処方薬
サーファクテン気管注入用120mg
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サーファクテン気管注入用120mgの添付文書

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効果・効能

呼吸窮迫症候群。

用法・用量

生理食塩液(120mg/4mL)によく懸濁して、120mg/kgを気管内に注入する。全肺野に液をゆきわたらせるため、4~5回に分け、1回ごとに体位変換する。1回ごとの注入にあたって、100%酸素でバギングしながら、経皮酸素分圧をモニターし、80mmHg以上にあることを確認する。初回投与の時期は、生後8時間以内が望ましい。追加投与は、患者の症状に応じて決定する。用量は60~120mg/kgとする。

副作用

総症例数2,409例中副作用は報告されていない(再審査終了時)。

使用上の注意

(慎重投与)

両親、兄姉等がアレルギー症状の既往のある患者[患者血清中には抗体は検出されていないが、動物実験(モルモット、マウス)で抗体産生が認められている]。

(重要な基本的注意)

  1. 投与に際し、患者の循環動態、心機能を正しく評価し、それらの適切な治療を行う。

  2. 投与直後の換気条件の設定では、吸気時間を長く(0.7~1.0秒)、換気回数を低く(30~40回/分)、ある程度の圧(最大吸気圧20cmH2O:呼吸終末圧5cmH2O)は必要である。

  3. 投与後、動脈血酸素分圧が改善された場合は、換気条件の前進はまず吸入酸素濃度を下げてから、圧設定、吸気時間、換気回数を調節する。

  4. 追加投与は、吸入酸素濃度を0.4以下、あるいは平均気道内圧を7cmH2O以下に下げられず、かつ胸部X線像にて網状顆粒状陰影が認められる場合とする(なお、原則として追加投与は1回とする)。

  5. 呼吸窮迫症候群には生後早期より動脈管を介する左右短絡が存在することが知られており、回復期には短絡量が増加して肺うっ血、心不全をもたらす可能性が高く、本剤の効果を減弱させることがあるので、動脈管開存症の発症を念頭におき、特に、超低出生体重児では、投与後早期から動脈管閉鎖を目的とした治療を行う。

  6. 患者の感染に注意する。

  7. 用法・用量どおり正しく使用しても、効果が認められない場合は、別の疾患である可能性が考えられる。

(適用上の注意)

  1. 投与経路

    1. 用法・用量の記載に従い調製した液を26G注射針をつけた注射器又は専用のプラスチック採液針を装着したカテーテルチップシリンジに吸いとり、3~4Frの滅菌細管につなぎ、気管内挿管チューブを介して気管に注入する。
    2. 血管内に投与しない。
  2. 調製方法

    1. カテラン針を用いて生理食塩液4mLを本剤の表面全体に、泡を立てないよう静かに振りかけ、直ちに瓶を静かに回転させて、均一に懸濁させる。
    2. 本剤を生理食塩液以外の懸濁用液で懸濁すると懸濁不良(粘性が増したり塊ができる等)となることがある。
  3. 投与時

    1. 懸濁液は体温程度に温めて使用する。
    2. 気道内の羊水、粘液等を吸引除去したのち投与する。
  4. 保存時:懸濁後はできるだけ速やかに使用する。一部を使用した残液は、細菌汚染の恐れがあるので使用しない(本剤は保存剤を含有していないため)。

  5. その他:本剤は凍結乾燥製品なので通常は塊となっているが、塊が崩れていても効力に影響はない。

(サーファクテン気管注入用120mg懸濁液調製法)

サーファクテンは界面活性剤であり、その性質上極めて泡立ちやすいので、操作中泡立てないよう十分注意する。

  1. 調製に必要なもの

    1. サーファクテン気管注入用120mg(1瓶中、有効成分120mg含有、投与量120mg/kg)
    2. 生理食塩液(4mL/1瓶)[「用法・用量」で定められている生理食塩液でよく懸濁する。本剤を生理食塩液以外の懸濁用液で懸濁すると懸濁不良(粘性が増したり、塊ができる等)となることがある]。
    3. 5~10mLのディスポーザブル注射筒
    4. カテラン針
  2. カテラン針を用いて生理食塩液4mLを、本剤の表面全体に、泡を立てないよう静かに振りかける[本剤は凍結乾燥製品なので通常は塊となっているが、塊が崩れていても効力に影響はない]。

  3. 直ちに、瓶の頭を持ち、泡立てないよう静かに回転する(1秒間に2~3回程度)。通常、1~2分で小塊は消失し、白濁した液となる。

    もし小塊が残る場合:20Gカテラン針を用いて塊ごと吸いとる。次に注射針口を瓶壁にあて、泡を立てないよう静かにサーファクテン液を押し出す。この操作を2~3回繰り返すことにより、小塊は消失する。

  4. 注入前、サーファクテン懸濁液は体温程度に温める。26G注射針又は専用のプラスチック採液針を用いて泡が入らないよう注意して懸濁液を吸いとる[懸濁後はできるだけ速やかに使用する。一部を使用した残液は、細菌汚染の恐れがあるので使用しない(本剤は保存剤を含有していないため)]。

(保管上の注意)

遮光保存、5℃以下に保存。