処方薬
ジギラノゲン注0.4mg

ジギラノゲン注0.4mgの添付文書

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効果・効能

1.  **次の疾患にもとづくうっ血性心不全(肺水腫、心臓喘息などを含む)**:先天性心疾患、弁膜疾患、高血圧症、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、肺性心(肺血栓・塞栓症、肺気腫、肺線維症などによるもの)、その他の心疾患(心膜炎、心筋疾患など)、腎疾患、甲状腺機能亢進症ならびに甲状腺機能低下症など。
1.  心房細動・心房粗動による頻脈、発作性上室性頻拍。
1.  **次の際における心不全及び各種頻脈の予防と治療**:手術、急性熱性疾患、出産、ショック、急性中毒。

用法・用量

1.  デスラノシドとして、通常、成人に対して
  1. 急速飽和療法(飽和量:0.8~1.6mg)

    初回0.4~0.6mg、以後0.2~0.4mgを2~4時間ごとに静脈内(または筋肉内)注射し、十分効果のあらわれるまで続ける。ただし、筋肉内注射は疼痛を伴う。

  2. 比較的急速飽和療法

    1日0.4~0.6mgを静脈内(または筋肉内)注射し、十分効果のあらわれるまで2~4日間続ける。ただし、筋肉内注射は疼痛を伴う。

  3. 維持療法

    1日0.2~0.3mgを静脈内(または筋肉内)注射する。ただし、筋肉内注射は疼痛を伴う。

    1. デスラノシドとして、通常、小児に対して
  4. 急速飽和療法

    新生児・低出生体重児:1日0.03~0.05mg/kgを3~4回に分割、静脈内(または筋肉内)注射する。

    2歳以下:1日0.04~0.06mg/kgを3~4回に分割、静脈内(または筋肉内)注射する。

    2歳以上:1日0.02~0.04mg/kgを3~4回に分割、静脈内(または筋肉内)注射する。

    一般に2日で飽和し以後維持量とする。ただし、筋肉内注射は疼痛を伴う。

  5. 維持療法

    飽和量の1/4を静脈内(または筋肉内)注射する。ただし、筋肉内注射は疼痛を伴う。

(用法及び用量に関連する注意)

飽和療法は過量になりやすいので、緊急を要さない患者には治療開始初期から維持療法による投与も考慮すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. ジギタリス中毒(頻度不明):次のような中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には減量又は休薬し、改めて少量より再投与を開始するなど適切な処置を行うこと〔9.1.3、9.1.5、9.2.1、9.2.2、13.1、13.2参照〕。 1. 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐、下痢等[このような症状があらわれた場合には減量又は休薬し、改めて少量より再投与を開始するなど適切な処置を行うこと]。 1. 循環器:不整脈、頻脈、高度徐脈等[このような症状があらわれた場合には減量又は休薬し、改めて少量より再投与を開始するなど適切な処置を行うこと]。 1. :視覚異常(光がないのにちらちら見える、黄視、緑視、複視等)[このような症状があらわれた場合には減量又は休薬し、改めて少量より再投与を開始するなど適切な処置を行うこと]。 1. 精神神経系:めまい、頭痛、失見当識、錯乱等[このような症状があらわれた場合には減量又は休薬し、改めて少量より再投与を開始するなど適切な処置を行うこと]。

  2. 1.2. 非閉塞性腸間膜虚血(頻度不明):腸管壊死に至った例も報告されているので、観察を十分に行い、激しい腹痛、血便等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    1. その他の副作用
    1. 過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、紫斑、浮腫等[症状があらわれた場合には投与を中止すること]。
    2. その他:(頻度不明)女性型乳房、筋力低下。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 房室ブロック、洞房ブロックのある患者[刺激伝導系を抑制し、房室伝導の遅延をもたらすためこれらを悪化させる]。
    1. ジギタリス中毒の患者[中毒症状が悪化する]。
    1. 閉塞性心筋疾患(特発性肥大性大動脈弁下狭窄等)のある患者[心筋収縮力を増強するため、左室流出路の閉塞を増悪し、症状を悪化させる]。
    1. ジスルフィラム投与中、シアナミド投与中の患者〔10.1参照〕。
    1. 本剤の成分又はジギタリス剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

(重要な基本的注意)

    1. 本剤を投与する場合には観察を十分に行い、過去2~3週間以内にジギタリス剤又はその他の強心配糖体が投与されているか否かを確認した後、慎重に投与量を決定すること。
    1. 本剤の至適投与量は患者により個人差があるので、少量から投与を開始し、観察を十分に行い投与量を調節すること。
    1. 類薬ジゴキシンでは種々の薬剤との相互作用が報告されているが、可能性のあるすべての組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用したり、本剤又は他剤を休薬する場合は本剤の血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、慎重に投与すること〔10.相互作用の項参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 急性心筋梗塞のある患者:心筋収縮力増強により心筋虚血を増悪させるおそれがある。

  2. 1.2. 心室性期外収縮のある患者:中毒が発現した場合鑑別ができないおそれがある。

  3. 1.3. 心膜炎、肺性心のある患者:少量で中毒を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。

  4. 1.4. WPW症候群のある患者:副伝導路の伝導速度を速め、不整脈が増悪するおそれがある。

  5. 1.5. 電解質異常(低カリウム血症、高カルシウム血症、低マグネシウム血症等)のある患者:少量で中毒を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。

  6. 1.6. 甲状腺機能低下症のある患者:ジゴキシンの血中濃度が高くなることが報告されており、本剤の作用が増強するおそれがある。

  7. 1.7. 甲状腺機能亢進症のある患者:ジゴキシンの血中濃度が低くなることが報告されており、本剤の作用が減弱するおそれがある。

(腎機能障害患者)

  1. 2.1. 腎疾患のある患者:本剤の排泄が遅延し、中毒を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。

  2. 2.2. 血液透析を受けている患者:本剤の排泄が遅延し、また、透析により、血清カリウム値が低下する可能性があるため、中毒を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

(小児等)

観察を十分に行い、慎重に投与量を決定すること(副作用があらわれやすい)。

(高齢者)

患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある)。

(相互作用)

〔8.3参照〕。

    1. 併用禁忌

    ジスルフィラム(ノックビン)、シアナミド(シアナマイド)〔2.4参照〕[顔面紅潮、血圧低下、胸部圧迫感、心悸亢進、呼吸困難、失神、頭痛、悪心、嘔吐、めまい、痙攣等があらわれるおそれがある(本剤はエタノールを含有しているため、ジスルフィラム・シアナミド-アルコール反応を起こすおそれがある)]。

    1. 併用注意
    1. カルシウム注射剤(グルコン酸カルシウム水和物(注射剤)(カルチコール注射液等)、L-アスパラギン酸カルシウム(注射剤)、塩化カルシウム水和物(注射剤))[治療上やむを得ないと判断される場合を除き、併用しないこと、静注により急激に血中カルシウム濃度が上昇すると心毒性が急激に発現するおそれがあるので、カルシウム値の補正に用いるなど、やむを得ず投与する場合には、低濃度で緩徐に投与するなど注意すること(心筋細胞内カルシウム濃度の上昇により、本剤の心筋収縮作用が増強される)]。
    2. スキサメトニウム塩化物水和物(スキサメトニウム、レラキシン)[治療上やむを得ないと判断される場合を除き、併用しないこと、併用により重篤な不整脈を起こすおそれがある(スキサメトニウム塩化物水和物の血中カリウム増加作用又はカテコールアミン放出が原因と考えられている)]。
    3. 利尿剤(カリウム排泄型利尿剤(チアジド系利尿剤、エタクリン酸、クロルタリドン、フロセミド等)、アセタゾラミド)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(過度の利尿により、血中カリウム値が低下しやすくなるおそれがある)]。
    4. 抗生物質製剤(アムホテリシンB、エンビオマイシン)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(これらの薬物により血中カリウム値が低下するためと考えられている)]。
    5. ポリスチレンスルホン酸塩[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(腸内のカリウムイオンとのイオン交換により、血中カリウム値が低下するおそれがある)]。
    6. 強心剤(アムリノン)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(過度の利尿により低カリウム血症が起こるためと考えられている)]。
    7. 強心剤(メタラミノール)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(薬力学的相互作用により不整脈があらわれるおそれがある)]。
    8. 副腎皮質ホルモン剤[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(副腎皮質ホルモンにより低カリウム血症が起こるためと考えられている)]。
    9. カルシウム経口剤、カルシウム含有製剤(カルシウム注射剤を除く)(カルシウム含有高カロリー輸液等)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている)]。
    10. ビタミンD製剤(カルシトリオール等)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている)]。
    11. 血圧降下剤(グアネチジン、レセルピン系薬剤)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれるおそれがある)]。
    12. β-遮断剤(プロプラノロール、アテノロール、カルベジロール等)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれるおそれがあり、また、カルベジロールではジゴキシンの血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
    13. 交感神経刺激剤(アドレナリン、オルシプレナリン、イソプレナリン等)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(薬力学的相互作用により不整脈があらわれるおそれがある)]。
    14. 不整脈用剤(アミオダロン、キニジン、ピルメノール、フレカイニド、ピルジカイニド、プロパフェノン、ベプリジル等)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(ジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告があり、また、薬力学的相互作用により、刺激伝導抑制等があらわれるおそれがある)]。
    15. 抗甲状腺製剤(チアマゾール、プロピルチオウラシル)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(甲状腺機能亢進の改善に伴いクリアランスが正常になるため、ジゴキシンの血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
    16. カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピン等)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(ジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
    17. 解熱・鎮痛・消炎剤(インドメタシン、ジクロフェナク、メチアジン酸等)、シクロスポリン、化学療法剤(イトラコナゾール、スルファメトキサゾール・トリメトプリム)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(ジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
    18. HMG-CoA還元酵素阻害剤(フルバスタチン)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(機序は不明であるが、ジゴキシンの最高血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
    19. トラゾドン[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(機序は不明であるが、ジゴキシンの血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
    20. 利尿剤(スピロノラクトン)[本剤の作用を増強するおそれがあり、ジギタリス中毒の症状(嘔気・嘔吐・不整脈等)があらわれるおそれがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること(ジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
    21. カルバマゼピン[本剤の作用を減弱するおそれがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(併用後、ジゴキシンの血中濃度が低下するとの報告がある)]。
    22. 抗生物質製剤(リファンピシン)[本剤の作用を減弱するおそれがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(肝薬物代謝酵素誘導により、ジゴキシンの血中濃度が低下するとの報告がある)]。
    23. 甲状腺製剤(乾燥甲状腺、レボチロキシン、リオチロニン)[本剤の作用を減弱するおそれがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(甲状腺機能低下の改善に伴いクリアランスが正常になるため、ジゴキシンの血中濃度が低下するとの報告がある)]。
    24. アカルボース[本剤の作用を減弱するおそれがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(併用によりジゴキシンの血中濃度の低下が認められたとの報告がある)]。
    25. セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(St.John’s Wort)[本剤の排泄が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(ジゴキシンの血中濃度が低下するとの報告がある)]。
    26. ブピバカイン塩酸塩水和物[ブピバカイン塩酸塩水和物の副作用を増強するおそれがある(薬力学的相互作用によると考えられている)]。
    27. ヘパリン[ヘパリンの作用を減弱するおそれがある(抗凝血作用に拮抗すると考えられている)]。
    28. 制吐作用を有する薬剤(スルピリド、メトクロプラミド、ドンペリドン等)[ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐・食欲不振等)を不顕化するおそれがある(これらの薬剤の制吐作用のため本剤の中毒症状が判別しにくくなる)]。

(過量投与)

    1. 症状

    過量投与時、ジギタリス中毒が起こることがある〔11.1.1参照〕。

    1. 処置〔11.1.1参照〕
  1. 2.1. 過量投与の管理では、併用薬剤による過量投与、相互作用の可能性、体内薬物動態等を考慮する。

  2. 2.2. 過量投与時、連続心電図モニターを行い、本剤による調律異常が疑われた場合には投与を中止する。

  3. 2.3. 過量投与時、気道を確保し、換気と灌流を維持し、バイタルサイン、血液ガス、カリウムと本剤濃度をモニターする。

  4. 2.4. 過量投与時、活性炭の投与で薬物の吸収を減らすことができる。

  5. 2.5. 過量投与時、徐脈や心ブロックにはアトロピンやペースメーカーを用いる。

  6. 2.6. 過量投与時の強制利尿、腹膜透析、活性炭による血液吸着の有効性は確立されていない。

(適用上の注意)

    1. 薬剤投与時の注意
  1. 1.1. 〈筋肉内注射時〉やむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。筋肉内注射時同一部位への反復注射は行わないこと。特に小児等には注意すること。

  2. 1.2. 〈筋肉内注射時〉筋肉内注射時神経走行部位を避けること。

  3. 1.3. 〈筋肉内注射時〉注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き部位をかえて注射すること。

  4. 1.4. 〈筋肉内注射時〉注射部位に疼痛、硬結をみることがある。

(保管上の注意)

室温保存。