処方薬
ウテメリン錠5mg
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効果・効能

切迫流産・切迫早産。

用法・用量

通常、1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある〔9.1.6参照〕。

  2. 1.2. 汎血球減少(頻度不明)。

  3. 1.3. 血清カリウム値低下(頻度不明)〔10.2参照〕。

  4. 1.4. 高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス(頻度不明):血糖値の急激な上昇や糖尿病悪化から、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがあり、糖尿病性ケトアシドーシスに至ると母体と胎児の生命を脅かすことがある〔2.5、8.1、9.1.4参照〕。

  5. 1.5. 新生児腸閉塞(頻度不明)。

    1. その他の副作用
    1. 循環器:(5%以上)動悸・頻脈、(0.1~5%未満)顔面潮紅、(頻度不明)不整脈(心室性期外収縮等)。
    2. 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇等。
    3. 血液:(頻度不明)血小板減少。
    4. 精神神経系:(0.1~5%未満)ふらつき、(頻度不明)振戦、しびれ。
    5. 消化器:(0.1~5%未満)嘔気、(頻度不明)腹痛。
    6. 過敏症:(頻度不明)発疹、紅斑。
    7. その他:(頻度不明)唾液腺腫脹、高アミラーゼ血症(唾液腺型アミラーゼ増加)。
    8. 胎児・新生児:(頻度不明)胎児頻脈、胎児不整脈、新生児頻脈、新生児低血糖症。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 強度の子宮出血、子癇、前期破水例のうち子宮内感染を合併する症例、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児死亡、その他妊娠の継続が危険と判断される患者[妊娠継続が危険と判断される]。
    1. 重篤な甲状腺機能亢進症の患者[症状が増悪するおそれがある]。
    1. 重篤な高血圧症の患者[過度の昇圧が起こるおそれがある]。
    1. 重篤な心疾患の患者[心拍数増加等により症状が増悪するおそれがある]。
    1. 重篤な糖尿病の患者[過度の血糖上昇が起こるおそれがあり、また、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある]〔8.1、11.1.4参照〕。
    1. 重篤な肺高血圧症の患者[肺水腫が起こるおそれがある]。
    1. 妊娠16週未満の妊婦〔9.5.1参照〕。
    1. 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。

(重要な基本的注意)

    1. 本剤投与中、血糖値の急激な上昇や糖尿病悪化から、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがあるので、投与前から口渇、多飲、多尿、頻尿等の糖尿病症状の有無の観察や投与前から血糖値、尿糖、尿ケトン体等の観察を十分に行うこと〔2.5、9.1.4、11.1.4参照〕。
    1. 1日用量30mgを越えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
    1. 切迫流産患者にはあらかじめ安静療法を試みた後に本剤を投与するとともに、切迫流産で症状の消失がみられた場合は漫然と継続投与しないこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 甲状腺機能亢進症(重篤な甲状腺機能亢進症を除く)の患者:症状が増悪するおそれがある。

  2. 1.2. 高血圧症(重篤な高血圧症を除く)の患者:過度の昇圧が起こるおそれがある。

  3. 1.3. 心疾患(重篤な心疾患を除く)の患者:心拍数増加等により症状が増悪するおそれがある。

  4. 1.4. 糖尿病(重篤な糖尿病を除く)の患者、糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者:過度の血糖上昇があらわれることがあり、また、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある〔8.1、11.1.4参照〕。

  5. 1.5. 肺高血圧症(重篤な肺高血圧症を除く)の患者:肺水腫が起こるおそれがある。

  6. 1.6. 筋緊張性ジストロフィー(強直性ジストロフィー)等の筋疾患又はその既往歴のある患者:横紋筋融解症があらわれることがある〔11.1.1参照〕。

  7. 1.7. 本剤の成分に対し過敏症(重篤な過敏症を除く)の既往歴のある患者。

(妊婦)

  1. 5.1. 妊娠16週未満の妊婦:投与しないこと(本剤の臨床適用は切迫流・早産であるが、妊娠16週未満の症例に関する安全性及び有効性は確立していない)、臨床試験において妊娠16週未満の症例数は少ない〔2.7参照〕。

(授乳婦)

出産直前に本剤を投与した場合には、母乳栄養の有益性を考慮し、出産直後の授乳を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。

(相互作用)

  1. 2. 併用注意
    1. β刺激剤[作用が増強されることがある(相加的に作用が増強される)]。
    2. β遮断剤[作用が減弱されることがある(β受容体において競合的に拮抗する)]。
    3. カリウム減少性利尿剤〔11.1.3参照〕[過度の血清カリウム低下が起こるおそれがある(相加的にカリウム低下が増強される)]。

(適用上の注意)

    1. 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    本薬の注射剤において、肺水腫、心不全、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、ショック、不整脈、肝機能障害、黄疸、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、胸水、母体腸閉塞、胎児心不全及び新生児心不全、可逆的な新生児心室中隔壁肥大、新生児低血糖、新生児高カリウム血症があらわれたとの報告がある。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

(保管上の注意)

室温保存。