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エダラボン点滴静注バッグ30mg「NS」
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エダラボン点滴静注バッグ30mg「NS」の添付文書

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効果・効能

脳梗塞急性期に伴う神経症候、日常生活動作障害、機能障害の改善。

用法・用量

通常、成人に1回1袋(エダラボンとして30mg)を、30分かけて1日朝夕2回の点滴静注を行う。

発症後24時間以内に投与を開始し、投与期間は14日以内とする。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 急性腎障害(0.26%)、ネフローゼ症候群(0.02%):腎機能低下所見や乏尿等の症状が認められた場合には、直ちに投与を中止し、腎機能不全の治療に十分な知識と経験を有する医師との連携のもとで適切な処置を行うこと〔8.3.1、9.1.1-9.1.4、9.2.2参照〕。

  2. 1.2. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.24%)、黄疸(頻度不明):劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいALP上昇、著しいγ-GTP上昇、著しいLDH上昇、著しいビリルビン上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.3.1参照〕。

  3. 1.3. 血小板減少(0.08%)、顆粒球減少(頻度不明)〔8.3.1参照〕。

  4. 1.4. 播種性血管内凝固症候群(DIC)(0.08%):播種性血管内凝固症候群を疑う血液所見や症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3.1参照〕。

  5. 1.5. 急性肺障害(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う急性肺障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。

  6. 1.6. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3.1参照〕。

  7. 1.7. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがある。

    1. その他の副作用
    1. 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、腫脹、紅斑(多形滲出性紅斑等)、(頻度不明)発赤、膨疹、そう痒感。
    2. 血液:(0.1~5%未満)赤血球減少、白血球増多、白血球減少、ヘマトクリット値減少、ヘモグロビン減少、血小板増加、血小板減少。
    3. 注射部位:(0.1~5%未満)注射部発疹、注射部発赤腫脹。
    4. 肝臓:(5%以上)ALT上昇、(0.1~5%未満)総ビリルビン値上昇、AST上昇、LDH上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン尿、(頻度不明)ウロビリノーゲン陽性。
    5. 腎臓:(0.1~5%未満)BUN上昇、血清尿酸上昇、血清尿酸低下、蛋白尿、血尿、(頻度不明)多尿、クレアチニン上昇。
    6. 消化器:(0.1~5%未満)嘔気、(頻度不明)嘔吐。
    7. その他:(0.1~5%未満)発熱、血清コレステロール上昇、血清コレステロール低下、トリグリセライド上昇、血清総蛋白減少、CK上昇、CK低下、血清カリウム低下、尿中ブドウ糖陽性、熱感、血圧上昇、血清カルシウム低下、(頻度不明)血清カリウム上昇、頭痛。

      発現頻度は、製造販売後調査の結果を含む。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。
    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(重要な基本的注意)

    1. 本剤の投与は、本剤に関する十分な知識及び脳梗塞の治療経験を持つ医師との連携のもとで行うこと。
    1. 投与に際しては、患者又はそれに代わり得る適切な者に対して、本剤の副作用等について十分な説明を行うこと。
    1. 急性腎障害増悪又は腎機能障害増悪、重篤な肝障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれ、致命的経過をたどることがある(これらの症例では、腎機能障害、肝機能障害、血液障害等を同時に発現する重篤な症例が報告されている)。
  1. 3.1. 検査値の急激な悪化は、投与開始初期に発現することが多いので、投与前又は投与開始後速やかにBUN、クレアチニン、AST、ALT、LDH、CK、赤血球、血小板等の腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を実施すること(本剤投与中も、腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を頻回に実施し、投与後も継続して十分な観察を行うこと)〔9.1.1-9.1.3、9.2.1、9.2.2、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1-11.1.4、11.1.6、16.6.1、16.6.2参照〕。

  2. 3.2. 投与中に感染症等の合併症を発症し、抗生物質を併用した場合には、投与継続の可否を慎重に検討し、投与を継続する場合は特に頻回に検査を実施すること(また、投与終了後も頻回の検査を実施して観察を十分に行うこと)〔9.1.2、10.2参照〕。

    1. 症状に応じてより短期間で投与を終了することも考慮すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 脱水のある患者:投与に際し全身管理を徹底すること(急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。BUN/クレアチニン比が高いなど脱水状態が認められた患者では致命的経過をたどる例が多く報告されている)〔8.3.1、11.1.1参照〕。

  2. 1.2. 感染症のある患者:投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること(致命的経過をたどる例が多く報告されており、全身状態の悪化により急性腎障害や腎機能障害悪化を来すことがある)〔8.3.1、8.3.2、11.1.1参照〕。

  3. 1.3. 心疾患のある患者:心疾患が悪化するおそれがある(また、腎機能障害があらわれるおそれがある)〔8.3.1、11.1.1参照〕。

  4. 1.4. 高度意識障害(Japan Coma Scale100以上:刺激しても覚醒しない)のある患者:投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること(致命的経過をたどる例が多く報告されている)〔11.1.1参照〕。

(腎機能障害患者)

  1. 2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(腎機能障害が悪化するおそれがある)〔2.1、8.3.1参照〕。

  2. 2.2. 腎機能障害(重篤な腎機能障害を除く)のある患者:投与に際し全身管理を徹底すること(急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。特に投与前のBUN/クレアチニン比が高い患者では致命的経過をたどる例が多く報告されている)〔8.3.1、11.1.1、16.6.1参照〕。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:肝機能障害が悪化するおそれがある〔8.3.1、16.6.2参照〕。

(妊婦)

投与しないことが望ましい。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)において本剤の乳汁移行が認められている)。

(小児等)

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

(高齢者)

副作用があらわれた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと(一般に高齢者では生理機能が低下しており、致命的経過をたどる例が多く報告されている)。

(相互作用)

    1. 併用注意

    抗生物質(セファゾリンナトリウム、セフォチアム塩酸塩、ピペラシリンナトリウム等)〔8.3.2参照〕[腎機能障害が増悪するおそれがあるので、併用する場合には頻回に腎機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと(機序は不明であるが、本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎排泄型の抗生物質との併用により、腎臓への負担が増強する可能性が考えられる)]。

(適用上の注意)

    1. 全般的な注意

    針は、ゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくり刺すこと(斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある)、また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。

    1. 薬剤調製時の注意
  1. 2.1. 抗痙攣薬の注射液(ジアゼパム注射液、フェニトインナトリウム注射液等)と混合しないこと(白濁することがある)。

  2. 2.2. カンレノ酸カリウムと混合しないこと(白濁することがある)。

    1. 薬剤投与時の注意
  3. 3.1. 高カロリー輸液、アミノ酸製剤との混合又は同一経路からの点滴はしないこと(混合すると、その後エダラボンの濃度低下を来すことがある)。

  4. 3.2. 容器の目盛りは目安として使用すること。

  5. 3.3. 通気針は不要である。

  6. 3.4. 残液は使用しないこと。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    本剤投与中あるいは投与後に、脳塞栓再発又は脳内出血が認められたとの報告がある。

    1. 非臨床試験に基づく情報

    24時間持続静注によるイヌ28日間投与毒性試験において、60mg/kg/日以上の用量で、イヌ39週間反復経口投与毒性試験において、100mg/kg/日以上の用量で、四肢動作の限定、歩行異常等の症状及び病理組織検査における末梢神経線維変性及び脊髄神経線維変性(背索神経線維変性)が観察されたとの報告がある。

(取扱い上の注意)

    1. 製品の安定性を保持するため脱酸素剤を封入しているので、外袋は使用直前まで開封しないこと。また、開封後は速やかに使用すること。
    1. 次の場合には使用しないこと。

    ・ 外袋が破損しているときや内容液が漏出しているときには使用しないこと。

    ・ インジケーター(ピンクの錠剤)が青紫~青色に変色しているときには使用しないこと。

    ・ 内容液に混濁、析出物など異常が認められたときには使用しないこと。

    ・ ゴム栓部のシールがはがれているときには使用しないこと。

    1. インジケーター(ピンクの錠剤)を正常に働かせるため直射日光にさらさないこと。

(保管上の注意)

室温保存。