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ナウゼリン坐剤30
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ナウゼリン坐剤30の添付文書

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効果・効能

小児:

次記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、腹痛);1)周期性嘔吐症、乳幼児下痢症、上気道感染症、2)抗悪性腫瘍剤投与時。

用法・用量

小児:

3歳未満の場合、通常ドンペリドンとして1回10mgを1日2~3回直腸内に投与する。

3歳以上の場合、通常ドンペリドンとして1回30mgを1日2~3回直腸内に投与する。

なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(発疹、発赤、呼吸困難、顔面浮腫、口唇浮腫等)を起こすことがある〔8.1参照〕。

  2. 1.2. 錐体外路症状(0.1%未満):後屈頸、眼球側方発作、上肢伸展、振戦、筋硬直等の錐体外路症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること(なお、これらの症状が強い場合には、抗パーキンソン剤を投与するなど適切な処置を行うこと)〔8.2、9.7小児等の項参照〕。

  3. 1.3. 意識障害、痙攣(いずれも頻度不明)〔9.7小児等の項参照〕。

    1. その他の副作用
    1. 肝臓:(0.1~5%未満)肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇等)。
    2. 内分泌:(頻度不明)女性化乳房、プロラクチン上昇、乳汁分泌、乳房膨満感、月経異常。
    3. 消化器:(0.1~5%未満)下痢、腹痛、肛門部不快感、悪心、(0.1%未満)腹部不快感、しぶり腹、腹鳴、(頻度不明)便秘、腹部圧迫感、口渇、胸やけ、嘔吐、腹部膨満感、腸痙攣。
    4. 循環器:(0.1%未満)心悸亢進、(頻度不明)QT延長。
    5. 皮膚:(0.1%未満)発疹、(頻度不明)じん麻疹、皮膚そう痒。
    6. その他:(頻度不明)発汗、眠気、動揺感、めまい・ふらつき、口内のあれ。

      発現頻度は使用成績調査を含む。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
    1. 消化管出血、機械的イレウス、消化管穿孔の患者[症状が悪化するおそれがある]。
    1. プロラクチン分泌性下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌を促す]。

(重要な基本的注意)

    1. ショックを起こすことがある〔11.1.1参照〕。
    1. 間脳の内分泌機能調節異常、錐体外路症状等があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること〔9.7小児等の項、11.1.2参照〕。
    1. 眠気、めまい・ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に注意させること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 心疾患のある患者:QT延長があらわれるおそれがある。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット)で骨格異常、内臓異常等の催奇形作用が報告されている)〔2.2参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討し、投与する場合は大量投与を避けること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)〔16.3.4参照〕。

(小児等)

特に1歳以下の乳児には用量に注意し、3歳以下の乳幼児には7日以上の連用を避けること。また、小児等の脱水状態、小児等の発熱時等では特に投与後の患者の状態に注意すること。小児において錐体外路症状、意識障害、痙攣が発現することがある〔8.2、11.1.2、11.1.3参照〕。

(高齢者)

減量するなど注意すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)〔15.1参照〕。

(相互作用)

本剤は主にCYP3A4で代謝される〔16.4.1参照〕。

  1. 2. 併用注意
    1. フェノチアジン系精神神経用剤(プロクロルペラジン、クロルプロマジン、チエチルペラジン等)、ブチロフェノン系製剤(ハロペリドール等)、ラウオルフィアアルカロイド製剤(レセルピン等)[内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現しやすくなる(フェノチアジン系精神神経用剤、ブチロフェノン系製剤は中枢性の抗ドパミン作用を有し、ラウオルフィアアルカロイド製剤は中枢でカテコールアミンを枯渇させる、一方、本剤は血液-脳関門を通過しにくいが強い抗ドパミン作用を有する)]。
    2. ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[ジギタリス製剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐・食欲不振症状を不顕化することがあるので、ジギタリス製剤の血中濃度のモニターを行う(本剤は制吐作用を有する)]。
    3. 抗コリン剤(ブチルスコポラミン臭化物、チキジウム臭化物、チメピジウム臭化物水和物等)[本剤の胃排出作用が減弱することがあるので、症状により一方を減量、中止するか、又は必要に応じて間隔をあけて投与する(抗コリン剤の消化管運動抑制作用が本剤の消化管運動亢進作用と拮抗する)]。
    4. CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン等)〔16.7.1、16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇する(強力又は中程度のCYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される)。また、エリスロマイシンとの併用においては、QT延長が報告されている(強力又は中程度のCYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される)]。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    外国において本剤による重篤な心室性不整脈及び突然死が報告されており、特に高用量を投与中の患者又は高齢の患者で、これらのリスクが増加したとの報告がある〔9.8高齢者の項参照〕。

(保管上の注意)

室温保存。