処方薬
サイゼン皮下注射液12mg
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サイゼン皮下注射液12mgの添付文書

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効果・効能

骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

本剤の適用は、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された患者に限定する。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断の手引き」を参照する。

用法・用量

1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを6~7回に分けて皮下に注射する。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

専用の成長ホルモン注入器を用いて注射する。

副作用

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. 痙攣:痙攣が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
    2. 甲状腺機能亢進症:甲状腺機能亢進症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
    3. ネフローゼ症候群:ネフローゼ症候群(浮腫、尿蛋白、低蛋白血症)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
    4. 糖尿病:耐糖能低下が現れ、糖尿病を発症することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行う。

    1. 過敏症:(頻度不明)全身そう痒、発疹(蕁麻疹、紅斑等)[発現した場合には投与を中止する]。
    2. 内分泌:(頻度不明)甲状腺機能低下症[甲状腺機能低下症が現れあるいは甲状腺機能低下症が悪化し、本剤による治療効果が低下することがあるので、甲状腺機能を定期的に検査し、このような場合には適当な治療を行うことが望ましい]、*耐糖能低下[*:定期的に尿糖等の検査を実施することが望ましい]。
    3. 肝臓:(頻度不明)GOT上昇、GPT上昇。
    4. 消化器:(頻度不明)嘔気、腹痛。
    5. 筋・骨格系:(頻度不明)関節痛・下肢痛等の成長痛、有痛性外脛骨、外骨腫、大腿骨骨頭すべり症、大腿骨骨頭壊死、踵骨骨端炎、側弯症進行等の脊柱変形進行、周期性四肢麻痺。
    6. 投与部位:(頻度不明)発赤、熱感、疼痛、硬結、出血、腫脹、皮下脂肪消失。
    7. その他:(頻度不明)頭蓋内圧亢進に伴う乳頭浮腫・視覚異常・頭痛・悪心・嘔吐[発現した場合には投与を中止するか、減量する]、浮腫、頭痛、白血球数上昇、遊離脂肪酸上昇、血清P上昇、尿潜血・顕微鏡的血尿、蛋白尿、CPK上昇、ミオグロビン上昇。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 糖尿病の患者[成長ホルモンが抗インスリン様作用を有するため]。

  2. 悪性腫瘍のある患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため]。

  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

(慎重投与)

  1. 脳腫瘍(頭蓋咽頭腫、松果体腫等)による成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため、基礎疾患の進行や再発の観察を十分に行い慎重に投与する]。

  2. 心疾患、腎疾患のある患者[ときに一過性浮腫が現れることがあるので、特に心疾患、腎疾患のある患者に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与する]。

(相互作用)

併用注意:

  1. 糖質コルチコイド[成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある(糖質コルチコイドが成長抑制効果を有するため)]。

  2. インスリン[インスリンの血糖降下作用が減弱することがある(成長ホルモンが抗インスリン様作用を有するため)]。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

(過量投与)

過量投与により最初は血糖低下が、次いで血糖上昇が認められることがある。長期の過量投与により末端肥大症の症状が認められることがある。

(適用上の注意)

  1. 調製方法:本剤を使用する際は、必ず専用の成長ホルモン注入器を用いて注射する(また、必ずその注入器の取扱説明書を読む)。使用後は、専用の成長ホルモン注入器に装着したまま速やかに冷蔵庫に入れ、凍結を避け2~8℃で遮光保存し、28日以内に使用する(凍結した場合又は液に濁りがある場合は使用しない)。やむをえず使用後に2~8℃で保存できない場合には28日のうち合計7日間であれば25℃以下で保存することも可能である。

  2. 投与方法:本剤は皮下投与のみに使用し、注射部位を上腕、大腿、腹部、臀部等広範に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰り返し注射しない。

  3. その他

    1. 他の注入器を用いて使用したり、空になったカートリッジの再使用あるいは他剤の投与には使用しない。
    2. 1本のカートリッジを複数の患者に使用しない。

(その他の注意)

  1. ヒト成長ホルモンと白血病の因果関係は明らかではないが、ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に白血病が現れたとの報告があるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察する。

  2. ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に脳腫瘍再発したとの報告がある。

  3. 小児がんの既往を有する患者にヒト成長ホルモンを投与した場合、二次性腫瘍の発現リスクが上昇するとの報告がある。

  4. 連続投与した場合、ヒト成長ホルモンに対する抗体が生じることがあるので、抗体の産生により効果の減弱がみられる場合には、投与を中止し、適宜他の治療法を考慮する。

  5. 動物実験で妊娠前・妊娠初期投与試験において、高投与量群で交尾率低下及び妊娠率低下が報告されている。

(保管上の注意)

2~8℃、遮光保存。