処方薬
ベラパミル塩酸塩錠40mg「ツルハラ」
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ベラパミル塩酸塩錠40mg「ツルハラ」の添付文書

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効果・効能

  1. 成人

    1. 頻脈性不整脈(心房細動・心房粗動、発作性上室性頻拍)。
    2. 狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患。
  2. 小児:頻脈性不整脈(心房細動・心房粗動、発作性上室性頻拍)。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

小児等に本剤を使用する場合、小児等の不整脈治療に熟練した医師が監督する。基礎心疾患のある小児の場合は、有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ投与する。

用法・用量

  1. 成人

    1. 頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍):ベラパミル塩酸塩として、1回40~80mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
    2. 狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患:ベラパミル塩酸塩として、1回40~80mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
  2. 小児:頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍):小児には、ベラパミル塩酸塩として1日3~6mg/kg(但し、1日240mgを超えない)を、1日3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. 循環器障害:心不全、洞停止、房室ブロック、徐脈、意識消失が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    2. 皮膚障害:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形滲出性紅斑、乾癬型皮疹等の重篤な皮膚障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用(頻度不明)

    1. 循環器:房室伝導時間延長[定期的に心電図検査を行い、異常な変動が観察された場合には投与を中止し、適切な処置を行う]、頭痛、眩暈、血圧低下。
    2. 過敏症:発疹[このような場合には投与を中止する]。
    3. 消化器:便秘、悪心・嘔吐、食欲不振。
    4. 口腔:歯肉肥厚[連用によりこのような症状が現れることがあるので、このような場合には投与を中止する]。
    5. 肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等。
    6. 内分泌:血中プロラクチン上昇、男性における血中黄体形成ホルモン低下・血中テストステロン低下、女性型乳房。
    7. その他:浮腫。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 重篤なうっ血性心不全のある患者[本剤は陰性変力作用を有し、心不全症状を更に悪化させることがある]。

  2. 第2度以上の房室ブロック、洞房ブロックのある患者[本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある]。

  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

  4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)

  1. 高度徐脈(50拍/分未満)、又は第1度房室ブロックのある患者[本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある]。

  2. うっ血性心不全又はその既往歴のある患者[本剤は陰性変力作用を有し、心機能を更に低下させることがある]。

  3. 低血圧の患者[本剤は血管拡張作用を有し、血圧を更に低下させることがある]。

  4. WPW症候群、LGL症候群のある患者[本剤の房室伝導抑制作用により、心房興奮が副伝導路を通りやすくなる結果として心室細動を生じることがある]。

  5. 基礎心疾患(心筋症、弁膜症、高血圧性心疾患等)のある患者[本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある]。

  6. 重篤な肝不全・重篤な腎不全のある患者[本剤は肝及び腎で代謝・排泄されるため、このような患者では本剤の血中濃度が予測以上に増加し、副作用に発展することがある]。

  7. 筋ジストロフィーのある患者[本剤は主に平滑筋を弛緩させるが骨格筋に対しても作用を有し、筋収縮力を悪化させることがある]。

  8. 新生児及び乳児。

(重要な基本的注意)

  1. カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行う。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意する。

  2. 本剤の投与に際しては、心電図、脈拍、血圧を定期的に調べ、PQ延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止する。

  3. 頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)患者に投与する場合には、洞停止、洞不全症候群の誘発の危険性が高くなるので、十分に注意する。

  4. クラス1抗不整脈剤との併用、β遮断剤との併用により、心機能低下、高度の徐脈、房室ブロックが現れることがある。また、ジギタリスとの併用により、高度徐脈、房室ブロックが現れることがある。クラス1抗不整脈剤と併用、β遮断剤と併用、ジギタリスと併用する場合は、自覚症状に注意するとともに、定期的に心電図検査を行い、異常が認められた場合には、本剤又は相手薬剤を減量又は中止するなど適切な処置を行う。

(相互作用)

本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。また、本剤はP-糖蛋白の基質であるとともに、P-糖蛋白に対して阻害作用を有する。

併用注意:

  1. 血圧降下剤[血圧の低下が増強することがある(本剤と血圧降下剤の血管拡張作用が増強される)]。

  2. β遮断剤、ラウオルフィア製剤[心機能の低下や徐脈が現れることがあるので、自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、本剤又は相手薬剤を減量又は中止するなど適切な処置を行う(本剤は陰性変力作用や房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、両者の心抑制作用が相互に増強され、特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意する)]。

  3. 抗不整脈剤(キニジン硫酸塩水和物、プロカインアミド塩酸塩、リドカイン、ピルシカイニド塩酸塩水和物、フレカイニド酢酸塩等)、低カリウム血症を起こす恐れがある薬剤(利尿剤等)[徐脈、房室ブロックが現れることがあり、高度の不整脈に発展させることがあるので、自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、本剤又は相手薬剤を減量又は中止する(相加的な抗不整脈作用の増強や低カリウム血症により催不整脈作用が生じる)]。

  4. ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン等)[高度の徐脈・房室ブロック等の徐脈性不整脈が現れることがあり、また、これらの不整脈を含めたジギタリスの血中濃度上昇による中毒症状(悪心・嘔吐・食欲不振・頭痛・疲労・倦怠感等)が現れることがあるので、定期的に心電図検査を行い、ジギタリスの中毒症状の有無を確認し、必要に応じてジギタリスの血中濃度を測定し、異常が認められた場合には、両剤を減量又は中止するなど適切な処置を行う(相加的な房室結節・洞結節抑制作用の増強やジギタリスの心刺激作用により不整脈が生じるので、特にβ遮断剤との3剤併用時には注意し、また、ジギタリスの血中濃度の上昇は本剤のジギタリスの腎排泄抑制によるものと考えられる)]。

  5. ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩[ダビガトランの抗凝固作用が増強することがあるので、ダビガトランエテキシラートの用量調節や投与間隔を考慮するなど、投与方法に十分注意する(ダビガトランの血中濃度を上昇させる)]。

  6. 吸入麻酔薬[心機能の低下や徐脈が現れることがあるので、脈拍数、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う(本剤は陰性変力作用や房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、両剤の心抑制作用が相互に増強される)]。

  7. リトナビル[本剤のAUCが3倍を超えることが予測されるので、本剤を減量するとともに血中濃度のモニターや診察の回数を増やすなど慎重に投与する(相手薬剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる)]。

  8. インジナビル硫酸塩エタノール付加物、アタザナビル硫酸塩、キヌプリスチン・ダルホプリスチン[本剤の血中濃度が上昇し副作用を増強する恐れがある(相手薬剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる)]。

  9. イトラコナゾール、ミコナゾール[本剤の血中濃度を上昇させることがある(相手薬剤のチトクロームP450(CYP3A4)の阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度を上昇させる)]。

  10. アプリンジン塩酸塩[アプリンジンの血中濃度が上昇することがあるので、異常が認められた場合には、アプリンジンを減量又は中止するなど適切な処置を行う(本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

  11. カルバマゼピン[カルバマゼピンの血中濃度が上昇し中毒症状(眩暈・頭痛等)が現れることがあるので、カルバマゼピンの血中濃度に注意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う(本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

  12. ミダゾラム[ミダゾラムの血中濃度が上昇することがあるので、異常が認められた場合には、適切な処置を行う(本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

  13. セレギリン塩酸塩[セレギリンの作用を増強し毒性が大幅に増強する可能性がある(本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

  14. シクロスポリン[シクロスポリンの血中濃度が上昇することがあるので、シクロスポリンの血中濃度に注意し、異常が認められた場合には、シクロスポリンを減量又は中止する(本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

  15. パクリタキセル[パクリタキセルの血中濃度が上昇することがあるので、異常が認められた場合には、パクリタキセルを減量、投与間隔を延長又は中止するなど適切な処置を行う(本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

  16. ビノレルビン酒石酸塩[ビノレルビンの血中濃度が上昇することがある(本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

  17. ゲフィチニブ[ゲフィチニブの血中濃度が上昇し副作用を増強する恐れがある(本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

  18. エレトリプタン臭化水素酸塩[エレトリプタンの血中濃度が上昇することがある(本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

  19. テオフィリン、アミノフィリン水和物、コリンテオフィリン[テオフィリンの血中濃度が上昇することがあるので、テオフィリンの血中濃度に注意し、異常が認められた場合には、テオフィリン製剤を減量又は中止するなど適切な処置を行う(本剤による肝薬物代謝酵素阻害作用により、テオフィリンのクリアランスが低下するため、テオフィリンの血中濃度を上昇させる)]。

  20. リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール[本剤の作用が減弱することがある(相手薬剤のチトクロームP450(CYP3A4)の誘導作用により、本剤の血中濃度を低下させる)]。

  21. ダントロレンナトリウム水和物[高カリウム血症や心機能低下が生じることがある(機序不明)]。

  22. グレープフルーツジュース[本剤の血中濃度を上昇させることがあるので、異常が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行い、また、グレープフルーツジュースとの同時服用をしないよう注意する(グレープフルーツジュースに含まれる成分のチトクロームP450(CYP3A4)の阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる)]。

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど注意する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[動物実験(マウス)で胎仔毒性(死胚)が報告されている]。

  2. 授乳婦への投与は避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させる[ヒトにおいて乳汁中への移行が報告されている]。

(小児等への投与)

新生児及び乳児はカルシウム拮抗剤の感受性が高いため、徐脈、心停止等を生じる危険性が大きい。新生児及び乳児に本薬を静脈内投与した際、重篤な徐脈や低血圧、心停止等が認められたとの報告がある。

(過量投与)

  1. 徴候・症状:本剤の過量投与により、ショック、著明な血圧低下、心不全悪化、完全房室ブロック等が認められたとの報告がある。

  2. 処置

    1. 過量投与によるショックや心不全悪化の場合:本剤の投与を中止し、昇圧剤、強心薬、輸液等の投与やIABP等の補助循環の適用を考慮する。
    2. 過量投与による心停止や完全房室ブロックの場合:本剤の投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン等の投与や心臓ペーシングの適用を考慮する。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

因果関係が明らかではないが、外国において本薬投与中に心筋梗塞や狭心症が現れたとの報告がある。

(取扱い上の注意)

  1. 遮光気密容器:光により変色することがあるので、バラ包装は開栓後、光を遮り湿気を避けて保存。

  2. 安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、5年)の結果、ベラパミル塩酸塩錠40mg「ツルハラ」は通常の市場流通下において5年間安定であることが確認された。