処方薬
ペレックス配合顆粒

ペレックス配合顆粒の添付文書

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効果・効能

感冒もしくは上気道炎に伴う次記症状の改善及び緩和:鼻汁、鼻閉、咽頭痛・喉頭痛、咳、痰、頭痛、関節痛、筋肉痛、発熱。

用法・用量

通常、成人1回1gを1日3~4回経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。

  2. 1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)。

  3. 1.3. 再生不良性貧血、無顆粒球症(いずれも頻度不明)。

  4. 1.4. 喘息発作の誘発(頻度不明)〔2.3、9.1.2参照〕。

  5. 1.5. 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  6. 1.6. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):劇症肝炎、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔1.1、2.6、9.1.3、9.1.4、9.3.1、9.3.2参照〕。

  7. 1.7. 間質性腎炎、急性腎障害(いずれも頻度不明)〔9.2腎機能障害患者の項参照〕。

  8. 1.8. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。

  9. 1.9. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。

    1. その他の副作用
    1. 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(頻度不明)浮腫、鼻炎様症状、結膜炎。
    2. 血液:(頻度不明)血小板減少、貧血、チアノーゼ。
    3. 消化器:(0.1~5%未満)食欲不振、胃部不快感、悪心・嘔吐、下痢、便秘、(頻度不明)胸やけ、胃痛、口渇、消化管出血。
    4. 精神神経系:(0.1~5%未満)眠気、(頻度不明)耳鳴、難聴、めまい、頭痛、興奮、神経過敏、焦躁感、複視。
    5. 肝臓:(頻度不明)肝障害。
    6. 腎臓:(頻度不明)腎障害。
    7. 泌尿器:(頻度不明)多尿、排尿困難。
    8. その他:(0.1~5%未満)心悸亢進、(頻度不明)*過呼吸、*代謝性アシドーシス[*:血中濃度が著しく上昇していることが考えられるので、減量又は投与を中止すること]。

      発現頻度は小児用製剤(本剤の1/6量)の情報を含む。

使用上の注意

(警告)

    1. 本剤中のアセトアミノフェンにより重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること〔2.6、9.3.1、11.1.6参照〕。
    1. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること〔13.1.1、13.1.2、13.2参照〕。

(禁忌)

    1. 本剤の成分又はサリチル酸系製剤(アスピリン等)に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. 消化性潰瘍の患者[消化性潰瘍が悪化するおそれがある]。
    1. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発するおそれがある]〔9.1.2、11.1.4参照〕。
    1. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
    1. 前立腺肥大等、下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により排尿障害が悪化するおそれがある]。
    1. 重篤な肝障害のある患者〔1.1、9.3.1、11.1.6参照〕。

(重要な基本的注意)

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 出血傾向のある患者:血小板機能異常があらわれ、出血傾向が悪化するおそれがある〔10.2参照〕。

  2. 1.2. 気管支喘息(アスピリン喘息又はその既往歴を除く)(気管支喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等の喘息発作の誘発又は既往歴を除く))の患者:喘息発作を誘発するおそれがある〔2.3、11.1.4参照〕。

  3. 1.3. アルコール多量常飲者:肝障害があらわれやすくなる〔10.2、11.1.6参照〕。

  4. 1.4. 絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者:肝障害があらわれやすくなる〔11.1.6参照〕。

  5. 1.5. 開放隅角緑内障の患者:抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者:腎障害が悪化するおそれがある〔11.1.7参照〕。

(肝機能障害患者)

  1. 3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(本剤中のアセトアミノフェンにより肝障害が悪化するおそれがある)〔1.1、2.6、11.1.6参照〕。

  2. 3.2. 肝障害(重篤な肝障害を除く)のある患者:アセトアミノフェンの代謝が遅延し、肝障害が悪化するおそれがある〔11.1.6参照〕。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。サリチル酸系製剤(アスピリン等)の動物実験(ラット)で催奇形作用が、また、ヒトで妊娠後期に投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。妊娠後期の女性へのアセトアミノフェンの投与により胎児動脈管収縮を起こすことがある。アセトアミノフェンを妊娠後期のラットに投与した実験で、弱い胎仔動脈管収縮が報告されている。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。長期連用を避けること(カフェインは母乳中に容易に移行する)。

(小児等)

  1. 7.1. 15歳未満の水痘、15歳未満のインフルエンザ患者:投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること(サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告がある)。(ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST・ALT・LDH・CKの急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である)。

(高齢者)

減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。

(相互作用)

    1. 併用注意
    1. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)〔9.1.1参照〕[クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(サリチル酸系製剤(アスピリン等)は血小板凝集抑制作用、消化管刺激による出血作用を有する、また、血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝血剤と置換し、これらの薬剤を遊離させる)]。
    2. 糖尿病用剤(インスリン製剤、トルブタミド)[糖尿病用剤の作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(サリチル酸系製剤(アスピリン等)は血漿蛋白に結合した糖尿病用剤と置換し、これらの薬剤を遊離させる)]。
    3. 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)[相互に中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(クロルフェニラミンマレイン酸塩は中枢神経抑制作用を有する)]。
    4. アルコール

      ①. アルコール〔9.1.3参照〕[相互に中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(クロルフェニラミンマレイン酸塩は中枢神経抑制作用を有する)]。

      ②. アルコール〔9.1.3参照〕[アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある(アルコールによりアセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される)]。

    5. MAO阻害剤[相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(クロルフェニラミンマレイン酸塩の抗コリン作用が増強されると考えられている)]。

(過量投与)

    1. 症状
  1. 1.1. アセトアミノフェンの過量投与により、肝臓壊死・腎臓壊死・心筋壊死(初期症状:悪心、嘔吐、発汗、全身倦怠感等)が起こったとの報告がある〔1.2参照〕。

  2. 1.2. 総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤には、アセトアミノフェンを含むものがあり、本剤とアセトアミノフェン又はその配合剤との偶発的な併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがある〔1.2参照〕。

    1. 処置

    アセトアミノフェン過量投与時の解毒(肝障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること〔1.2参照〕。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報
  1. 1.1. 腎盂腫瘍及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、アセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5~27kg、服用期間4~30年)していた人が多いとの報告がある。

  2. 1.2. アセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常を起こすことがあるので、長期投与を避けること。

  3. 1.3. 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。

    1. 非臨床試験に基づく情報
  4. 2.1. アセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験(マウス、ラット)で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。

(保管上の注意)

室温保存。