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ソルダクトン静注用200mg
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ソルダクトン静注用200mgの添付文書

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効果・効能

経口抗アルドステロン薬の服用困難な次記症状(高アルドステロン症によると考えられる)の改善:原発性アルドステロン症、心性浮腫(うっ血性心不全)、肝性浮腫、開心術時及び開腹術時における水分・電解質代謝異常の改善。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

本剤の適用対象は、経口抗アルドステロン薬の服用が困難で、高アルドステロン症によると考えられる症状であり、投与に際しては、特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できない場合にのみ本剤の投与を考慮する。

用法・用量

カンレノ酸カリウムとして、1回100~200mgを1日1~2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液又は注射用水10~20mLに溶解してゆっくりと静脈内注射する。なお、症状により適宜増減するが、1日投与量として600mgを超えない。また、投与期間は原則として2週間を超えない。

(注射液調製法)

  1. 1アンプルあたり本剤は20mLの溶解液に溶解する。

  2. はじめに溶解液2~3mLで本剤を溶解し、これを残りの溶解液に混合希釈して調製する。

  3. 溶解後は速やかに使用する。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

本剤は、経口抗アルドステロン薬の服用が可能になった場合及び所期の効果が認められない場合には速やかに投与を中止する。なお、本剤の投与期間は、原則として2週間までとし、漫然と長期にわたって投与しないよう留意する。

副作用

調査症例数6,108例中、副作用発現症例は639例(10.5%)であり、副作用発現件数は延べ877件であった。その主なものは、高カリウム血症292件(4.8%)、低ナトリウム血症79件(1.3%)、BUNの上昇115件(1.9%)等の代謝異常416例(6.8%)、注射部位の疼痛130件(2.1%)、嘔気15件(0.3%)、嘔吐12件(0.2%)等の消化器症状50例(0.8%)であった(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)。

  1. 重大な副作用

    1. ショック:ショックが現れることがあるので、観察を十分に行い、悪心、悪寒・冷汗、発疹、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等が現れた場合には、直ちに投与を中止し、輸液、副腎皮質ホルモン製剤、昇圧剤の投与等適切な処置を行う。
    2. 電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低クロル血症、高クロル血症等):高カリウム血症(4.8%)、低ナトリウム血症(1.3%)、低クロル血症(0.3%)、高ナトリウム血症(0.1%)、高クロル血症(0.1%未満)等の電解質異常が現れることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行う。また、電解質異常に伴い、不整脈等が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用

    1. 過敏症:(0.1%未満)発疹等[投与を中止する]。
    2. 血液:(0.1~5%未満)白血球増加、貧血、(0.1%未満)白血球減少[投与を中止する]。
    3. 腎臓:(0.1~5%未満)BUN上昇、血清クレアチニン値上昇[減量又は休薬等の適切な処置を行う]。
    4. 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇。
    5. 消化器:(0.1~5%未満)嘔気、嘔吐、下痢、(0.1%未満)口渇、食欲不振。
    6. 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、(0.1%未満)*妄想等[*:投与を中止する]。
    7. 内分泌:(0.1~5%未満)女性型乳房、(頻度不明)男性で性欲減退、女性で多毛、声の低音化、月経異常、乳房痛等。
    8. 投与部位:(0.1~5%未満)注射部位の疼痛。
    9. その他:(0.1~5%未満)発熱、(0.1%未満)全身倦怠感、心悸亢進、胸部不快感、顔面潮紅。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 無尿又は腎不全の患者[腎機能を更に悪化させる恐れがあり、また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は高カリウム血症増悪させる恐れがある]。

  2. 腎機能の進行性悪化状態の患者[腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は高カリウム血症増悪させる恐れがある]。

  3. 高カリウム血症の患者[高カリウム血症を増悪させる恐れがある]。

  4. エプレレノン投与中又はタクロリムス投与中の患者。

  5. アジソン病の患者[アジソン病ではアルドステロン分泌低下により、カリウム排泄障害を来しているので、高カリウム血症となる恐れがある]。

  6. 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

  7. てんかん等の痙攣性素因のある患者[動物試験で、痙攣誘発及び異常脳波が報告されている]。

(慎重投与)

  1. 心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症又は重篤な脳動脈硬化症のある患者[急激な利尿が現れた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発する恐れがある]。

  2. 肝機能障害のある患者[ショックが現れやすく、また、高カリウム血症が発現する恐れがある]。

  3. 腎機能障害のある患者[高カリウム血症等の電解質異常を起こしやすい]。

  4. 減塩療法時[水分・電解質が欠乏し、脱水症状や低ナトリウム血症等が現れやすくなる]。

(重要な基本的注意)

  1. 高カリウム血症等の電解質異常が現れることがあるので、定期的に検査を行う。

  2. 肝機能障害のある症例ではショックが現れやすいので、観察を十分に行い、悪心、悪寒・冷汗、発疹、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等が現れた場合には、直ちに投与を中止し、輸液、副腎皮質ホルモン製剤、昇圧剤の投与等適切な処置を行う。

(相互作用)

  1. 併用禁忌:エプレレノン(セララ)、タクロリムス(プログラフ)[高カリウム血症が発現することがある((機序)これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇)]。

  2. 併用注意

    1. 降圧剤(ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、β-遮断剤等)、利尿剤(チアジド系利尿剤、ループ利尿剤)[降圧作用又は利尿作用を増強する恐れがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意する((機序)降圧剤又は利尿剤と本剤との相加・相乗作用)]。
    2. カリウム補給、カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン)、ACE阻害剤(カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル等)、アンジオテンシン2受容体拮抗薬(ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン等)、アリスキレン、シクロスポリン、ドロスピレノン[高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意する((機序)これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇(危険因子)腎障害患者、高齢者)]。
    3. リチウム製剤(炭酸リチウム)[利尿剤又はACE阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意する(ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる)]。
    4. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[カリウム保持性利尿剤との併用により、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている(プロスタグランジン産生が抑制されることによって、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる(危険因子)腎機能障害)]。
    5. 乳酸ナトリウム[乳酸ナトリウムのアルカリ化作用の減弱を来すことがある(本剤により高カリウム性アシドーシスが惹起され、乳酸ナトリウムのアルカリ化作用と拮抗する可能性がある)]。
    6. 塩化アンモニウム、コレスチラミン[類薬スピロノラクトンとの併用により代謝性アシドーシスを来すとの報告がある(これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用が起こる恐れがある)]。

(高齢者への投与)

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

  1. 高齢者では急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、眩暈、失神等を起こすことがある。

  2. 特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発する恐れがある。

  3. 高齢者では腎機能又は肝機能が低下していることが多いため、高カリウム血症が現れやすい。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦:妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。

  2. 授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせる[類薬スピロノラクトンでヒト乳汁中へのカンレノ酸の移行が認められている]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

(適用上の注意)

  1. 投与経路:本剤は静脈内注射にのみ使用する。

  2. 調製方法:本剤は用時調製する(調製後、長時間放置すると沈澱が析出することがあるので、溶解後は速やかに使用する)。

  3. 調製時:pH等の変化により配合変化が起こりやすいので、他の薬剤(日局ブドウ糖注射液・生理食塩液又は注射用水を除く)との配合に際しては注意する。

  4. 投与時:静脈内投与により血管痛を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くする。また、注射に際しては血管外に漏出しないよう注意する。

  5. 開封時:アンプルカット時には、異物の混入を避けるため、エタノール綿等で清拭することが望ましい。

(その他の注意)

  1. ラットに24カ月経口投与した癌原性試験で、肝臓腫瘍、甲状腺腫瘍、精巣腫瘍、乳腺腫瘍及び骨髄性白血病が、対照群に比し有意に増加したとの報告がある。

  2. 類似化合物(スピロノラクトン)をラットに大量投与した慢性毒性試験において、内分泌臓器の腫瘍及び肝臓の増殖性変化がみられたとの報告がある。また、スピロノラクトンを長期間服用した患者(男女とも)に乳癌が発生したとする症例報告がある。

(保管上の注意)

本剤は光により徐々に着色することがあるので、外箱開封後遮光保存する。