処方薬
エリーテン注10mg/2mL
後発

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効果・効能

  1. 次の場合における消化器機能異常(悪心・嘔吐・食欲不振・腹部膨満感):胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胆嚢疾患・胆道疾患、腎炎、尿毒症、乳幼児嘔吐、薬剤投与時(制癌剤投与時・抗生物質投与時・抗結核剤投与時・麻酔剤投与時)、胃内挿管時・気管内挿管時、放射線照射時、開腹術後。

  2. X線検査時のバリウムの通過促進。

用法・用量

メトクロプラミドとして、1回7.67mg(塩酸メトクロプラミドとして10mg)を1日1~2回筋肉内又は静脈内に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、喉頭浮腫、蕁麻疹等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    2. 悪性症候群(Syndrome malin):悪性症候群が現れることがあるので、無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
    3. 意識障害:意識障害が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    4. 痙攣:痙攣が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    5. 遅発性ジスキネジー:長期投与により、口周部不随意運動等の不随意運動が現れ、投与中止後も持続することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用(頻度不明)

    1. 錐体外路症状:手指振戦、筋硬直、頚部攣縮・顔部攣縮、眼球回転発作、焦燥感[症状が現れた場合には、投与を中止する(なお、これらの症状が強い場合には、抗パーキンソン剤の投与等適切な処置を行う)]。
    2. 内分泌:無月経、乳汁分泌、女性型乳房[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止する]。
    3. 消化器:胃の緊張増加、腹痛、下痢、便秘。
    4. 循環器:血圧降下、頻脈、不整脈。
    5. 精神神経系:眠気、頭痛、頭重、興奮、不安。
    6. 過敏症:発疹、浮腫[症状が現れた場合には、投与を中止する]。
    7. その他:眩暈、倦怠感。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

  2. 褐色細胞腫の疑いのある患者[急激な昇圧発作を起こす恐れがある]。

  3. 消化管出血、消化管穿孔又は消化管器質的閉塞のある患者[本剤には消化管運動の亢進作用があるため、症状を悪化させる恐れがある]。

(慎重投与)

  1. 小児。

  2. 高齢者。

  3. 腎障害のある患者[高い血中濃度が持続する恐れがある]。

  4. 脱水を伴う身体的疲弊・栄養不良状態を伴う身体的疲弊等のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい]。

(重要な基本的注意)

  1. 本剤の投与により、内分泌機能異常(プロラクチン値上昇)、錐体外路症状等の副作用が現れることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ投与する。

  2. 眠気、眩暈が現れることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意する。

  3. 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意する。

(相互作用)

併用注意:

  1. フェノチアジン系薬剤(プロクロルペラジン、クロルプロマジン、チエチルペラジン等)、ブチロフェノン系薬剤(ハロペリドール等)、ラウオルフィアアルカロイド薬剤(レセルピン等)、ベンザミド系薬剤(スルピリド、チアプリド等)[内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる(本剤及びこれらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強く現れる)]。

  2. ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン等)[ジギタリス剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐・食欲不振症状を不顕性化する恐れがある(本剤の制吐作用による)]。

  3. カルバマゼピン[カルバマゼピンの中毒症状(眠気・悪心・嘔吐・眩暈等)が現れることがある(機序不明)]。

  4. 抗コリン剤(アトロピン硫酸塩水和物、ブチルスコポラミン臭化物等)[相互に消化管における作用を減弱する恐れがある(本剤は消化管運動を亢進するため、抗コリン剤の消化管運動抑制作用と拮抗する)]。

(高齢者への投与)

本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続する恐れがあるので、副作用(錐体外路症状等)の発現に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

  2. 授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせる[母乳中に移行することが報告されている]。

(小児等への投与)

錐体外路症状が発現しやすいため、過量投与にならないよう注意する(特に脱水状態の小児、発熱時の小児等には注意する)。

(過量投与)

  1. 過量投与時の症状:錐体外路症状、意識障害(昏睡)等が現れることがある。また外国において、本剤の大量投与によりメトヘモグロビン血症が現れたとの報告がある。

  2. 過量投与時の処置:対症療法及び維持療法を行う。過量投与時の錐体外路症状に対しては、抗パーキンソン剤等を投与する。

(適用上の注意)

  1. 筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては、次記の点に注意する。

    1. 筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行う。筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わない。特に低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児には注意する。
    2. 筋肉内投与時神経走行部位を避ける。
    3. 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き部位をかえて注射する。
    4. 筋肉内投与時、注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
  2. アンプルカット時:ワンポイントアンプルなのでマークを上にして下方へ折る。なお、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭しカットすることが望ましい。

  3. 他剤との配合:本剤はアルカリ性注射液と混合すると混濁を生じることがあるので配合しない。

(取扱い上の注意)

安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、60%RH、48カ月)の結果、4年間安定であることが確認された。

(保管上の注意)

遮光。