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効果・効能

1.  **次記疾患ならびに症状の鎮痛・消炎**:関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、歯髄炎、歯根膜炎。
1.  抜歯の鎮痛・消炎ならびに歯科領域における小手術後の鎮痛・消炎。

用法・用量

通常成人1回0.5g、1日3回食後経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。頓用の場合には、1回0.5g~1gを経口投与する。

(用法及び用量に関連する注意)

他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 1.2. 急性腎障害、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):急性腎障害、ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔2.4、8.5、9.2.1、9.2.2参照〕。

  3. 1.3. 胃腸出血(頻度不明)〔10.2参照〕。

  4. 1.4. 再生不良性貧血(頻度不明)〔2.2、9.1.3参照〕。

  5. 1.5. 喘息発作(頻度不明):喘鳴、呼吸困難感等の初期症状が発現した場合は投与を中止すること〔2.8、9.1.7参照〕。

  6. 1.6. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)。

  7. 1.7. 痙攣(頻度不明):意識障害、意識喪失等を伴う痙攣があらわれるおそれがある〔10.1、10.2参照〕。

    1. その他の副作用
    1. 過敏症:(1%未満)発疹、そう痒感。
    2. 消化器:(1%以上)嘔気・嘔吐、胃部不快感、食欲不振、胃痛、(1%未満)下痢、便秘、口渇、腹痛、胃部膨満感・腹部膨満感、(頻度不明)口内炎。
    3. 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇。
    4. 精神神経系:(1%未満)頭痛、眠気、めまい、ふらつき感、倦怠感。
    5. 循環器:(1%未満)動悸。
    6. 血液:(頻度不明)血小板減少、血小板機能低下(出血時間延長)。
    7. :(1%未満)耳鳴り。
    8. その他:(1%未満)浮腫。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による胃粘膜防御能の低下により、消化性潰瘍を悪化させることがある]〔9.1.1参照〕。
    1. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.3、11.1.4参照〕。
    1. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
    1. 重篤な腎障害のある患者〔9.2.1、11.1.2参照〕。
    1. 重篤な心機能不全のある患者[心機能不全を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.5参照〕。
    1. 重篤な高血圧症のある患者〔9.1.6参照〕。
    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発させることがある]〔9.1.7、11.1.5参照〕。
    1. エノキサシン水和物投与中、ロメフロキサシン投与中、ノルフロキサシン投与中、プルリフロキサシン投与中の患者〔9.1.8、10.1参照〕。
    1. 妊娠後期の女性〔9.5.1参照〕。

(重要な基本的注意)

    1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
    1. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。

    ・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を長期投与する場合には定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと。

    ・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。

    1. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。

    ・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、急性炎症、疼痛の程度を考慮し投与すること。

    ・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。

    ・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行うこと。

    1. 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う小児及び高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
    1. 急性腎障害、ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)〔2.1参照〕。

  2. 1.2. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させることがある。

  3. 1.3. 血液異常(重篤な血液異常を除く)又はその既往歴のある患者:血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある〔2.2、11.1.4参照〕。

  4. 1.4. 出血傾向のある患者:血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長するおそれがある。

  5. 1.5. 心機能異常(重篤な心機能不全を除く)のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能異常を悪化させるおそれがある〔2.5参照〕。

  6. 1.6. 高血圧症(重篤な高血圧症を除く)のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を上昇させるおそれがある〔2.6参照〕。

  7. 1.7. 気管支喘息(アスピリン喘息又はその既往歴を除く)のある患者:アスピリン喘息でないことを十分に確認すること(気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では喘息発作を誘発させることがある)〔2.8、11.1.5参照〕。

  8. 1.8. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)〔2.9、10.1、10.2参照〕。

  9. 1.9. 潰瘍性大腸炎の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。

  10. 1.10. クローン病の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。

(腎機能障害患者)

  1. 2.1. 重篤な腎障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.4、11.1.2参照〕。

  2. 2.2. 腎障害(重篤な腎障害を除く)又はその既往歴のある患者あるいは腎血流量低下している患者:腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させるおそれがある〔11.1.2参照〕。

(肝機能障害患者)

  1. 3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(副作用として肝機能異常があらわれることがあるので、肝障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.3参照〕。

  2. 3.2. 肝障害(重篤な肝障害を除く)又はその既往歴のある患者:肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。

(妊婦)

  1. 5.1. 妊娠後期の女性:投与しないこと(妊娠後期のラットに投与した実験で、分娩遅延及び胎仔動脈管収縮が認められている)〔2.10参照〕。

  2. 5.2. 妊婦(妊娠後期を除く)又は妊娠している可能性のある女性:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。周産期・授乳期投与試験では、ラット(経口投与)の2.5mg/kg以上の投与群で、少数例に母体死亡、母体衰弱、哺育不良が認められている〔9.6授乳婦の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中へ移行することが報告されている)〔9.5.2参照〕。

(小児等)

  1. 7.1. 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  2. 7.2. 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。

(高齢者)

高齢者:副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

(相互作用)

本剤は、主として肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。

    1. 併用禁忌
    1. エノキサシン水和物、ロメフロキサシン(バレオン)、ノルフロキサシン(バクシダール)〔2.9、9.1.8、10.2、11.1.7参照〕[類似化合物(フルルビプロフェン アキセチル)で併用により痙攣があらわれたとの報告がある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
    2. プルリフロキサシン(スオード)〔2.9、9.1.8、10.2、11.1.7参照〕[痙攣があらわれるおそれがある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
    1. 併用注意
    1. **ニューキノロン系抗菌剤(ENX・LFLX・NFLX・PUFXは併用禁忌)(オフロキサシン等)〔9.1.8、10.1、11.1.7参照〕痙攣があらわれるおそれがあるので、併用は避けることが望ましい(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)
    2. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するとの報告があるので、用量を調節するなど注意すること(ワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる)]。
    3. メトトレキサート[メトトレキサートの作用が増強され中毒症状(貧血・血小板減少等)があらわれたとの報告があるので、用量を調節するなど注意すること(プロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
    4. リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒を呈するおそれがあるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与すること(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
    5. チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド等)、ループ利尿薬(フロセミド)[これら利尿薬の作用を減弱するとの報告がある(プロスタグランジン合成阻害作用により、水・塩類の体内貯留が生じるためと考えられる)]。
    6. 副腎皮質ホルモン剤(メチルプレドニゾロン等)〔11.1.3参照〕[相互に消化器系の副作用(消化性潰瘍・消化管出血等)が増強されるおそれがある(両薬剤の消化器系の副作用が併用により増強されると考えられる)]。
    7. CYP2C9阻害作用を有する薬剤(フルコナゾール等)[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(代謝酵素(CYP2C9)の競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる)]。

(適用上の注意)

    1. 薬剤投与時の注意

    食道に停留し崩壊すると、食道潰瘍を起こすおそれがあるので、多めの水で服用させ、特に就寝直前の服用等には注意すること。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。

(保管上の注意)

室温保存。