キシロカイン0.5%筋注用溶解液の添付文書
添付文書PDFファイル
※添付文書のPDFファイルは随時更新しておりますが、常に最新であるとは限りません。予めご了承ください。
効果・効能
抗生物質製剤筋注時の疼痛緩和。
用法・用量
抗生物質製剤を筋注する場合の疼痛緩和のための溶解液として用いる。リドカイン塩酸塩として、10~15mgを使用する。静注には使用しない。
副作用
使用成績調査等の頻度が明確となる調査を実施していないため、副作用発現頻度については不明である。
重大な副作用
- ショック:徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、適切な処置を行う。
- 振戦、痙攣:振戦、痙攣等の中毒症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)の投与等の適切な処置を行う。
- 悪性高熱:まれに原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋強直、血液暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱が現れることがあるので、本剤を投与中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素による過換気、酸塩基平衡の是正等、適切な処置を行う(また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図る)。
その他の副作用(頻度不明)
- 中枢神経:眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等[このような症状が現れた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う]。
- 消化器:悪心・嘔吐等[このような症状が現れた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う]。
- 過敏症:蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等。
使用上の注意
(禁忌)
本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておく。
本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意する。
- 患者の全身状態の観察を十分に行う。
- できるだけ必要最少量にとどめる。
- 注射の速度はできるだけ遅くする。
- 注射針が、血管に入っていないことを確かめる。
- 血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与する。
(相互作用)
本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。
併用注意:クラス3抗不整脈剤(アミオダロン等)[心機能抑制作用が増強する恐れがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行う(作用が増強することが考えられる)]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
(適用上の注意)
アンプルカット時:ガラス微小片の混入を避けるため、エタノール綿等で清拭することが望ましい。
(その他の注意)
ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発する恐れがある。
(取扱い上の注意)
本剤は金属を侵す性質があるので、長時間金属器具(カニューレ、注射針等)に接触させないことが望ましい(なお、金属器具を使用した場合は、使用後十分に水洗する)。
本剤は防腐剤を含んでいないため、使用残液は廃棄する。