処方薬
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩注0.2mg「イセイ」
後発

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩注0.2mg「イセイ」の添付文書

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効果・効能

子宮収縮促進並びに子宮出血予防及び子宮出血治療の目的で次の場合に使用する:胎盤娩出前後、弛緩出血、子宮復古不全、帝王切開術、流産、人工妊娠中絶。

用法・用量

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩として、1回0.1~0.2mgを静脈内注射するか、又は0.2mgを皮下、筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

静脈内注射(特に麻酔剤、昇圧剤等を併用する場合)は血圧等に注意しながら徐々に行う。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない(再審査対象外)。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、悪心・嘔吐、チアノーゼ、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    2. 心筋梗塞、狭心症、冠動脈攣縮、房室ブロック:心筋梗塞、狭心症、冠動脈攣縮、房室ブロックが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。

    1. 循環器:(頻度不明)胸痛、胸部圧迫感、血圧上昇、血圧低下、頻脈、徐脈、動悸等。
    2. 血管系:(頻度不明)静脈血栓、末梢循環障害、血管痙攣。
    3. 精神神経系:(頻度不明)頭痛、眠気、眩暈、口渇、耳鳴、興奮、幻覚、痙攣、錯感覚等。
    4. 過敏症:(頻度不明)発疹等[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
    5. 消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐、腹痛、下痢等。
    6. 筋・骨格系:(頻度不明)筋痙攣。
    7. 投与部位:(頻度不明)疼痛、発赤、硬結等。
    8. その他:(頻度不明)胎盤嵌頓、多汗。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

  2. 児頭娩出前[子宮収縮作用により子宮破裂、胎児死亡が起こる恐れがある]。

  3. 本剤又は麦角アルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者。

  4. 重篤な虚血性心疾患又はその既往歴のある患者[冠動脈の攣縮により狭心症、心筋梗塞が誘発されることがある]。

  5. 敗血症の患者[血管収縮に対する感受性が増大する可能性がある]。

  6. HIVプロテアーゼ阻害剤投与中(リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ダルナビル)、エファビレンツ投与中、アゾール系抗真菌薬投与中(イトラコナゾール、ボリコナゾール)、テラプレビル投与中、コビシスタット投与中、5-HT1B/1D受容体作動薬投与中(スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン)、エルゴタミン投与中、ジヒドロエルゴタミン投与中の患者。

(慎重投与)

  1. 高血圧症、妊娠高血圧症候群又は子癇の患者、心疾患又は閉塞性血管障害のある患者[血管収縮作用により、これらの疾患が増悪する恐れがある]。

  2. 肝疾患、腎疾患のある患者[代謝・排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある]。

(相互作用)

本剤は主に代謝酵素CYP3A4で代謝されるので、代謝酵素CYP3A4の活性に影響を及ぼす薬剤との併用に注意する。

  1. 併用禁忌

    1. HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル(ノービア等)、インジナビル(クリキシバン)、ネルフィナビル(ビラセプト)、サキナビル(インビラーゼ)、アタザナビル(レイアタッツ)、ホスアンプレナビル(レクシヴァ)、ダルナビル(プリジスタ・プリジスタナイーブ))、エファビレンツ(ストックリン)、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール(イトリゾール等)、ボリコナゾール(ブイフェンド))、テラプレビル(テラビック)、コビシスタット含有製剤(スタリビルド)[本剤の血中濃度が上昇し血管攣縮等の重篤な副作用を起こす恐れがある(本剤での報告はないが、CYP3A4の競合阻害により、本剤の代謝が阻害される恐れがある)]。
    2. 5-HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタン(イミグラン)、ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、エレトリプタン(レルパックス)、リザトリプタン(マクサルト)、ナラトリプタン(アマージ))、エルゴタミン(クリアミン)、ジヒドロエルゴタミン(ジヒデルゴット等)[血圧上昇又は血管攣縮が増強される恐れがあり、なお、5-HT1B/1D受容体作動薬と本剤を前後して投与する場合は24時間以上の間隔をあけて投与する(これらの薬剤との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる)]。
  2. 併用注意

    1. ブロモクリプチン[血圧上昇、頭痛、痙攣等が現れる恐れがある(機序は明確ではないが、相互に血管収縮作用、血圧上昇作用を増強すると考えられる)]。
    2. マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン)、シメチジン、キヌプリスチン・ダルホプリスチン、スチリペントール、グレープフルーツジュース[本剤の血中濃度が上昇し血管攣縮等の重篤な副作用を起こす恐れがある(本剤での報告はないが、CYP3A4の競合阻害により、本剤の代謝が阻害される恐れがある)]。
    3. ネビラピン、リファンピシン[本剤の血中濃度が低下し効果が減弱する恐れがある(これらの薬剤はCYP3A4を誘導することから本剤の代謝が促進されると考えられる)]。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[子宮収縮作用により子宮内胎児死亡、流産の恐れがある]。

  2. 授乳中の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[母乳中へ移行することが報告されている]。

(過量投与)

  1. 過量投与時の徴候・症状:悪心・嘔吐、腹痛、しびれ感、手足の刺痛感、血圧上昇、血圧低下、呼吸抑制、低体温、痙攣、昏睡等を生じることがある。

  2. 過量投与時の処置:必要に応じて対症療法を行う。

(適用上の注意)

  1. 筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては、次記の点に注意する。

    1. 筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行う。なお、特に筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わない。
    2. 筋肉内投与時神経走行部位を避ける。
    3. 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射する。
  2. アンプルカット時:アンプルカット時のガラス片混入の少ないクリーンカットアンプルを使用しているが、更に安全に使用するため、エタノール消毒綿等で清拭しカットする。

(取扱い上の注意)

安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験[遮光保存、2年]の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩注0.2mg「イセイ」は遮光保存において2年間安定であることが確認されている。

(保管上の注意)

遮光。