ブレビブロック注100mg - 添付文書 | MEDLEY(メドレー)
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ブレビブロック注100mg
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効果・効能

手術時の上室性頻脈性不整脈に対する緊急処置。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

洞性頻脈においては、その原因検索及びその除去が重要であることに十分留意するとともに、本剤の効果が心拍数の減少であることを踏まえて、本剤は緊急処置として必要に応じて使用する。

用法・用量

1回エスモロール塩酸塩として1mg/kgを30秒間で心電図の連続監視下に静脈内に投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。

引き続き持続投与を行う場合は、エスモロール塩酸塩として150μg/kg/分の投与速度で持続静脈内投与を開始し、適宜投与速度を調節し、目標とする心拍数を維持する。なお、持続投与は、年齢、症状により適宜低用量から開始する。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

  1. 本剤の単回投与により効果を認めたものの、その後頻脈が再発し、再投与が必要な場合には、少なくとも5分間の投与間隔を置く。

  2. 褐色細胞腫の患者では、他のβ遮断剤投与により急激に血圧が上昇したとの報告があるため、褐色細胞腫の患者に投与する場合には、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を投与する。

  3. 国内臨床試験において、本剤150μg/kg/分を超える速度に増量することによる有効性の増強は証明されておらず、国内臨床試験において、本剤300μg/kg/分を超える速度での投与経験はないことを踏まえ、用量調節に当たっては、心拍数、血圧等の変化に十分注意する。

副作用

国内の急速静脈内投与臨床試験成績において安全性評価対象例243例中46例(18.9%)に副作用が報告された。その主なものは、低血圧45例(18.5%)であった。この他、ST低下(0.4%)、徐脈(0.4%)及び心室性期外収縮(0.4%)がみられた(急速静脈内投与承認時)。

国内の持続静脈内投与臨床試験成績において安全性評価対象例40例中23例(57.5%)に副作用が報告された。その主なものは、低血圧20例(50.0%)であった。この他、徐脈(10.0%)、ST低下(2.5%)及びQTc延長(2.5%)がみられた(持続静脈内投与承認時)。

製造販売後の急速静脈内投与での使用成績調査において、1,531例中39例(2.5%)に副作用が報告された。その主なものは、低血圧・血圧低下29例(1.9%)、徐脈3例(0.2%)、発熱2例(0.1%)及び肝機能検査異常2例(0.1%)等であった。また、持続静脈内投与での使用成績調査において、331例中13例(3.9%)に副作用が報告された。その内訳は、低血圧・血圧低下11例(3.3%)、徐脈2例(0.6%)及び高血圧1例(0.3%)であった(再審査終了時)。

  1. 重大な副作用

    1. 心不全(頻度不明)、末梢性虚血(1%未満):このような症状が現れた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行う。
    2. 心停止、高度徐脈、房室ブロック(1%未満):このような症状が現れることがあるので、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
    3. 気管支痙攣、呼吸困難、喘鳴(1%未満):このような症状が現れた場合には、減量又は中止し、必要に応じてβ2作動薬を用いるなど適切な処置を行う。
    4. 痙攣発作、血栓性静脈炎(頻度不明)、肺水腫(1%未満):このような症状が現れた場合には中止するなど適切な処置を行う。
    5. 低血圧(23.0%):このような症状が現れた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行う。
  2. その他の副作用

    1. 循環器:(1~5%未満)徐脈、(1%未満)ST低下、心室性期外収縮、蒼白、潮紅、胸痛、失神。
    2. 精神神経系:(頻度不明)味覚障害、(1~5%未満)眩暈、傾眠、錯乱、頭痛、激越、(1%未満)感覚障害、抑うつ、思考異常、不安、ふらつき感、言語障害。
    3. 呼吸器:(1%未満)鼻閉、ラ音。
    4. 消化器:(5%以上)悪心、(1~5%未満)嘔吐、(1%未満)消化不良、食欲不振、便秘、口渇、腹痛。
    5. 適用部位:(頻度不明)血管外漏出による皮膚壊死、(5%以上)適用部位の炎症・硬結等の注射部位反応、(1%未満)浮腫、紅斑、皮膚変色、灼熱感。
    6. その他:(1~5%未満)疲労、(1%未満)尿閉、視覚異常、骨痛、悪寒、発熱、無力症。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 本剤及び他のβ遮断剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

  2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強する恐れがある]。

  3. 洞性徐脈、房室ブロック(2~3度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[これらの症状が悪化する恐れがある]。

  4. 心原性ショックの患者[心機能を抑制し、症状が悪化する恐れがある]。

  5. 肺高血圧による右心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化する恐れがある]。

  6. うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化する恐れがある]。

  7. 未治療の褐色細胞腫の患者。

(慎重投与)

  1. 低血圧症の患者[心機能を抑制し、症状が悪化する恐れがある]。

  2. 左室収縮機能障害のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化する恐れがある]。

  3. 気管支喘息、気管支痙攣の恐れのある患者[症状を引き起こす恐れがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与する]。

  4. 異型狭心症の患者[症状が悪化する恐れがある]。

  5. 低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖からの回復が遷延する恐れがある]。

  6. 重篤な腎機能障害のある患者、重篤な血液疾患の患者[薬物の代謝・排泄が影響を受ける恐れがある]。

  7. 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[末梢循環障害が増悪する恐れがある]。

  8. 房室ブロック(1度)のある患者[房室伝導時間が延長し、症状が悪化する恐れがある]。

  9. 出血量の多い患者、脱水症状のある患者、血液透析を行っている患者[本剤投与により血圧低下を来す恐れがある]。

  10. 高齢者。

(重要な基本的注意)

  1. 洞性頻脈に対して本剤を投与する場合は、心筋虚血の発生及びその悪化のリスクを有する患者における心筋酸素需給バランスの維持等、頻脈処置の必要性を十分考慮し、患者の基礎疾患や合併症の内容、手術内容及びRate Pressure Product(RPP)等より、心拍数の上昇を抑える必要がある場合にのみ適用を考慮する。また、頻脈による心筋虚血の発生及びその悪化のリスクが通常の手術患者より高い冠動脈バイパス術施行患者等では、RPPが高くない場合(12000以下)でも本剤を必要とすることがある。なお、本剤による心拍数の上昇の抑制は、心筋虚血の発生及びその悪化のリスクを軽減することが期待できると考えられるが、海外では本剤使用にもかかわらず重篤な心筋虚血例が報告されており、また国内でもCK-MB上昇(CPK-MB上昇)例が認められており、心電図や経食道心エコーなどにより患者状態を慎重に観察する。

  2. 本剤の投与は心電図による監視、血圧の測定などの心機能検査を行いながら慎重に行う。

  3. 心不全の徴候又は症状が見られた場合は本剤を直ちに中止し、適切な処置を行う。

  4. 本剤は緊急処置を要する場合に必要な期間のみの投与にとどめ、患者の状態を十分観察し、緊急治療の必要性がなくなった場合は、漫然と継続投与しない。

  5. 持続投与を行う場合、単回投与に比べて低血圧及び徐脈の発現頻度が増加することから、患者状態を慎重に観察する。

  6. 気管挿管時頻脈に対して本剤を使用する場合、血圧低下を来しやすいため、患者の麻酔状態や循環動態を十分に観察する。

(相互作用)

併用注意:

  1. 麻酔剤(セボフルラン、プロポフォール、フェンタニル等)[過剰の交感神経抑制を来す恐れがあるので、注意する(相互に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。

  2. 筋弛緩剤(スキサメトニウム等)[脱分極性筋弛緩剤の筋弛緩作用時間を延長することがあるので、注意する(本剤はスキサメトニウムの筋弛緩作用時間を延長したとの報告がある)]。

  3. 交感神経系抑制剤(レセルピン等)[交感神経系の過剰の抑制(徐脈・心不全等)を来すことがあるので、減量するなど注意する(相互に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。

  4. カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピン等)[低血圧・徐脈・房室ブロック等の伝導障害、心不全が発現する恐れがあるので、減量するなど注意する(相互に作用(心収縮力や刺激伝導系の抑制作用、降圧作用等)を増強させる)]。

  5. 降圧作用を有する他の薬剤(ニトロプルシドナトリウム等)[降圧作用を増強することがあるので、減量するなど適切な処置を行う(相互に降圧作用を増強させる)]。

  6. モルヒネ[本剤の作用が増強する可能性があるので、注意する(モルヒネは本剤の全血中濃度を上昇させたとの報告がある)]。

  7. 血糖降下剤(インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等)[血糖降下作用が増強されることがあるので、減量するなど注意する(血糖値が低下するとカテコールアミンが副腎から分泌され、肝でのグリコーゲンの分解を促し、血糖値を上昇させる、この時、肝臓のβ受容体が遮断されていると、カテコールアミンによる血糖上昇作用が抑えられ、血糖降下作用を増強させる可能性がある)]。

  8. クラス1抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド等)[過度の心機能抑制(徐脈・心停止等)が現れることがあるので、減量するなど注意する(相互に作用(心機能抑制作用)を増強させる)]。

  9. ジギタリス製剤[房室伝導時間が延長し徐脈・房室ブロック等が発現することがあるので注意する(相互に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる)]。

  10. 交感神経作動薬(アドレナリン等)[相互の薬剤の効果が減弱し、また血管収縮、血圧上昇、徐脈を来すことがあるので注意する(β遮断剤により末梢血管のβ受容体が遮断された状態でアドレナリン等の交感神経作動薬が投与されるとα受容体を介する血管収縮作用だけが現れる(副交感神経の反射による徐脈を来す可能性がある))]。

(高齢者への投与)

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

  1. 高齢者では一般に過度の血圧降下、高度徐脈が起きた場合には脳梗塞等が起こる恐れがある。

  2. 高齢者では、エスモロール塩酸塩の消失半減期の延長がみられることがある。

  3. 高齢者では生理機能が低下していることが多く、本剤の作用が強く発現する恐れがある。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、胎児及び母体に影響が及ぶ可能性を十分に考慮し、治療上の有益性が危険性を上回る場合にだけ投与する[妊娠末期又は陣痛時ないし分娩時に本剤を使用すると、胎児の徐脈を引き起こしたとの報告があり、また、動物実験(ヒツジ)において胎仔移行率は低かったが、胎仔の心拍数を低下させたとの報告がある(高用量持続投与時の血中代謝物濃度において子宮平滑筋のオキシトシン収縮を抑制する可能性も示唆されている(ラット))]。

  2. 授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせる[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

(過量投与)

  1. 症状:本剤の過剰投与により予想される症状は、過度の徐脈、気管支痙攣、心不全、低血圧等がある。なお、国内未承認の高濃度製剤(エスモロール塩酸塩2500mg含有10mLアンプル)において、希釈の誤りによる過剰投与により心停止を起こしたり、心蘇生後に心筋梗塞を生じたとの報告がある。

  2. 処置:過剰投与時には、直ちに本剤の投与を中止し、必要に応じて次のような処置を行う。

    1. 過剰投与時の過度の徐脈:アトロピン(1~2mg)を静注し、更に必要に応じてβ1作動薬であるドブタミン(毎分2.5~10μg/kgを静注)を投与する(他のβ遮断剤では、グルカゴン(10mgを静注)が有効であったとの報告がある)。
    2. 過剰投与時の気管支痙攣:高用量のβ2作動薬(静注及び吸入-患者の反応に応じて投与量を増減)により消失させることができ、アミノフィリン(静注)、イプラトロピウム(吸入)も考慮する(他のβ遮断剤では、グルカゴン(1~2mgを静注)が気管支拡張を促すとの報告がある)、重度である場合には、酸素又は人工換気が必要である(全身麻酔の場合は、必要に応じ、吸入酸素濃度の増加、揮発性吸入麻酔薬の吸入濃度の増加を行う)。
    3. 過剰投与時の心不全:利尿剤、血管拡張剤及び補液による処置を行い、必要に応じ強心剤の静脈内投与を行う。過剰投与時の不十分な心収縮に起因するショックには、ドパミンの静脈内投与、ドブタミンの静脈内投与、コルホルシンダロパートの静脈内投与、ミルリノンの静脈内投与又はアムリノンの静脈内投与を考慮する。
    4. 過剰投与時の低血圧:輸液と昇圧剤(アドレナリン、ドパミン塩酸塩等のカテコールアミン)の両剤又は一方の静脈内投与を行う。

(適用上の注意)

  1. 投与時:静注点滴において皮膚湿潤や静注点滴において血管外漏出による皮膚落屑や皮膚壊死が起きることが報告されているので、点滴の側管を利用するなど、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与する。

  2. 本剤を持続投与するにあたっては、投与速度の調節可能な注入器具(シリンジポンプ等)を使用する。

(その他の注意)

  1. β遮断剤服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシーがより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗性を示したとの報告がある。

  2. 他のβ遮断剤の投与により血清クレアチンホスホキナーゼ値上昇がみられたとの報告がある。