処方薬
ジカベリン注2mL
後発

ジカベリン注2mLの添付文書

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効果・効能

症候性神経痛、筋肉痛、腰痛症、肩関節周囲炎。

用法・用量

血管内を避けて局所に注射する。

(イ). 顔面頸骨各部:0.5~1.0mL。

(ロ). 肩甲部:1.0~2.0mL。

(ハ). 胸・腰各部:1.0~2.5mL。

(ニ). その他局所:0.5~1.0mL。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあり、また心停止に至ることがあるので、脈拍異常、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害、喘鳴、眼瞼浮腫、発赤、蕁麻疹等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.1、8.2、8.3、9.1.1参照〕。

  2. 1.2. 悪性高熱(頻度不明):原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋強直、血液暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱がまれにあらわれることが報告されているので、本剤を使用中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素での過換気、酸塩基平衡の是正等、適切な処置を行うこと(また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること)。

    1. その他の副作用
    1. 中枢神経系:(頻度不明)振戦、痙攣等の中毒症状[このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)投与等の適切な処置を行うこと]、*眠気、*不安、*興奮、*霧視、*めまい、*悪心、*嘔吐、*頭痛、*気分不良[*:ショックあるいは中毒への移行に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと]。
    2. 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹、湿疹、全身のかゆみ、全身発赤等の皮膚症状、全身性発熱、浮腫。
    3. その他:(頻度不明)一過性麻痺、注射部位の疼痛、腫脹、発赤、熱感。

使用上の注意

(警告)

本剤を脊椎麻酔に使用しないこと。

(禁忌)

    1. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者〔9.1.1参照〕。
    1. 〈硬膜外ブロック〉大量出血やショック状態の患者[過度の血圧低下が起こることがある]。
    1. 〈硬膜外ブロック〉注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある]。
    1. 〈硬膜外ブロック〉敗血症の患者[敗血症性髄膜炎を生じるおそれがある]。

(重要な基本的注意)

    1. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、常時、直ちに救急処置のとれる準備が望ましい〔11.1.1参照〕。
    1. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために次の諸点に留意すること〔11.1.1参照〕。
  1. 2.1. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉患者の全身状態の観察を十分に行うこと。

  2. 2.2. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉できるだけ必要最少量にとどめること。

  3. 2.3. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉注射針が血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめるため、一度吸引し、血液や脊髄液の逆流がないことを必ず確かめてから注射すること。

  4. 2.4. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉注射の速度はできるだけ遅くすること。

    1. 〈硬膜外ブロック〉ショックあるいは中毒症状がみられた際に、迅速な処置が行えるように、原則として事前の静脈の確保が望ましい〔11.1.1参照〕。
    1. 〈浸潤ブロック・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が早いのでできるだけ少ない量で使用すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を持つ患者:ショックや発疹等のアレルギー反応を起こすおそれがある〔2.1、11.1.1参照〕。

  2. 1.2. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉潰瘍性大腸炎の患者、クローン病の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。

  3. 1.3. 〈硬膜外ブロック〉中枢神経系疾患:髄膜炎、灰白脊髄炎等の患者:硬膜外ブロックにより症状が悪化するおそれがある。

  4. 1.4. 〈硬膜外ブロック〉血液疾患や抗凝血剤治療中の患者:出血しやすいので、血腫形成や脊髄障害を起こすことがある。

  5. 1.5. 〈硬膜外ブロック〉重篤な高血圧症の患者:硬膜外ブロックにより低血圧が起こりやすい。

  6. 1.6. 〈硬膜外ブロック〉脊柱の著明な変形のある患者:脊髄損傷や神経根損傷のおそれがある。

(妊婦)

  1. 5.1. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉妊娠又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。アスピリン等のサリチル酸製剤には、動物実験で催奇形作用が報告されているものがある。妊娠末期のラットに投与した実験で、軽度の胎仔動脈管収縮が報告されている。

  2. 5.2. 〈硬膜外ブロック〉妊娠後期の女性では、ブロック範囲が広がり、仰臥性低血圧を起こすことがある。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

(小児等)

  1. 7.1. 15歳未満の水痘、15歳未満のインフルエンザ患者:投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること(サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告がある)。[ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST・ALT・LDH・CKの急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である]。

  2. 7.2. 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

(高齢者)

  1. 8.1. 〈硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。

  2. 8.2. 〈硬膜外ブロック〉用量に留意して慎重に投与すること(一般にブロック範囲が広がりやすい)。

(過量投与)

    1. 症状
  1. 1.1. 中枢神経系症状:過量投与時、初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる(症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがあり、より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある)。

  2. 1.2. 心血管系症状:過量投与時、血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。

    1. 処置

    過量投与時、必要に応じて人工呼吸を行う。過量投与時、振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。過量投与時、心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。過量投与時、心停止を来した場合には直ちに心マッサージを開始する。

(適用上の注意)

    1. 薬剤投与後の注意
  1. 1.1. 〈浸潤ブロック・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)〉筋肉内注射により局所の硬結、発赤、腫脹、熱感などがみられることがある。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は、光により分解着色するので、遮光して保存すること。また、着色の認められるものは使用しないこと。

(保管上の注意)

室温保存。