処方薬
アマンタジン塩酸塩錠100mg「ZE」
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アマンタジン塩酸塩錠100mg「ZE」の添付文書

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効果・効能

  1. パーキンソン症候群。

  2. 脳梗塞後遺症に伴う意欲低下・自発性低下の改善。

  3. A型インフルエンザウイルス感染症。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

「A型インフルエンザウイルス感染症」に本剤を用いる場合:

  1. 本剤は、A型インフルエンザウイルス感染症に用いる場合、医師が特に必要と判断した場合にのみ投与する。例えば、次の場合に投与を考慮することが望ましい:A型インフルエンザウイルス感染症に罹患した場合に、症状も重く死亡率が高いと考えられる者(高齢者、免疫不全状態の患者等)及びそのような患者に接する医療従事者等。

  2. 本剤をA型インフルエンザウイルス感染症治療に用いる場合は、抗ウイルス薬の投与が全てのA型インフルエンザウイルス感染症の治療に必須ではないことを踏まえ、本剤の使用の必要性を慎重に検討する。

  3. 本剤をA型インフルエンザウイルス感染症予防に用いる場合は、ワクチンによる予防を補完するものであることを考慮し、次記の場合にのみ用いる。

    1. ワクチンの入手が困難な場合。
    2. ワクチン接種が禁忌の場合。
    3. ワクチン接種後抗体を獲得するまでの期間。
  4. 本剤はA型以外のインフルエンザウイルス感染症には効果がない。

用法・用量

  1. パーキンソン症候群の場合:アマンタジン塩酸塩として初期量1日100mgを1~2回に分割経口投与し、1週間後に維持量として1日200mgを2回に分割経口投与する。なお、症状、年齢に応じて適宜増減できるが、1日300mg3回分割経口投与までとする。

  2. 脳梗塞後遺症の場合:アマンタジン塩酸塩として1日100~150mgを2~3回に分割経口投与する。なお、症状、年齢に応じて適宜増減する。

  3. A型インフルエンザウイルス感染症の場合:アマンタジン塩酸塩として1日100mgを1~2回に分割経口投与する。なお、症状、年齢に応じて適宜増減する。但し、高齢者及び腎障害のある患者では投与量の上限を1日100mgとする。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

  1. 本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるため、腎機能低下している患者では、血漿中濃度が高くなり、意識障害、精神症状、痙攣、ミオクロヌス等の副作用が発現することがあるので、腎機能の程度に応じて投与間隔を延長するなど、慎重に投与する[(参考)クレアチニンクリアランスと投与間隔の目安;クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73㎡))75:投与間隔12時間(100mg/回)、クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73㎡)35~75:投与間隔1日(100mg/回)、クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73㎡)25~35:投与間隔2日(100mg/回)、クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73㎡)15~25:投与間隔3日(100mg/回)(前記は外国人における試験に基づく目安であり、本剤の国内で承認されている用法及び用量とは異なる)]。

  2. 「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善」に本剤を投与する場合、投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止する。

  3. 「A型インフルエンザウイルス感染症」に本剤を投与する場合

    1. A型インフルエンザウイルス感染症発症後に用いる場合:発症後は可能な限り速やかに投与を開始する(発症後48時間以降に開始しても十分な効果が得られないとされている)、また、耐性ウイルスの発現を防ぐため、必要最小限の期間(最長でも1週間)の投与にとどめる。
    2. A型インフルエンザウイルス感染症でワクチンの入手が困難な場合又はワクチン接種が禁忌の場合:地域又は施設において流行の徴候が現れたと判断された後、速やかに投与を開始し、流行の終息後は速やかに投与を中止する。
    3. A型インフルエンザウイルス感染症でワクチン接種後抗体を獲得するまでの期間に投与する場合:抗体獲得までの期間は通常10日以上とされるが、抗体獲得後は速やかに投与を中止する。
    4. 小児に対する用法及び用量は確立していないので、A型インフルエンザウイルス感染症の小児に投与する場合は医師の判断において患者の状態を十分に観察した上で、用法及び用量を決定する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. 悪性症候群(Syndrome malin):急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度筋硬直、不随意運動、ショック症状等が現れることがあるので、このような場合には再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行う(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがあり、なお、投与継続中にも同様の症状が現れることがある)。
    2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    3. 視力低下を伴うびまん性表在性角膜炎、角膜浮腫様症状:このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    4. 心不全:このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    5. 肝機能障害:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇等の肝機能障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
    6. 腎障害:腎障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う(なお、腎機能低下している患者では、本剤の排泄遅延が起こりやすい)。
    7. 意識障害(昏睡を含む)、精神症状(幻覚、妄想、譫妄、錯乱等)、痙攣、ミオクロヌス、異常行動:意識障害(昏睡を含む)、精神症状(幻覚、妄想、譫妄、錯乱等)、痙攣、ミオクロヌスがみられることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う(特に腎機能低下している患者において現れやすいので注意する)、因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至る恐れのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)が現れることがある。
    8. 横紋筋融解症:横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意する。
  2. その他の副作用(頻度不明)

    1. 精神神経系:睡眠障害、眠気、不安、気分高揚、激越、失調、興奮、眩暈、頭痛・頭重、神経過敏、集中力障害、不随意運動(振戦、ジスキネジー等)、欲動亢進、言語障害、歩行障害悪化、抑うつ、失見当識、躁状態、悪夢。
    2. :視調節障害(霧視等)。
    3. 消化器:便秘、下痢、食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛。
    4. 自律神経系:口渇、立ちくらみ(起立性低血圧)、排尿障害。
    5. 循環器:血圧低下、動悸。
    6. 過敏症:多形滲出性紅斑、発疹。
    7. 皮膚:光線過敏症。
    8. 肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇。
    9. 腎臓:BUN上昇、クレアチニン上昇。
    10. その他:低体温、尿失禁、脱力感・倦怠感、発汗、網状皮斑、下肢浮腫、胸痛、白血球減少。

使用上の注意

(警告)

  1. 「A型インフルエンザウイルス感染症」に本剤を用いる場合

    1. 本剤は、A型インフルエンザウイルス感染症に用いる場合、医師が特に必要と判断した場合にのみ投与する。
    2. 本剤をA型インフルエンザウイルス感染症治療に用いる場合は、本剤の必要性を慎重に検討する。
    3. 本剤をA型インフルエンザウイルス感染症予防に用いる場合は、ワクチンによる予防を補完するものであることを考慮する。
    4. 本剤はA型以外のインフルエンザウイルス感染症には効果がない。
    5. インフルエンザの予防や治療に短期投与中の患者で自殺企図の報告があるので、精神障害のある患者又は中枢神経系に作用する薬剤投与中の患者では治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与する。
  2. てんかん又はその既往歴のある患者及び痙攣素因のある患者では、発作を誘発又は悪化させることがあるので、患者を注意深く観察し、異常が認められた場合には減量する等の適切な措置を講じる。

  3. 本剤には、催奇形性が疑われる症例報告があり、また、動物実験による催奇形性の報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない。

(禁忌)

  1. 透析を必要とするような重篤な腎障害のある患者[本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるので、蓄積により、意識障害、精神症状、痙攣、ミオクロヌス等の副作用が発現することがあり、また、本剤は血液透析によって少量しか除去されない]。

  2. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦。

  3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)

  1. 心血管疾患(うっ血性心疾患等)又は末梢性浮腫のある患者[副作用として下肢浮腫が発現することがあり、心血管疾患や浮腫を悪化させる恐れがある]。

  2. 腎障害のある患者[本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるので、蓄積による副作用を避けるため用量の調節に十分注意する]。

  3. 肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告されているため、肝機能検査値に注意する]。

  4. 低血圧を呈する患者[眩暈・立ちくらみ等が現れやすい]。

  5. 精神疾患のある患者[幻覚、妄想、錯乱、悪夢等の精神症状が増悪する恐れがある]。

  6. 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化する恐れがある]。

  7. 高齢者。

(重要な基本的注意)

  1. 「A型インフルエンザウイルス感染症」に本剤を用いる場合:抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されているので、異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、A型インフルエンザウイルス感染症の場合、①異常行動の発現の恐れがあること、②自宅療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じることについて患者・家族に対し説明を行う(なお、転落等の事故に至る恐れのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている)。

  2. 「パーキンソン症候群又は脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善」に本剤を用いる場合:本剤の投与を急に中止した場合、パーキンソン症状の悪化、悪性症候群、カタトニー(緊張病)、錯乱、失見当識、精神状態悪化、譫妄が現れることがあるので、本剤の投与を中止する場合には、徐々に減量する。

  3. 本剤増量により特に中枢神経系副作用(睡眠障害、幻覚等)の発現頻度が高くなる傾向があるので注意する。

  4. 眩暈、ふらつき、立ちくらみ、霧視等が現れることがあるので、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意する。

(相互作用)

併用注意:

  1. 抗パーキンソン剤(レボドパ、抗コリン剤、プラミペキソール、タリペキソール、ドロキシドパ)、中枢興奮剤(メタンフェタミン等)、食欲抑制剤(マジンドール)[幻覚・睡眠障害等の副作用が増強されることがあるので用量に注意する(いずれも中枢神経系刺激作用を有するため)]。

  2. 抗パーキンソン剤(プラミペキソール)[ジスキネジー・幻覚等の副作用が増強することがある(併用により双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある)]。

  3. チアジド系利尿剤、カリウム保持性利尿剤[本剤の作用が増強され、錯乱、幻覚、失調、ミオクロヌス等の副作用が現れたとの報告があるので用量に注意する(本剤の腎排泄が低下し血中濃度の上昇を起こすため)]。

  4. NMDA受容体拮抗剤(メマンチン等)[相互に作用を増強させる恐れがある(両薬剤ともNMDA受容体拮抗作用を有するため)]。

(高齢者への投与)

高齢者では副作用(特に興奮、見当識障害、幻覚、妄想、錯乱等の精神症状)が現れやすいので、低用量から開始し、用量並びに投与間隔に留意するとともに患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

  1. 高齢者では排泄遅延が起こりやすく高い血中濃度が持続する恐れがある[本剤は主として腎から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため]。

  2. 低体重の高齢者では過量になりやすい[低体重の高齢者では本剤の体重あたり投与量が多くなる傾向がある]。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[催奇形性が疑われる症例報告があり、また動物実験(ラット・50mg/kg)による催奇形の報告がある]。

  2. 授乳中の婦人には投与しない[ヒト母乳中へ移行する]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内における使用経験が少ない)。

(過量投与)

  1. 過量投与時の徴候、症状:神経筋障害(反射亢進、運動不穏、痙攣、ジストニー姿勢、捻転痙攣等の錐体外路症状、瞳孔散大、嚥下障害、ミオクロヌス等)と急性精神病徴候(錯乱、見当識障害、幻視、譫妄、攻撃性、意識レベル低下、昏睡等)が急性中毒の顕著な特徴である(そのほか肺浮腫、呼吸窮迫、洞性頻脈、不整脈、高血圧、悪心、嘔吐、尿閉等がみられることがある)、また、心停止及び心突然死が報告されている。

  2. 過量投与時の処置:特異的な解毒薬は知られていない、また、本剤は血液透析によって少量しか除去されないが、必要に応じて次のような処置が行われる:1)催吐、胃内容物の吸引、胃洗浄、活性炭及び必要に応じ塩類下剤の投与、2)強制利尿及び尿の酸性化、3)過量投与による痙攣、過度の運動不穏に対しては抗痙攣剤投与(ジアゼパム静注等)、4)過量投与による尿閉にはカテーテル挿入、5)過量投与時には血圧、心拍数、心電図、呼吸、体温をモニターし、必要に応じて低血圧、不整脈等に対する処置を行う。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

  1. パーキンソン症候群の患者では、抑うつ症状を認める場合があり、自殺企図の危険が伴うため注意する。また、自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向の認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめることが望ましい。

  2. A型インフルエンザウイルス感染症に投与した場合、投与数日で本剤に対する薬剤耐性ウイルスが現れることが報告されているので、投与期間は可能な限り短期間とする。

(取扱い上の注意)

安定性試験:加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。