処方薬
マクジェン硝子体内注射用キット0.3mg
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マクジェン硝子体内注射用キット0.3mgの添付文書

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効果・効能

中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症。

用法・用量

ペガプタニブナトリウム0.3mg(ペガプタニブのオリゴヌクレオチドとして)を6週ごとに1回、硝子体内投与する。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

  1. 本剤投与12週間後(2回投与後)及びその後の適切な時期に、定期的に視力等に基づき有効性を評価し、本剤の投与継続の可否について考慮し、有効性が認められない場合には漫然と投与しない。

  2. 臨床試験においては、両眼治療は行われていない。両眼に治療対象となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与する(なお、初回治療における両眼同日治療は避け、片眼での安全性を十分に評価した上で対眼の治療を行う)。

副作用

国内で実施された二重盲検試験(試験期間1年間)において、0.3mgを投与した調査対象例数47例中15例(32%)に副作用が認められた。その主なものは角膜浮腫3例(6%)、前房の炎症2例(4%)、飛蚊症2例(4%)、硝子体混濁2例(4%)であった。また、47例中41例(87%)に投与手技に起因する有害事象が認められた。その主なものは結膜出血37例(79%)、点状角膜炎14例(30%)、表層角膜炎11例(23%)であった。

二重盲検試験に引き続き国内で実施された非盲検試験(2年目の中間解析)において、0.3mgを投与した調査対象例数61例中11例(18%)に副作用が認められた。その主なものは網膜出血3例(5%)、前房の炎症2例(3%)であった。また、61例中33例(54%)に投与手技に起因する有害事象が認められた。その主なものは結膜出血14例(23%)、表層角膜炎11例(18%)、結膜充血10例(16%)であった。

海外で実施されたsham[sham投与(コントロール群の一種)では、硝子体内投与の代わりに針のないシリンジを局所麻酔下で眼球に押し付けた]対照二重盲検試験の1年目において、0.3mgを投与した調査対象例数295例中79例(27%)に副作用が認められた。その主なものは硝子体混濁15例(5%)、視力低下14例(5%)、硝子体浮遊物13例(4%)であった。また、295例中248例(84%)に投与手技に起因する有害事象が認められた。その主なものは眼痛94例(32%)、点状角膜炎83例(28%)、硝子体浮遊物65例(22%)であった。

海外で実施された前記の試験の2年目において、0.3mgを投与した調査対象例数128例中16例(13%)に副作用が認められた。その主なものは硝子体混濁3例(2%)、硝子体浮遊物3例(2%)、白内障2例(2%)、眼圧上昇2例(2%)であった。また、128例中77例(60%)に投与手技に起因する有害事象が認められた。その主なものは点状角膜炎32例(25%)、眼痛27例(21%)、硝子体浮遊物25例(20%)であった(承認時までの調査の集計)。

  1. 重大な副作用

    1. 眼障害:眼内炎(1.0%)、眼圧上昇(19.8%)、外傷性白内障(0.3%)、硝子体出血(1.3%)、網膜剥離(0.4%)、網膜裂孔(0.3%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、症状が現れた場合には、投与を中止し適切な処置を行う。
    2. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー様症状(頻度不明):ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、蕁麻疹、そう痒、息切れ、血圧低下等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、症状が現れた場合には適切な処置を行う。
  2. その他の副作用(投与手技に起因する有害事象を含む)

      1. 前眼部:(1.0%~)点状角膜炎、結膜出血、前房炎症、白内障、角膜浮腫、結膜充血、流涙増加、角膜糜爛、結膜浮腫、角膜上皮障害、表層角膜炎、眼充血、結膜炎、(0.1%~1.0%以下)散瞳、角膜炎、アレルギー性結膜炎、角膜沈着物、前房出血、角膜ジストロフィー、角膜擦過傷、角膜症、乾性角結膜炎、(0.1%以下)虹彩炎、ぶどう膜炎、角膜障害、瞳孔障害、瞳孔変形、注射部位小水疱、虹彩障害、瞳孔反射障害。
      2. 後眼部:(1.0%~)硝子体浮遊物、硝子体混濁、硝子体障害、硝子体剥離、網膜出血、飛蚊症、黄斑変性、(0.1%~1.0%以下)網膜瘢痕、網膜滲出物、黄斑浮腫、硝子体炎、網膜動脈閉塞、網膜色素脱失、(0.1%以下)視神経乳頭陥凹、硝子体脱出、網膜静脈閉塞。
      3. その他:(1.0%~)眼脂、眼痛、視覚障害、眼刺激、眼異物感、羞明、視力低下、眼そう痒症、眼異常感、霧視、光視症、眼瞼浮腫、眼乾燥、(0.1%~1.0%以下)眼部腫脹、眼瞼下垂、眼瞼炎、眼血管障害、眼瞼そう痒症、眼炎症、眼緊張低下、眼沈着物、眼瞼紅斑、眼瞼刺激、眼出血、眼瞼出血、眼部液ドレナージ、眼窩周囲血腫、眼圧低下、視野欠損、眼精疲労、(0.1%以下)眼運動障害、黄疸眼、眼瞼外反、注射部位反応。
    1. 皮膚:(0.1%~1.0%以下)接触性皮膚炎、発疹、(0.1%以下)湿疹、寝汗、皮膚そう痒症、毛髪変色。
    2. 感覚器(眼を除く):(0.1%以下)メニエル病、回転性眩暈、感音性難聴。
    3. 循環器:(1.0%~)高血圧、(0.1%以下)大動脈瘤、動悸。
    4. 消化器:(0.1%~1.0%以下)悪心、(0.1%以下)嘔吐、胃不快感。
    5. 精神神経系:(1.0%~)頭痛、(0.1%~1.0%以下)不安、(0.1%以下)うつ病、悪夢。
    6. その他:(0.1%~1.0%以下)鼻漏、疲労、薬物過敏症、顔面浮腫、発熱、(0.1%以下)γ-GTP増加、鼻咽頭炎、インフルエンザ様疾患、悪寒、圧痛、背部痛、胸痛、擦過傷。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

  2. 眼に感染又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現する恐れがある]。

(慎重投与)

緑内障、高眼圧症の患者[本剤投与により眼圧が上昇することがある]。

(重要な基本的注意)

  1. 網膜疾患に関する専門知識を有し、硝子体内注射の投与手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を投与する。

  2. 硝子体内注射に際し使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行う。

  3. 硝子体内注射の際には、次記の点に注意しながら行うとともに、投与手技に起因する有害事象として結膜出血、眼痛、点状角膜炎及び硝子体浮遊物等の有害事象が多く報告されているので注意する。

    1. 硝子体内注射は、無菌条件下で行う(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用する)。
    2. 本剤投与前に、十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を行う(広域抗菌点眼剤は本剤投与3日前から投与後2日まで投与する)。
    3. 患者に対し、眼内炎を示唆する症状(眼痛、眼脂等)が現れた場合には直ちに連絡するよう指導する。
    4. 過量投与を防ぐため、投与前にプランジャーストッパー最後部のヒダを標線に合わせ、投与量を確認する。
  4. 硝子体内注射により眼圧を一過性に上昇させる恐れがあるので、本剤投与後、視神経乳頭血流の確認と眼圧上昇の管理を適切に行う。

  5. 本剤の硝子体内注射後、一時的に霧視が現れることがあるため、その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意する。

(相互作用)

本剤のヒトにおける薬物相互作用に関する試験は行われていない。本剤は、ヌクレアーゼで代謝され、in vitroにおいてチトクロムP450に対する阻害作用は認められなかった。ベルテポルフィンによる光線力学療法併用時において、本剤の薬物動態は影響を受けなかった。

(高齢者への投与)

高齢者では、加齢に伴う腎機能の低下に起因すると考えられるAUC増加傾向が認められている。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(マウス)で、本剤を静脈内投与した場合、胎盤を通過することが報告されている]。

  2. 授乳婦:授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせる[ヒト母乳中への移行は不明である]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

(適用上の注意)

  1. 投与経路:本剤は硝子体内にのみ投与する。

  2. 投与前

    1. 冷所から本剤(袋に入った状態)を取り出した後は、10時間以内に使用する(室温に放置した時間が10時間を超えない限り、再度冷蔵保存することができるが、必要最小限に留める)。
    2. 本剤は、注射前に室温に戻す。
    3. 薬液に不溶物や混濁が認められる場合、注射筒に破損が認められる場合、又は本剤がプラスチック製のホルダーから外れている場合には使用しない。
  3. 投与時

    1. 30ゲージの眼科用針を使用する。
    2. アルミ袋内は滅菌しているため、使用時まで開封しない。
  4. 使用方法

    1. 投与時は、本剤をプラスチック製ホルダーから取り外し、注射筒の先端のキャップを外し、眼科用針を取り付ける(添付文書の図1)。
    2. 注射針の先端側を上に向け、気泡の有無を確認し、気泡が認められた場合には、注射筒を指で軽くたたいて気泡を注射筒上端まで上昇させた(添付文書の図2)後、プランジャーロッドをゆっくり押し上げ、気泡を排出する。
    3. プランジャーストッパーは引き戻さない。また、プランジャーストッパーの最後部のヒダ(プランジャーロッドに最も近い部分のヒダ)が、注射筒に印字されている標線を超えないように注意する。定められた投与量が注入できるよう、投与直前にプランジャーストッパーの最後部のヒダを標線に合わせた(添付文書の図3)後、全量を投与する。
    4. 開封後の使用は1回限りである。

(保管上の注意)

凍結を避け2~8℃に保存する。