ドンペリドン坐剤10mg「日新」の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
小児:次記疾患及び薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、腹痛);周期性嘔吐症、乳幼児下痢症、上気道感染症、抗悪性腫瘍剤投与時。
用法・用量
小児:3歳未満の場合、ドンペリドンとして1回10mgを1日2~3回直腸内に投与する。3歳以上の場合、ドンペリドンとして1回30mgを1日2~3回直腸内に投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー(発疹、発赤、呼吸困難、顔面浮腫、口唇浮腫等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- 後屈頚、眼球側方発作、上肢伸展、振戦、筋硬直等の錐体外路症状が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には、投与を中止する(なお、これらの症状が強い場合には、抗パーキンソン剤を投与するなど適切な処置を行う)。
- 意識障害、痙攣が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
その他の副作用:次記のような副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行う。
- 肝臓:(頻度不明)肝機能障害(AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇等)[投与を中止する]。
- 内分泌:(頻度不明)女性化乳房[投与を中止する]、プロラクチン上昇、乳汁分泌、乳房膨満感、月経異常。
- 消化器:(頻度不明)下痢、腹痛、肛門部不快感、悪心、腹部不快感、しぶり腹、腹鳴、便秘、腹部圧迫感、口渇、胸やけ、嘔吐、腹部膨満感、腸痙攣。
- 循環器:(頻度不明)心悸亢進、QT延長。
- 皮膚:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、皮膚そう痒。
- その他:(頻度不明)発汗、眠気、動揺感、眩暈・ふらつき、口内の荒れ。
使用上の注意
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
消化管出血、機械的イレウス、消化管穿孔の患者[症状が悪化する恐れがある]。
プロラクチン分泌性下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌を促す]。
(慎重投与)
小児。
肝障害又は腎障害のある患者[副作用が強く現れる恐れがある]。
心疾患のある患者[QT延長が現れる恐れがある]。
(重要な基本的注意)
ショックを起こすことがある。
本剤の投与により、間脳の内分泌機能調節異常、錐体外路症状等の副作用が現れることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用する。
眠気、眩暈・ふらつきが現れることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に注意させる。
(相互作用)
本剤は主にCYP3A4で代謝される。
併用注意:
フェノチアジン系精神神経用剤(プロクロルペラジン、クロルプロマジン、チエチルペラジン等)、ブチロフェノン系製剤(ハロペリドール等)、ラウオルフィアアルカロイド製剤(レセルピン等)[内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現しやすくなる(フェノチアジン系精神神経用剤、ブチロフェノン系製剤は中枢性の抗ドパミン作用を有し、ラウオルフィアアルカロイド製剤は中枢でカテコールアミンを枯渇させる、一方、本剤は血液-脳関門を通過しにくいが強い抗ドパミン作用を有する)]。
ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[ジギタリス製剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐・食欲不振症状を不顕化することがあるので、ジギタリス製剤の血中濃度のモニターを行う(本剤は制吐作用を有する)]。
抗コリン剤(ブチルスコポラミン臭化物、チキジウム臭化物、チメピジウム臭化物水和物等)[本剤の胃排出作用が減弱することがあるので、症状により一方を減量、中止するか、又は必要に応じて間隔をあけて投与する(抗コリン剤の消化管運動抑制作用が本剤の消化管運動亢進作用と拮抗する)]。
CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン等)[本剤の血中濃度が上昇する(併用薬剤の強力又は中程度のCYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される)、また、エリスロマイシンとの併用においては、QT延長が報告されている(併用薬剤の強力又は中程度のCYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される)]。
(高齢者への投与)
一般的に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[動物実験(ラット)で骨格異常、内臓異常等の催奇形作用が報告されている]。
授乳中の婦人には大量投与を避ける[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
小児において錐体外路症状、意識障害、痙攣が発現することがあるため、特に1歳以下の乳児には用量に注意し、3歳以下の乳幼児には7日以上の連用を避ける。また、脱水状態の小児、発熱時の小児等では特に投与後の患者の状態に注意する。
(過量投与)
錐体外路症状、眩暈、見当識障害が起こる恐れがある(特に小児では起きやすい)ので、過量投与時には一般的な支持・対症療法を実施する。過量投与による錐体外路症状に対しては抗パーキンソン剤を投与するなど適切な処置を行う。
(その他の注意)
外国において本剤による重篤な心室性不整脈及び突然死が報告されており、特に高用量を投与中の患者又は高齢の患者で、これらのリスクが増加したとの報告がある。
(取扱い上の注意)
安定性試験:ドンペリドン坐剤10mg「日新」及びドンペリドン坐剤30mg「日新」は、最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、室温保存において3年間安定であることが推測された。また、最終包装製品を用いた長期保存試験(室温保存、3年)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、室温保存における3年間の安定性が確認された。