アレステン錠150mgの添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
本態性高血圧症における降圧。
用法・用量
メチクランとして1回150mg、1日1~2回経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。
副作用
総症例5,664例中、副作用が報告されたものは280例(4.94%)であった。その主なものは食欲不振(0.78%)、悪心・嘔吐(0.53%)等の消化器症状、発疹(0.55%)、光線過敏症(0.28%)及び血小板減少(0.19%)等であった。投与前後で臨床検査値に変動を認めた主な項目は、血清カリウム値の低下、BUN値の上昇、血清尿酸値の上昇であるが、いずれも軽微なものであった(承認時~1980年6月までの集計)。
重大な副作用
- 血小板減少:血小板減少(頻度不明)が現れることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止する。
- 間質性肺炎、肺水腫:間質性肺炎、肺水腫(各々0.1%未満)が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止する。
- 低ナトリウム血症:倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行う。
- 低カリウム血症:倦怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血症(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行う。
その他の副作用
- 血液:(0.1~5%未満)紫斑等、(0.1%未満)白血球減少[投与を中止する]。
- 肝臓:(0.1%未満)肝障害[投与を中止する]。
- 代謝異常:(頻度不明)低クロル性アルカローシス、血中カルシウム上昇等の電解質失調、高尿酸血症、高血糖症[減量又は休薬等の適切な処置を行う]。
- 皮膚:(0.1~5%未満)発疹、顔面潮紅等の皮膚過敏症状、光線過敏症[投与を中止する]。
- 消化器:(0.1~5%未満)食欲不振、悪心・嘔吐、胃部不快感、胃痛、腹部膨満感、下痢等、(0.1%未満)口渇等。
- 精神神経系:(0.1~5%未満)眩暈、不眠、頭痛等。
- その他:(0.1~5%未満)動悸、倦怠感、脱力感、(0.1%未満)浮動感等。
使用上の注意
(禁忌)
無尿の患者[腎機能を悪化させることがある]。
急性腎不全の患者[腎機能を更に悪化させることがある]。
体液中のナトリウム減少、体液中のカリウム減少が明らかな患者[低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させる恐れがある]。
本剤の成分、チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者。
テルフェナジン投与中の患者[QT延長、心室性不整脈を起こす恐れがある。また、利尿剤(ループ利尿剤)でテルフェナジンとの併用によりQT延長、心室性不整脈を起こしたとの報告がある]。
デスモプレシン酢酸塩水和物投与中(男性における夜間多尿による夜間頻尿)の患者。
(慎重投与)
進行した肝硬変症のある患者[肝性昏睡を誘発することがある]。
重篤な冠硬化症又は重篤な脳動脈硬化症のある患者[急激な利尿が現れた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発する恐れがある]。
重篤な腎障害のある患者[腎機能を更に悪化させる恐れがある]。
肝疾患・肝機能障害のある患者[肝機能を更に悪化させる恐れがある]。
本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者[高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、血糖値の悪化や顕性化の恐れがある]。
下痢、嘔吐のある患者[電解質失調を起こす恐れがある]。
高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者[血清カルシウムを上昇させる恐れがある]。
ジギタリス剤投与中、糖質副腎皮質ホルモン剤投与中又はACTH投与中の患者。
減塩療法時の患者[低ナトリウム血症等の電解質失調を起こす恐れがある]。
高齢者。
交感神経切除後の患者[本剤の降圧作用が増強される]。
(重要な基本的注意)
本剤の利尿効果は急激に現れることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意し、少量から投与を開始して、徐々に増量する。
連用する場合、電解質失調が現れることがあるので定期的に検査を行う。
夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
降圧作用に基づく眩暈、ふらつきが現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
(相互作用)
併用禁忌:デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)(ミニリンメルト)[低ナトリウム血症が発現する恐れがある(いずれも低ナトリウム血症が発現する恐れがある)]。
併用注意:
- バルビツール酸誘導体[起立性低血圧を増強することがある(これらの薬剤の中枢抑制作用と本剤の降圧作用による)]。
- アヘンアルカロイド系麻薬[起立性低血圧を増強することがある(アヘンアルカロイドの大量投与で血圧下降が現れることが報告されている)]。
- アルコール[起立性低血圧を増強することがある(アルコールは心血管系の抑制作用があり、本剤の降圧作用を増強する)]。
- 昇圧アミン(ノルアドレナリン、アドレナリン)[昇圧アミンの作用を減弱する恐れがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等を行う(昇圧アミンに対する血管壁の反応性が低下すると考えられる)]。
- ツボクラリン及びその類似作用物質(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物)[麻痺作用を増強する恐れがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等を行う(本剤による血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられる)]。
- 降圧作用を有する他の薬剤(ACE阻害剤、β遮断剤、ニトログリセリン等)[降圧作用を増強する(作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する)]。
- ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)[ジギタリスの心臓に対する作用を増強し不整脈等を起こす恐れがあるので、血清カリウム値に十分注意する(本剤による血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na・K-ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こると考えられ、マグネシウム低下も同様の作用を示す)]。
- 糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH[低カリウム血症が発現する恐れがある(両薬剤ともカリウム排泄作用を持つ)]。
- 糖尿病用剤(SU剤、インスリン)[糖尿病を悪化(糖尿病用剤の作用を減弱)させる恐れがあるので、慎重に投与する(機序は明確ではないが、本剤によるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられる)]。
- リチウム(炭酸リチウム)[振戦・消化器愁訴等リチウム中毒を増強する恐れがあるので、血清リチウム濃度に注意する(本剤は腎におけるリチウムの再吸収を促進しリチウムの血中濃度を上昇させると考えられる)]。
- コレスチラミン(経口)[降圧作用を減弱する恐れがある(コレスチラミンの吸着作用により、本剤の吸収が阻害されると考えられる)]。
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[降圧作用を減弱する恐れがある(非ステロイド系消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じて本剤の作用と拮抗すると考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
高齢者では急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、眩暈、失神等を起こすことがある。
特に心疾患のある高齢者等では急激な利尿が現れた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発する恐れがある。
高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)。
高齢者では、低ナトリウム血症、低カリウム血症が現れやすい。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがあるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
授乳中の婦人に投与することは避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(保管上の注意)
気密容器。