処方薬
ハイトラシン錠2mg
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効果・効能

  1. 本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症。

  2. 前立腺肥大症に伴う排尿障害。

用法・用量

  1. 本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症:テラゾシンとして、1日0.5mg(1回0.25mg1日2回)より投与を始め、効果が不十分な場合は1日1~4mgに漸増し、1日2回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は8mgまでとする。

  2. 前立腺肥大症に伴う排尿障害:テラゾシンとして、1日1mg(1回0.5mg1日2回)より投与を始め、1日2mgに漸増し、1日2回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

副作用

(本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症)

総症例数10,626例中292例(2.75%)397件の副作用が報告されている。主な副作用は眩暈58件(0.55%)、立ちくらみ41件(0.39%)、動悸35件(0.33%)、頭痛35件(0.33%)であった(再審査終了時)。

(前立腺肥大症に伴う排尿障害)

総症例数5,761例中336例(5.83%)476件の副作用が報告されている。主な副作用は眩暈138件(2.40%)、立ちくらみ111件(1.93%)、貧血25件(0.43%)、低血圧21件(0.36%)であった(再審査終了時)。

  1. 重大な副作用

    1. 意識喪失(頻度不明):血圧低下に伴う一過性意識喪失等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    2. 肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明):AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇、LDH上昇等を伴う肝機能障害や黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用

    1. 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)そう痒、(頻度不明)血管浮腫[このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う]。
    2. 精神神経系:(0.1~5%未満)眩暈、頭痛、倦怠感、(0.1%未満)脱力感、発汗、不眠、冷感、肩こり、眠気、口渇、しびれ。
    3. 循環器:(0.1~5%未満)立ちくらみ、動悸、低血圧、(0.1%未満)浮腫、不整脈(期外収縮、心房細動等)、胸痛、起立性低血圧、頻脈。
    4. 肝臓:(0.1~5%未満)ALT上昇(GPT上昇)、(0.1%未満)AST上昇(GOT上昇)、Al-P上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇。
    5. 消化器:(0.1~5%未満)腹痛、(0.1%未満)下痢、便秘、悪心、嘔吐、食欲不振、消化不良。
    6. 泌尿器:(0.1%未満)頻尿、尿失禁。
    7. 腎臓:(0.1%未満)BUN上昇、血中クレアチニン上昇。
    8. その他:(0.1~5%未満)ほてり、貧血、(0.1%未満)鼻閉、息切れ、目違和感、インポテンス、抗核抗体陽性、(頻度不明)羞明。

使用上の注意

(禁忌)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)

  1. 重篤な肝機能障害・重篤な腎機能障害のある患者[血中濃度が上昇する恐れがある]。

  2. ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(PDE5阻害剤)服用中の患者。

  3. 高齢者。

(重要な基本的注意)

  1. 起立性低血圧が現れることがあるので、臥位のみならず立位又は座位で血圧測定を行い、体位変換による血圧変化を考慮し、座位にて血圧をコントロールする。

  2. 投与初期又は用量の急増時等に、眩暈、立ちくらみ、動悸、頭痛等が現れることがあるので、その際は仰臥位をとらせるなどの適切な措置を講ずる(また、必要に応じて対症療法を行う)。

  3. 降圧作用に基づく眩暈等が現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。

  4. アレルギー体質の患者では副作用発現率が高くなる傾向があるので、このような患者に投与する場合には十分に注意する。

  5. 本剤による前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合には手術療法等、他の適切な処置を考慮する。

(相互作用)

併用注意:

  1. 降圧作用を有する他の薬剤[降圧作用が増強することがあるので、減量するなど適切な処置を行う(相加的に降圧作用を増強させる)]。

  2. ホスホジエステラーゼ5阻害剤(PDE5阻害剤)(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)[PDE5阻害剤との併用により症候性低血圧が現れる恐れがあるので、本剤を低用量から投与開始する(PDE5阻害剤は血管拡張作用を有するので、併用により降圧作用を増強させる恐れがある)]。

(高齢者への投与)

高齢者では低用量(例えば1回0.25mg、1日2回)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与する[一般に、過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)]。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

  2. 授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させることが望ましい[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている]。

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

(過量投与)

本剤の過量投与により過度の血圧低下を起こす可能性があるので、このような症状が現れた場合には、体位を仰臥位にするほか、必要に応じて輸液、昇圧剤の投与等適切な処置を行う(なお、血液透析は本剤の除去に有効ではない)。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

  1. 類似化合物(プラゾシン塩酸塩)で腎及びその他の動脈狭窄のある高血圧症、脚部及びその他の動脈瘤のある高血圧症等の血管障害のある高血圧症患者で、急性熱性多発性関節炎がみられた1例報告がある。

  2. ラットに250mg/kg/日(臨床最大用量の約1800倍に相当)を2年間経口投与した試験で、雄のみに良性副腎髄質腫瘍の発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。