テルロン錠0.5の添付文書
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効果・効能
高プロラクチン血性排卵障害。
高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)。
乳汁漏出症。
産褥性乳汁分泌抑制。
用法・用量
1回テルグリドとして0.5mgを1日2回食後に経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
副作用
承認時及び使用成績調査での調査症例3,746例中、517例(13.80%)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心・嘔気353件(9.42%)、嘔吐92件(2.46%)、便秘87件(2.32%)、ふらつき46件(1.23%)、眠気43件(1.15%)、頭痛36件(0.96%)、倦怠感31件(0.83%)等であった(再審査終了時)。
重大な副作用(類薬)
- ショック:急激な血圧低下によるショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、昇圧等の適切な処置を行う。
- 胸膜又は肺の線維性変化:咳嗽・呼吸困難を伴う胸膜線維性変化又は肺線維性変化が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する。
- 幻覚・妄想、譫妄:幻覚・妄想、譫妄が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には減量又は休薬等の適切な処置を行う。
- 胃・十二指腸潰瘍悪化:胃潰瘍悪化・十二指腸潰瘍悪化がみられることがあるので、悪化がみられた場合には投与を中止する。
その他の副作用:次記の副作用が現れることがあるので、このような場合には適切な処置を行う。
- 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)そう痒[投与を中止する]。
- 消化器:(5%以上)悪心、(0.1~5%未満)嘔吐、食欲不振、胃痛・腹痛、胃部不快感、腹部膨満感、便秘、(0.1%未満)下痢、胸やけ。
- 肝臓:(0.1%未満)肝機能異常[AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等]。
- 循環器:(0.1~5%未満)眩暈、ふらつき、動悸、浮腫、(頻度不明)胸部不快感。
- 精神神経系:(0.1~5%未満)眠気、不眠、鼻閉、頭痛、頭重感、(0.1%未満)しびれ。
- その他:(0.1~5%未満)倦怠感、寒気、ほてり、(0.1%未満)発熱、(頻度不明)脱毛、貧血。
使用上の注意
(禁忌)
麦角製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
妊娠高血圧症候群の患者[産褥期に痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧が発現するリスクが高い]。
産褥期高血圧の患者。
(慎重投与)
下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し視力障害著明等の高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者[類薬において、腫瘍縮小に伴う髄液鼻漏や視野障害再発及び下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し視力障害著明等の高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者で長期投与による腺腫の線維化が報告されている]。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
肝障害又はその既往歴のある患者[代謝が遅延し、副作用がおこる恐れがある]。
消化性潰瘍又はその既往歴のある患者[胃・十二指腸潰瘍を悪化する恐れがある]。
レイノー病の患者[レイノー症状を悪化する恐れがある]。
精神病又はその既往歴のある患者[精神症状を悪化する恐れがある]。
重篤な心血管障害又はその既往歴のある患者[心臓発作、脳血管障害等が現れる恐れがある]。
腎疾患又はその既往歴のある患者[排泄が遅延し、副作用がおこる恐れがある]。
(重要な基本的注意)
血圧下降がみられることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
乳汁漏出症や高プロラクチン血性排卵障害では、投与開始前に、トルコ鞍の検査を行う。
産褥性乳汁分泌抑制に対して投与する際には、場合により氷罨法等の補助的方法を併用する。
産褥性乳汁分泌抑制に対して投与する際には、分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、投与し、また、投与中(特に投与初日)は観察を十分に行う、血圧上昇、頭痛、中枢神経症状等が現れた場合には、直ちに投与を中止する。
本剤を長期連用する場合には、プロラクチン分泌が抑制され、婦人科的異常が起こる可能性があるので、定期的に一般的な婦人科検査を実施する。
妊娠を望まない患者には避妊の方法を指導する。
妊娠希望の患者に本剤投与中は、妊娠を早期に発見するため定期的に妊娠反応等の検査を実施する。
高プロラクチン血性排卵障害で本剤の投与中に妊娠が確認された場合は、直ちに投与を中止する。なお、下垂体腺腫のある患者では妊娠中に下垂体腺腫の拡大が起こることがあるので、本剤中止後も観察を十分に行い、腺腫の拡大を示す症状(頭痛、視野狭窄等)に注意する。
(相互作用)
併用注意:
降圧作用を有する薬剤[血圧低下がみられることがある(類薬は血管運動中枢や交感神経伝達を抑制するので、降圧剤と併用すると相加的作用が現れる)]。
アルコール[相互に作用を増強し胃腸系の副作用やアルコール不耐性を起こす恐れがある(機序は不明であるが、飲酒によりドパミン感受性が増大する恐れがある)]。
マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、ジョサマイシン等)[類薬の血中濃度が上昇することが報告されている(マクロライド系抗生物質は肝の薬物代謝酵素を抑制し、本剤の肝代謝を阻害する恐れがある)]。
フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン等)、ブチロフェノン系薬剤(ハロペリドール、スピペロン等)[相互に作用を減弱することがある(フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤はドパミン受容体遮断作用を有し、本剤の作用と拮抗する)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では、生理機能が低下しているので、低用量から投与を開始し、経過を十分に観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦:妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
授乳婦:
- 乳汁分泌を抑制するので、授乳を望む母親には本剤を投与しない。
- 授乳中の女性に投与することは避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止する[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない[使用経験が少ない]。
(適用上の注意)
男性患者における使用経験は少ない。
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(その他の注意)
高プロラクチン血性下垂体腺腫の診断・治療については、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考にする。
動物実験(ラット)で、長期大量投与により、子宮腫瘍を起こした例があるとの報告がある。
ラットに経口投与した生殖・発生毒性試験の結果、本剤の薬理作用による着床阻害(妊娠初期着床前投与)、F1出生仔発育抑制(周産期・授乳期投与)が認められたが、催奇形性、F2(生存)胎仔への影響は認められなかった。ウサギの器官形成期に経口投与した場合も、催奇形性は認められなかった。
外国において、類薬を投与中に痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧、後腹膜線維症が現れたとの報告がある。
(取扱い上の注意)
小児の手の届かない所に保管するよう指導する。
(保管上の注意)
遮光して防湿。