アセタノールカプセル100の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
本態性高血圧症(軽症~中等症)。
狭心症。
頻脈性不整脈(洞性頻脈、期外収縮、発作性上室性頻拍、新鮮心房細動、除細動後の洞調律の維持)。
用法・用量
本態性高血圧症に使用する場合:アセブトロールとして、1日200~400mgを1回ないし2回に分けて経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
狭心症・頻脈性不整脈に使用する場合:アセブトロールとして、1日300~600mgを3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する使用上の注意)
褐色細胞腫の患者では、本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがあるので、α-遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα-遮断剤を併用する。
副作用
総症例18,895例中、511例(2.70%)に705件の副作用が認められ、主な副作用は眩暈・立ちくらみ89件(0.47%)、徐脈61件(0.32%)であった(再審査終了時)。
重大な副作用
- 心不全、房室ブロック(0.1%未満):心不全、房室ブロックが現れることがあるので、心機能検査を定期的に行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は中止するなどの適切な処置を行う。
- SLE様症状(頻度不明):SLE様症状(初期症状:関節症状、皮膚症状等)が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行う。
その他の副作用
- 循環器:(頻度不明)洞停止、(0.1~1%未満)低血圧、徐脈、浮腫、(0.1%未満)動悸、心胸比増大等。
- 呼吸器:(0.1~1%未満)呼吸困難、(0.1%未満)呼吸促迫、喘息発作の誘発等。
- 精神神経系:(0.1~1%未満)眩暈・立ちくらみ、頭痛、(0.1%未満)眠気、不眠、うつ症状悪化等。
- 消化器:(0.1~1%未満)腹痛、悪心、(0.1%未満)食欲不振、口渇、腹部膨満感、便秘、下痢、嘔吐、胸やけ等。
- 眼:(0.1%未満)霧視、涙液分泌減少等[発現した場合には投与を中止する(角膜潰瘍等の重篤な合併症を防止するため)]。
- 肝臓:(0.1%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等。
- 過敏症:(0.1%未満)発疹、蕁麻疹、そう痒感、紅斑性狼瘡様発疹等[発現した場合には投与を中止する]。
- その他:(0.1~1%未満)倦怠感、(0.1%未満)CK上昇(CPK上昇)、手足の冷感、しびれ感、下肢閉塞性動脈硬化悪化、緊張亢進、耳鳴、胸痛、脱力感等。
使用上の注意
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心筋収縮力の抑制を増強させる恐れがある]。
高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(2~3度)、洞房ブロックのある患者[心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。
心原性ショックの患者[心機能を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。
肺高血圧による右心不全の患者[心機能を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。
うっ血性心不全の患者[心機能を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。
未治療の褐色細胞腫の患者。
妊婦及び妊娠している可能性のある婦人、授乳中の婦人。
(慎重投与)
気管支喘息、気管支痙攣及びその恐れのある患者[気管支を収縮し、喘息症状を誘発又は悪化させる恐れがあるので、観察を十分に行い、気管支拡張剤を併用するなど慎重に投与する]。
うっ血性心不全の恐れのある患者[心機能を抑制し、うっ血性心不全を発現させる恐れがあるので、観察を十分に行い、ジギタリス剤や利尿剤を併用するなど慎重に投与する]。
特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつ症状をマスクしやすいので血糖値に注意する]。
徐脈、房室ブロック(1度)のある患者[心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。
重篤な肝機能障害、重篤な腎機能障害のある患者[薬物代謝・排泄が遅延する恐れがある]。
末梢循環障害を有する患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[心拍出量を抑制するため、末梢循環障害が増悪する恐れがある]。
低血圧症の患者[降圧作用により症状を悪化させる恐れがある]。
異型狭心症の患者[症状を悪化させる恐れがある]。
甲状腺中毒症の患者[頻脈等の中毒症状をマスクすることがある]。
高齢者。
(重要な基本的注意)
投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行う。特に徐脈又は低血圧を起こした場合には減量又は投与を中止する(また、必要に応じアトロピン硫酸塩水和物(又はイソプロテレノール)を使用する)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意する。
類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症患者で、急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行い、また、患者には医師の指示なしに服用を中止しないよう注意する。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をする。
甲状腺中毒症の患者では急に投与を中止すると、症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行う。
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
眩暈、立ちくらみが現れることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等、危険を伴う機械の作業に注意させる。
(相互作用)
併用注意:
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過剰の交感神経抑制を来す恐れがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させると考えられる)]。
血糖降下剤[血糖降下作用が増強することがあり、また、低血糖症状(頻脈・発汗等)をマスクすることがあるので血糖値に注意する(低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクしたり、β-遮断作用により低血糖の回復を遅らせると考えられている)]。
カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム)[徐脈・房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全が現れることがあるので、併用する場合には、用量に注意する(相加的に作用(陰性変力作用、心刺激伝導抑制作用、降圧作用)を増強させると考えられている)]。
クロニジン[クロニジンの投与中止後のリバウンド現象を増強する恐れがあるので、β-遮断剤とクロニジンを併用していて、クロニジンの投与を中止するときは、β-遮断剤を先に中止し、クロニジンを徐々に減量する(クロニジンはα2-受容体に選択的に作用してノルアドレナリンの遊離を抑制しているため、急激な中止によって血中カテコールアミンの上昇がおこるが、本剤併用時は更に上昇したカテコールアミンの作用のうちのβ-受容体刺激作用が遮断されてα-受容体刺激作用だけが残り、急激な血圧の上昇が発現すると考えられる)]。
クラス1抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン)[過度の心機能抑制が現れる恐れがあるので、減量するなど注意する(相加的に心収縮力抑制作用を増強させると考えられる)]。
ジギタリス製剤[心刺激伝導障害(徐脈・房室ブロック等)が現れる恐れがあるので、心機能に注意する(相加的に心刺激伝導抑制作用を増強させると考えられる)]。
非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱する恐れがある(非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害すると考えられる)]。
麻酔剤(エーテル等)[心機能抑制が過剰に現れる恐れがあるので、減量するなど注意する(相加的に交感神経抑制作用を増強させると考えられる)]。
フィンゴリモド塩酸塩[フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に本剤を併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある(共に徐脈や心ブロックを引き起こす恐れがある)]。
(高齢者への投与)
低用量から投与を開始し、経過を十分に観察しながら慎重に投与することが望ましい[一般的に高齢者では、過度の降圧は好ましくないとされている]。
休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行う。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
授乳中の婦人には投与しない[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない[使用経験が少ない]。
(過量投与)
症状:β-遮断剤の過量投与により、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等が現れることがある。
処置:過量投与の場合は、本剤の投与を中止し、必要に応じて催吐、胃洗浄、血液透析等により薬剤の除去を行うとともに、次記等の適切な処置を行い、これらの処置の間は常に観察下に置く。
- 過量投与による徐脈、完全房室ブロック:アトロピン硫酸塩水和物、イソプロテレノール等の投与や心臓ペーシングを適用する。
- 過量投与による心不全、低血圧:強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用する。
- 過量投与による気管支痙攣:β2-刺激剤の静注又はアミノフィリン水和物の静注等の投与や補助呼吸を適用する。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。