0.5%塩酸プロカイン注射液「トーワ」の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
浸潤麻酔。
用法・用量
浸潤麻酔:(基準最高用量:1回1000mg)プロカイン塩酸塩として、1回1000mgの範囲内で使用する。但し、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減する。必要に応じアドレナリン(濃度1:10万~20万)を添加して使用する。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用(頻度不明):次記の重大な副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には必要に応じ適切な処置を行う。
- ショック(初期症状:血圧低下、顔面蒼白、脈拍異常、呼吸抑制等)。
- 振戦、痙攣等の中毒症状(処置方法:ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)の投与等)。
その他の副作用:次記の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ適切な処置を行う。
- 中枢神経系:(頻度不明)眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、悪心・嘔吐[ショックあるいは中毒への移行に注意する]。
- 血液:(頻度不明)メトヘモグロビン血症。
- 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹、浮腫等。
使用上の注意
(禁忌)
メトヘモグロビン血症の患者[症状が悪化する恐れがある]。
本剤の成分又は安息香酸エステル(コカインを除く)系局所麻酔薬に対し、過敏症の既往歴のある患者。
次の患者に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない:
- 血管収縮薬に対し過敏症の既往歴のある患者に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない。
- 高血圧、動脈硬化のある患者に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[急激に血圧が上昇し、脳出血が起こる恐れがある]。
- 心不全のある患者に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[血管収縮、心臓刺激の結果、症状が悪化する恐れがある]。
- 甲状腺機能亢進のある患者に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[血管収縮薬に対して反応しやすく、心悸亢進、胸痛等が起こる恐れがある]。
- 糖尿病の患者に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[血糖値が上昇する恐れがある]。
- 血管痙攣のある患者に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[阻血状態を来し、局所壊死が起こる恐れがある]。
- 耳、指趾又は陰茎の麻酔に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[阻血状態を来し、局所壊死が起こる恐れがある]。
(慎重投与)
血管収縮薬(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加して投与する場合:
ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔薬投与中の患者に血管収縮薬(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加して投与する場合には慎重に投与する[血管収縮薬に対する心筋の感受性が高まり、不整脈が起こる恐れがある]。
三環系抗うつ薬又はモノアミン酸化酵素阻害薬投与中の患者に血管収縮薬(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加して投与する場合には慎重に投与する[カテコールアミンの交感神経内への取り込み又は分解を阻害するので、血管収縮薬の作用が増強され、不整脈、高血圧等が起こる恐れがある]。
(重要な基本的注意)
まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、局所麻酔薬の投与に際しては、常時、直ちに救急処置のとれる準備が望ましい。
本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次記の点に留意する。
- 患者の全身状態の観察を十分に行う。
- できるだけうすい濃度のものを用いる。
- できるだけ必要最少量にとどめる。
- 必要に応じて血管収縮薬の併用を考える。
- 血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が早いので、できるだけ少ない量で使用する。
- 注射針が血管に入っていないことを確かめる。
- 注射の速度はできるだけ遅くする。
(高齢者への投与)
高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい、また血管収縮薬(アドレナリン、ノルアドレナリン)の作用に対する感受性が高いことがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
妊娠末期の女性には慎重に投与する[麻酔範囲が広がり、仰臥性低血圧を起こすことがある]。
(適用上の注意)
開封使用後は細菌汚染、異種蛋白汚染の恐れがあるので再使用しない。
アンプルカット時:本剤はワンポイントカットアンプルであるが、異物の混入を避けるため、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
(取扱い上の注意)
注意:本剤はワンポイントカットアンプルを使用しているので、アンプル頭部の●マークを上にして反対方向に折りとる。