処方薬
ラニチジン錠75mg「YD」
後発

ラニチジン錠75mg「YD」の添付文書

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効果・効能

  1. 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、逆流性食道炎、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、急性胃粘膜病変による)。

  2. 次記疾患の胃粘膜病変(胃粘膜糜爛、胃粘膜出血、胃粘膜発赤、胃粘膜浮腫)の改善:急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期。

  3. 麻酔前投薬。

用法・用量

  1. 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、逆流性食道炎、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、急性胃粘膜病変による):ラニチジン塩酸塩をラニチジンとして1回150mgを1日2回(朝食後、就寝前)経口投与する。また、1回300mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。なお、症状により適宜増減する。上部消化管出血に対しては、注射剤で治療を開始し、内服可能となった後、経口投与に切り替える。

  2. 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(糜爛、出血、発赤、浮腫)の改善:ラニチジン塩酸塩をラニチジンとして1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前)経口投与する。また、1回150mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。なお、症状により適宜増減する。

  3. 麻酔前投薬:ラニチジン塩酸塩をラニチジンとして1回150mgを手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口投与する。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

腎機能低下患者では血中濃度半減期が延長し、血中濃度が増大するので、腎機能の低下に応じて次のような方法により投与量、投与間隔の調節[Ccr)70mL/min:1回150mg1日2回、70mL/min≧Ccr≧30mL/min:1回75mg1日2回、30mL/min)Ccr:1回75mg1日1回]が必要である(Ccr:クレアチニンクリアランス)。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
    2. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少:再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少が現れることがあるので、初期症状として全身倦怠感、脱力、皮下出血・粘膜下出血、発熱等がみられたら、その時点で血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行う。
    3. 肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇を伴う肝機能障害や黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する。
    4. 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止する。
    5. 意識障害、痙攣、ミオクローヌス:意識障害、痙攣(強直性痙攣等)、ミオクローヌスが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行い、特に腎機能障害を有する患者において現れやすいので、注意する。
    6. 間質性腎炎:間質性腎炎が現れることがあるので、初期症状として発熱、皮疹、腎機能検査値異常(BUN上昇・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
    7. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. 重大な副作用(類薬)

    他のH2受容体拮抗剤で、房室ブロック等の心ブロックが現れたとの報告がある。

  3. その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。

    1. 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒、発熱、血管浮腫(顔面浮腫、眼瞼浮腫、口唇浮腫等の報告例がある)、血管炎[このような場合には投与を中止する]。
    2. 血液:(頻度不明)好酸球増多、血小板減少。
    3. 肝臓:(頻度不明)肝機能障害(AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇、Al-P上昇等を含む)、黄疸。
    4. 消化器:(頻度不明)便秘、下痢、悪心、嘔吐、腹部膨満感、食欲不振。
    5. 精神神経系:(頻度不明)可逆性の錯乱状態、頭痛、頭重感、眩暈、不眠、眠気、幻覚、うつ状態、不随意運動(振戦、眼振、パーキンソニズム等の報告例がある)。
    6. 循環器:(頻度不明)徐脈、房室ブロック。
    7. 皮膚:(頻度不明)多形紅斑、脱毛。
    8. その他:(頻度不明)舌炎、乳房腫脹、乳汁漏出、乳房痛、関節痛、筋肉痛、急性膵炎、勃起障害。

使用上の注意

(禁忌)

本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)

  1. 腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用する]。

  2. 肝障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝されるので、血中濃度が上昇する恐れがある]。

  3. 薬物過敏症の既往歴のある患者。

  4. 高齢者。

(重要な基本的注意)

治療にあたっては経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用にとどめ、本剤で効果がみられない場合には他の療法に切り替える。なお、血液像、肝機能、腎機能等に注意する。

(相互作用)

併用注意:

  1. クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[これらの薬剤のプロトロンビン時間に変動を来したとの報告があるので、クマリン系抗凝血剤を本剤と併用する場合は、プロトロンビン時間の変動に注意し、異常が認められた場合には投与量の調節や投与中止などの適切な処置を行う(本剤のCYP450に対する阻害作用により、クマリン系抗凝血剤の代謝を阻害する)]。

  2. トリアゾラム(経口)[トリアゾラムの吸収が増大する可能性があるため、異常が認められた場合には投与量の調節や投与中止などの適切な処置を行う(本剤の胃酸分泌抑制作用により胃内pHが上昇することで、これら薬剤のバイオアベイラビリティに影響を及ぼすと考えられる)]。

  3. アタザナビル(経口)、ゲフィチニブ(経口)[これらの薬剤の吸収が低下する可能性があるため、異常が認められた場合には投与量の調節や投与中止などの適切な処置を行う(本剤の胃酸分泌抑制作用により胃内pHが上昇することで、これら薬剤のバイオアベイラビリティに影響を及ぼすと考えられる)]。

(高齢者への投与)

血中濃度が持続する恐れがあるので、減量するか投与間隔を延長する等慎重に投与する[本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多い]。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[本剤は胎盤を通過することが知られており、妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

  2. 投薬中は授乳させないよう注意する[ヒト母乳中への移行が報告されている]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

(臨床検査結果に及ぼす影響)

試験紙法による尿蛋白検査で偽陽性を呈することがあるので、尿蛋白検査はスルホサリチル酸法により検査することが望ましい。

(過量投与)

外国で1日6gまでの過量投与の報告があるが、特に重大な影響はみられなかった。過量投与した場合、必要に応じて適切な療法を行う。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

  1. 本剤の投与が胃癌の症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与する。

  2. 外国において急性ポルフィリン症の患者に投与した場合、その症状を悪化させたとの報告がある。

(取扱い上の注意)

  1. 保管方法

    1. 防湿。
    2. 使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用する。
  2. 安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、ラニチジン錠75mg「YD」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

(保管上の注意)

遮光、気密容器。