処方薬
ロペミン細粒0.1%
先発

ロペミン細粒0.1%の添付文書

添付文書PDFファイル

PDFファイルを開く

※添付文書のPDFファイルは随時更新しておりますが、常に最新であるとは限りません。予めご了承ください。

効果・効能

下痢症。

用法・用量

ロペラミド塩酸塩として、通常、成人に1日1~2mgを、1~2回に分割経口投与する。

なお、症状により適宜増減する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. イレウス(0.1%未満)、巨大結腸(頻度不明):消化器症状とともにイレウス、巨大結腸があらわれることがある〔11.2参照〕。

  2. 1.2. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(0.1%未満)。

  3. 1.3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。

    1. その他の副作用
    1. 過敏症:(頻度不明)血管浮腫。
    2. 中枢神経系:(頻度不明)頭痛、傾眠傾向、鎮静、筋緊張低下、意識レベル低下、筋緊張亢進、意識消失、昏迷、協調運動異常。
    3. 肝臓:(0.1%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇。
    4. *消化器:(0.1~5%未満)腹部膨満、(0.1%未満)腹部不快感、悪心、腹痛、嘔吐、食欲不振、(頻度不明)消化不良、口内不快感、味覚変調、便秘、鼓腸。
    5. 皮膚:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)蕁麻疹、皮膚そう痒感、(頻度不明)多形紅斑、水疱性皮膚炎。
    6. 泌尿器:(頻度不明)尿閉。
    7. その他:(0.1%未満)口渇、眠気、めまい、発汗、倦怠感、(頻度不明)疲労、体温低下、発熱、散瞳、縮瞳。

      発現頻度は使用成績調査を含む。

      *)〔11.1.1参照〕。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な感染性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長を来すおそれがある]。
    1. 抗生物質の投与に伴う偽膜性大腸炎の患者[症状の悪化、治療期間の延長を来すおそれがある]。
    1. 低出生体重児、新生児及び6ヵ月未満の乳児[外国で、過量投与により、呼吸抑制、全身性痙攣、昏睡等の重篤な副作用の報告がある]。
    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(重要な基本的注意)

    1. 止瀉剤による治療は下痢の対症療法であるので、脱水症状がみられる場合、輸液等適切な水・電解質の補給に留意すること。
    1. 本薬の薬理作用上、便秘が発現することがあるので、用量に留意し、便秘が発現した場合は投与を中止すること。
    1. 眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 感染性下痢の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(治療期間の延長を来すおそれがある)。

  2. 1.2. 潰瘍性大腸炎の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(中毒性巨大結腸を起こすおそれがある)。

  3. 1.3. 肛門疾患等の患者:特に便秘を避けなければならないため、注意して投与すること(本薬の薬理作用上、便秘が発現することがある)。

(肝機能障害患者)

  1. 3.1. 重度肝機能障害患者:本剤の代謝及び排泄が遅延するおそれがある。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

(授乳婦)

授乳を避けさせること(ヒトで母乳中に移行することが報告されている)。

(小児等)

  1. 7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 7.2. 6ヵ月以上2歳未満の乳幼児:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(外国で、乳幼児(特に2歳未満)に過量投与した場合、中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告がある)。

(高齢者)

用量に留意するなど、注意して投与すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)。

(相互作用)

本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2C8で代謝されることから、CYP3A4を阻害する薬剤又はCYP2C8を阻害する薬剤と併用した際、本剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤はP糖蛋白の基質である。

  1. 2. 併用注意
    1. ケイ酸アルミニウム(経口)、タンニン酸アルブミン(経口)[本剤の効果が減弱するおそれがあるので、投与間隔をあけるなど注意すること(これらの薬剤により、本剤が吸着されることが考えられる)]。
    2. リトナビル、キニジン〔16.7.1、16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇することがある(これらの薬剤のP糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の排出が阻害されると考えられる)]。
    3. イトラコナゾール〔16.7.3参照〕[本剤の血中濃度が上昇することがある(イトラコナゾールのCYP3A4及びP糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる)]。
    4. デスモプレシン(経口)〔16.7.4参照〕[デスモプレシンの血中濃度が上昇することがある(本剤の消化管運動抑制作用により、デスモプレシンの消化管吸収が増加すると考えられる)]。

(過量投与)

    1. 症状

    外国で、過量投与により昏睡、呼吸抑制、縮瞳、協調異常、筋緊張低下、傾眠、尿閉等の中毒症状が報告されている(また、腸管壊死に至る麻痺性イレウスにより死亡に至った例、QT延長、Torsade de Pointesを含む重篤な心室性不整脈、Brugada症候群の顕在化が報告されている)。

    1. 処置

    過量投与時、中毒症状がみられた場合にはナロキソン塩酸塩を投与する(本剤の作用持続性に比べ、ナロキソン塩酸塩の作用は短時間しか持続しないので、必要な場合にはナロキソン塩酸塩を反復投与する)。また、過量投与時、QT延長のリスクがあるため、心電図異常に注意すること。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    乱用、誤用、又は故意により過量投与した患者において、休薬後に薬物離脱症候群の症例が認められたとの報告があるので、観察を十分に行い、用量に注意すること。

    1. 非臨床試験に基づく情報

    動物実験において、大量投与で薬物依存性が認められているので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意すること。

(保管上の注意)

室温保存。