処置を行う]。
    6. :(頻度不明)眼調節障害、眼球乾燥。
    7. 肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇。
    8. 腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇。
    9. 血液:(頻度不明)白血球減少。
    10. その他:(頻度不明)倦怠感、浮腫、脱力感、味覚異常、腰痛、嗄声、痰のからみ、咽頭部痛。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 幽門閉塞、十二指腸閉塞又は腸管閉塞している患者[胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化する恐れがある]。

  2. 胃アトニー又は腸アトニーのある患者[抗コリン作用により症状が悪化する恐れがある]。

  3. 尿閉を有する患者[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化する恐れがある]。

  4. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化する恐れがある]。

  5. 重症筋無力症の患者[抗コリン作用により症状が悪化する恐れがある]。

  6. 重篤な心疾患の患者[期外収縮等が報告されており、症状が悪化する恐れがある]。

(慎重投与)

  1. 排尿困難のある患者[前立腺肥大症等では排尿困難が更に悪化又は残尿が増加する恐れがある]。

  2. 緑内障の患者[閉塞隅角緑内障の患者は禁忌であり、閉塞隅角緑内障以外でも抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化する恐れがある]。

  3. 不整脈又はその既往歴のある患者[期外収縮等が報告されており、症状が悪化又は再発する恐れがある]。

  4. 肝障害又はその既往歴のある患者[主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすい恐れがある]。

  5. 腎障害又はその既往歴のある患者[腎排泄が減少し、副作用が発現しやすい恐れがある]。

  6. パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者[症状の悪化あるいは精神神経症状が現れる恐れがある]。

  7. 潰瘍性大腸炎のある患者[中毒性巨大結腸が現れる恐れがある]。

  8. 甲状腺機能亢進症の患者[抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化する恐れがある]。

  9. 高齢者。

(重要な基本的注意)

眼調節障害、眠気、眩暈が現れることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意する。

(相互作用)

本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。

併用注意:抗コリン剤、三環系抗うつ剤、フェノチアジン系薬剤、モノアミン酸化酵素阻害剤[口渇・便秘・排尿困難等の副作用が強く現れることがある(抗コリン作用が増強される)]。

(高齢者への投与)

高齢者では肝機能、腎機能が低下していることが多いため、安全性を考慮して10mg/日より投与を開始するなど慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

  2. 授乳婦に投与する場合には授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない[低出生体重児、新生児又は乳児に対しては使用経験がなく、幼児又は小児に対しては使用経験が少ない]。

(過量投与)

  1. 過量投与時の症状:譫妄、興奮、全身痙攣、歩行障害、言語障害、散瞳、麻痺性イレウス、尿閉、頻脈、血圧上昇、全身紅潮、肝機能障害等。

  2. 過量投与時の処置:胃洗浄し、次にアトロピン過量投与の場合と同様の処置を行う;例えば、ネオスチグミン(抗コリン症状に対して)、抗不安剤、補液等の対症療法を行う。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

雌雄ラット及びマウスに2年間経口投与したところ、雄ラットにおいて臨床用量の122倍(49mg/kg/日)投与群に腎腫瘍、雄マウスにおいて臨床用量の447倍(179mg/kg/日)投与群に肝腫瘍の発生率が対照群に比べ高いとの報告がある。

(取扱い上の注意)

安定性試験:PTP包装したものを用いた加速試験(40℃75%RH、6カ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。