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イスキア配合錠A330
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効果・効能

感冒の解熱、関節リウマチ、リウマチ熱、歯痛、頭痛、月経痛、症候性神経痛。

用法・用量

  1. 感冒の解熱、頭痛、月経痛及び歯痛には1回2錠を1日2回経口投与する。

  2. 関節リウマチ、リウマチ熱及び症候性神経痛には1回2~4錠を1日2~3回経口投与する。

    なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. ショック、アナフィラキシー:ショックやアナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    2. 出血
      1. 脳出血等の頭蓋内出血:脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
      2. 肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等:肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、剥脱性皮膚炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    4. 再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少:再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    5. 喘息発作の誘発:喘息発作を誘発することがある。
    6. 肝機能障害、黄疸:著しいAST上昇(著しいGOT上昇)、著しいALT上昇(著しいGPT上昇)、著しいγ-GTP上昇等を伴う肝機能障害や黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
    7. 消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍:下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍が現れることがあり、また、消化管出血、腸管穿孔を伴う小腸潰瘍・大腸潰瘍が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用(頻度不明)

    1. 消化器:胃腸障害、嘔吐、腹痛、胸やけ、便秘、下痢、食道炎、口唇腫脹、吐血、吐き気、悪心、食欲不振、胃部不快感。
    2. 過敏症:蕁麻疹、発疹、浮腫。
    3. 皮膚:皮膚そう痒、皮疹、膨疹、発汗。
    4. 精神神経系:眩暈、興奮、頭痛。
    5. 肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)。
    6. 腎臓:腎障害。
    7. 循環器:血圧低下、血管炎、心窩部痛。
    8. 呼吸器:過呼吸、気管支炎、鼻出血、鼻炎。
    9. 感覚器:角結膜炎、耳鳴、難聴。
    10. 血液:貧血、血小板機能低下(出血時間延長)。
    11. その他:代謝性アシドーシス、倦怠感。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 本剤及び本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

  2. 消化性潰瘍のある患者[胃出血の発現又は消化性潰瘍が悪化する恐れがある]。

  3. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常を更に悪化させ、重篤な副作用が発現する恐れがある]。

  4. 重篤な肝障害のある患者[血中濃度が上昇し、重篤な副作用が発現する恐れがある]。

  5. 重篤な腎障害のある患者[血中濃度が上昇し、重篤な副作用が発現する恐れがある]。

  6. 重篤な心機能不全のある患者[血中濃度が上昇し、重篤な副作用が発現する恐れがある]。

  7. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発する恐れがある]。

  8. 出産予定日12週以内の妊婦。

(慎重投与)

  1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍が再発する恐れがある]。

  2. 血液異常又はその既往歴のある患者[副作用が強く現れることがある]。

  3. 出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがある]。

  4. 肝障害又はその既往歴のある患者[副作用が強く現れることがある]。

  5. 腎障害又はその既往歴のある患者[副作用が強く現れることがある]。

  6. 心機能異常のある患者[副作用が強く現れることがある]。

  7. 過敏症の既往歴のある患者。

  8. 気管支喘息のある患者[喘息発作が誘発される恐れがある]。

  9. 高齢者。

  10. 妊婦(出産予定日12週以内の妊婦は禁忌)又は妊娠している可能性のある女性。

  11. 小児。

  12. 手術前1週間以内、心臓カテーテル検査前1週間以内又は抜歯前1週間以内の患者[失血量を増加させる恐れがある]。

  13. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与する)。

  14. アルコール飲料常用者[胃出血の危険性が増加することがある]。

(重要な基本的注意)

  1. サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、15歳未満のインフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する[ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である]。

  2. 解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意する。

  3. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮する。

    1. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行い、また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずる。
    2. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮する。
  4. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮する。

    1. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、疼痛、発熱の程度を考慮し投与する。
    2. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避ける。
    3. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行う。
  5. 患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意する。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が現れることがあるので、特に高熱を伴う小児及び高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意する。

  6. 感染症を不顕性化する恐れがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与する。

  7. 他の消炎鎮痛剤との併用は避けさせることが望ましい。

  8. 高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与する。

  9. 手術前1週間以内にアスピリンを投与した例で失血量が有意に増加したとの報告があるので、術前の投与は慎重に行う。

(相互作用)

併用注意:

  1. 尿酸排泄促進剤(プロベネシド、ベンズブロマロン)[尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱させる(本剤が尿酸排泄促進剤の尿酸排泄に拮抗する)]。

  2. 糖尿病用剤(インスリン製剤及びトルブタミド等)[血糖降下作用を増強することがあるので注意し、必要があれば減量する(サリチル酸自身が血糖降下作用を持つ、また、血漿蛋白と結合したスルホニル尿素系血糖降下剤(トルブタミド等)と置換し、遊離のスルホニル尿素系血糖降下剤が増加すると考えられている)]。

  3. 抗凝固剤

    1. クマリン系抗凝固剤(ワルファリンカリウム)[クマリン系抗凝固剤の作用を増強し出血時間の延長・消化管出血等を起こすことがあるので、クマリン系抗凝固剤を減量するなど、慎重に投与する(本剤は血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝固剤と置換し、遊離させ、また、本剤は血小板凝集抑制作用、消化管刺激による出血作用を有する)]。
    2. 血液凝固阻止剤(ヘパリン製剤、ダナパロイドナトリウム、第10a因子阻害剤(リバーロキサバン等)、抗トロンビン剤(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等)、トロンボモデュリン アルファ等)[これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大する恐れがあるので、観察を十分に行い、注意する(本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強される恐れがある)]。
  4. 血小板凝集抑制作用を有する薬剤(チクロピジン塩酸塩、シロスタゾール、クロピドグレル硫酸塩、トロンボキサン合成酵素阻害剤(オザグレルナトリウム)、プロスタグランジンE1製剤、プロスタグランジンE1誘導体製剤及びプロスタグランジンI2誘導体製剤(ベラプロストナトリウム等)、サルポグレラート塩酸塩、イコサペント酸エチル等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA製剤等)[これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大する恐れがあるので、観察を十分に行い、注意する(本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強される恐れがある)]。

  5. メトトレキサート[メトトレキサートの副作用(骨髄抑制・肝・腎・消化管障害等)が増強されることがある(本剤は血漿蛋白に結合したメトトレキサートと置換し、遊離させ、また、本剤はメトトレキサートの腎排泄を阻害すると考えられている)]。

  6. リチウム製剤[血中リチウム濃度を上昇させリチウム中毒を起こす恐れがある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制作用により、リチウムの腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる)]。

  7. チアジド系利尿剤[利尿・降圧作用を減弱する恐れがある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制作用により、水・ナトリウムの排泄を減少させるためと考えられている)]。

  8. 非ステロイド性消炎鎮痛剤

    1. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等)[非ステロイド性消炎鎮痛剤の血中濃度が低下し作用を減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤の吸収阻害あるいは血漿蛋白結合部位での遊離置換が考えられている)]。
    2. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等)[出血を増加し腎機能低下をもたらすことがある(機序は不明である)]。
  9. ニトログリセリン[ニトログリセリンの作用を減弱する恐れがある(本剤は血管内皮細胞から産生され血管拡張作用を有するプロスタグランジンI2等の生合成を阻害し、ニトログリセリンの血管拡張作用を減弱させる可能性が考えられる)]。

  10. プロベネシド[プロベネシドの尿酸排泄作用を抑制する(血漿蛋白結合部位での置換あるいは尿細管能動輸送への関与が考えられる)]。

  11. テトラサイクリン系抗生物質(経口)、ニューキノロン系抗菌剤(経口)[テトラサイクリン系抗生物質又はニューキノロン系抗菌剤の作用を減弱させ抗菌力が低下する(本剤中の制酸緩衝剤が消化管内でテトラサイクリン系抗生物質又はニューキノロン系抗菌剤と難溶性のキレートを作り、これらの医薬品の消化管からの吸収を阻害し、血中濃度が低下するためと考えられている)]。

  12. 副腎皮質ホルモン剤(ベタメタゾン、コルチゾン酢酸エステル、メチルプレドニゾロン等)[本剤とこれらの薬剤の併用時、これらの薬剤を減量する際、本剤の血中濃度が増加しサリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意する(副腎皮質ホルモン剤は、サリチル酸の腎排泄と肝代謝を著しく増加し、サリチル酸濃度を治療域以下にするといわれており、副腎皮質ホルモン剤との併用時には、サリチル酸の投与量を増量することがあるので、副腎皮質ホルモン剤を減量又は中止する時には注意する)]。

  13. フロセミド、アゾセミド、ピレタニド[本剤の副作用が増強することがある(腎の排泄部位において本剤と競合する)]。

  14. 乳酸ナトリウム[本剤の尿中排泄を増加することがある(乳酸ナトリウムのアルカリ化作用により、本剤の尿中排泄が促進するためと考えられる)]。

  15. オキシカム系消炎鎮痛剤(ピロキシカム等)[両剤又は一方の薬剤の副作用の発現頻度を増加させる恐れがある(機序は不明である)]。

  16. バルプロ酸ナトリウム[バルプロ酸ナトリウムの作用を増強し振戦等を起こすことがある(アスピリンは血漿蛋白に結合したバルプロ酸ナトリウムと置換し、遊離させる)]。

  17. フェニトイン[総フェニトイン濃度を低下させるが非結合型フェニトイン濃度を低下させないとの報告があるので、総フェニトイン濃度に基づいて増量する際には臨床症状等を慎重に観察する(本剤は血漿蛋白に結合したフェニトインと置換し、遊離させる)]。

  18. アセタゾラミド[アセタゾラミドの副作用を増強し嗜眠・錯乱等の中枢神経系症状・代謝性アシドーシス等を起こすことが報告されている(アスピリンは血漿蛋白に結合したアセタゾラミドと置換し、遊離させる)]。

  19. アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)[ACE阻害剤の降圧作用が減弱することがある(本剤はACE阻害剤のプロスタグランジン生合成作用に拮抗する)]。

  20. β-遮断剤[β-遮断剤の降圧作用が減弱することがある(本剤がプロスタグランジン生合成を抑制し、β-遮断剤の降圧作用に拮抗する)]。

  21. ドネペジル塩酸塩[消化性潰瘍を起こすことがある(コリン系が賦活され胃酸分泌が促進される)]。

  22. タクロリムス水和物、シクロスポリン[腎障害が発現することがある(腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる)]。

  23. ザフィルルカスト[ザフィルルカストの血漿中濃度が上昇することがある(機序不明)]。

  24. プロスタグランジンD2受容体拮抗剤、トロンボキサンA2受容体拮抗剤(セラトロダスト、ラマトロバン)[ヒト血漿蛋白結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、本剤によりこれら薬剤の非結合型分率が上昇することがある(これら薬剤が本剤と血漿蛋白結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられる)]。

  25. 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(フルボキサミンマレイン酸塩、塩酸セルトラリン等)[皮膚の異常出血(斑状出血・紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されている(SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血傾向が増強すると考えられる)]。

  26. アルコール(経口)[消化管出血が増強される恐れがある(アルコールによる胃粘膜障害と本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、相加的に消化管出血が増強すると考えられる)]。

(高齢者への投与)

高齢者では腎機能、肝機能などの生理機能が低下しているため、副作用が現れやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 出産予定日12週以内の妊婦には投与しない[妊娠期間延長、動脈管早期閉鎖、子宮収縮抑制、分娩時出血増加につながる恐れがある。海外での大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否定的であるが、長期連用した場合は、母体の貧血、産前産後出血、分娩時間延長、難産、死産、新生児の体重減少・死亡などの危険が高くなる恐れを否定できないとの報告がある。また、ヒトで妊娠末期に投与された患者及びその新生児に出血異常が現れたとの報告があり、更に、妊娠末期のラットに投与した実験で、弱い胎仔動脈管収縮が報告されている]。

  2. 妊婦(出産予定日12週以内の妊婦は除く)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、また、投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与する。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。[動物実験(ラット)で催奇形性作用が現れたとの報告があり、妊娠期間延長、過期産につながる恐れがある]。

  3. 授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせる[母乳中へ移行することが報告されている]。

(小児等への投与)

  1. 小児等では、副作用が現れやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

  2. 15歳未満の水痘、15歳未満のインフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する。

(過量投与)

  1. 過量投与時の症状:悪心、嘔吐、口渇、下痢、頭痛、眩暈、耳鳴り、難聴、興奮、痙攣、過呼吸、昏睡などの症状を示し、酸塩基平衡異常と電解質異常が生じることがあり、発熱と脱水を併発し、過呼吸のとき呼吸性アルカローシスを生じ、すぐに代謝性アシドーシスが生じる((機序)肝臓のサリチル酸代謝能に限界があるため、サリチル酸の血中濃度が高くなるとクリアランスが減少し、半減期が増加する)。

  2. 過量投与時の処置:催吐、胃洗浄を行い、その上で活性炭や下剤を投与することも有用で、ブドウ糖輸液などにより体液と電解質のバランスの維持を図る。過量投与時の小児の高熱には、スポンジ浴を行う。過量投与時、炭酸水素ナトリウムの静脈注射などによりアシドーシスを補正すると共に尿のアルカリ化を図る(重篤な場合、血液透析、腹膜灌流などを考慮する)。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

  1. in vitroの試験において、アスピリン等のグルクロン酸抱合により代謝される薬剤が抗ウイルス剤(ジドブジン)のグルクロン酸抱合を阻害したとの報告がある。

  2. 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。

(取扱い上の注意)

  1. 安定性試験結果:最終包装製品を用いた長期保存試験(1~30℃、2年)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、イスキア配合錠A330は通常の市場流通下において2年間安定であることが確認された。

  2. 本剤は吸湿により分解されるので、PTPシートで包装された状態のままで患者に交付する。