ブスコパン注20mgの添付文書
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効果・効能
1. **次記疾患における痙攣並びに運動機能亢進**:胃潰瘍・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう炎・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胃切除後の後遺症・胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、膀胱炎、器具挿入による尿道痙攣・膀胱痙攣における痙攣並びに運動機能亢進、月経困難症、分娩時の子宮下部痙攣における痙攣並びに運動機能亢進。
1. 消化管X線検査及び消化管内視鏡検査の前処置。
用法・用量
通常成人には、1回1/2~1管(ブチルスコポラミン臭化物として10~20mg)を静脈内又は皮下、筋肉内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):悪心・嘔吐、悪寒、皮膚蒼白、血圧低下、呼吸困難、気管支攣縮、浮腫、血管浮腫等があらわれることがある〔8.1、8.2参照〕。
- その他の副作用
- 眼:(0.1~5%未満)眼調節障害、(頻度不明)散瞳、閉塞隅角緑内障。
- 消化器:(5%以上)口渇、(0.1~5%未満)悪心・嘔吐。
- 泌尿器:(0.1~5%未満)排尿障害。
- 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、頭重感、眠気、めまい。
- 循環器:(0.1~5%未満)心悸亢進。
- 過敏症:(0.1%未満)発疹、(頻度不明)蕁麻疹、紅斑、そう痒症。
- その他:(0.1~5%未満)顔面紅潮。
使用上の注意
(禁忌)
- 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある]。
- 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
- 前立腺肥大による排尿障害のある患者[更に尿を出にくくすることがある]。
- 重篤な心疾患のある患者[心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある]。
- 麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある]。
- 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
- まれにショックを起こすことがあるので、本剤の使用に際しては、救急処置の準備を行うこと〔11.1.1参照〕。
- 投与に際し、ショック発現を完全に防止する方法はないが、出来る限り回避するために次の事項に注意すること〔11.1.1参照〕。
・ 患者の体調について、十分に問診を行うこと。
・ 注射後は、患者の状態を観察し、異常があれば直ちに救急処置を行うこと。
- 眼の調節障害、眠気、めまい等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
1.1. 細菌性下痢患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(治療期間の延長をきたすおそれがある)。
1.2. 前立腺肥大(排尿障害を除く)のある患者:尿を出にくくすることがある。
1.3. うっ血性心不全のある患者:心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。
1.4. 不整脈のある患者:心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。
1.5. 潰瘍性大腸炎の患者:中毒性巨大結腸を起こすおそれがある。
1.6. 甲状腺機能亢進症の患者:心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。
1.7. 高温環境にある患者:汗腺分泌を抑制し、体温調節を障害するおそれがある。
1.8. 開放隅角緑内障の患者:抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
慎重に投与すること(前立腺肥大を伴っている場合が多い)。
(相互作用)
- 2. 併用注意:
- 抗コリン作用を有する薬剤(三環系抗うつ剤、フェノチアジン系薬剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、抗ヒスタミン剤等)[抗コリン作用(口渇・眼の調節障害・心悸亢進等)が増強することがある(併用により本剤の作用が増強されることがある)]。
- ドパミン拮抗剤(メトクロプラミド等)[相互に消化管における作用を減弱するおそれがある(本剤は消化管運動を抑制するため、ドパミン拮抗剤の消化管運動亢進作用と拮抗する)]。
(過量投与)
- 症状
過量投与時、口渇、眼調節障害、せん妄、心悸亢進、血圧上昇等を引き起こす可能性がある。
- 処置
過量投与時、必要に応じ、副交感神経興奮薬の投与を行うこと。
(適用上の注意)
- 薬剤投与時の注意
1.1. 〈静脈内投与〉静脈内注射にあたっては患者の状態を観察しながらゆっくり注射すること。
1.2. 〈皮下・筋肉内投与〉動物実験で局所充血、局所出血、局所変性等の局所障害が認められるので皮下、筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、次記の点に留意すること。
・ 〈皮下・筋肉内投与〉皮下・筋肉内投与時神経走行部位を避けるよう注意して注射すること。
・ 〈皮下・筋肉内投与〉皮下・筋肉内投与時、繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えて行うこと。
なお、乳幼小児には皮下・筋肉内投与を連用しないことが望ましい。
・ 〈皮下・筋肉内投与〉注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
(保管上の注意)
室温保存。