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ホストイン静注750mg
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効果・効能

  1. てんかん重積状態。

  2. 脳外科手術時又は意識障害時(頭部外傷時等)のてんかん発作の発現抑制。

  3. フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法に用いる場合には、フェニトインの経口投与により発作がコントロールされているてんかん患者で、一時的にフェニトインの経口投与が不可能となった場合にのみ投与する。

用法・用量

成人又は2歳以上の小児には、次の用法・用量にて投与する。

  1. てんかん重積状態

    1. 初回投与:ホスフェニトインナトリウムとして22.5mg/kgを静脈内投与する。投与速度は3mg/kg/分又は150mg/分のいずれか低い方を超えない。
    2. 維持投与:ホスフェニトインナトリウムとして5~7.5mg/kg/日を1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えない。
  2. 脳外科手術又は意識障害(頭部外傷等)時のてんかん発作の発現抑制

    1. 初回投与:ホスフェニトインナトリウムとして15~18mg/kgを静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えない。
    2. 維持投与:ホスフェニトインナトリウムとして5~7.5mg/kg/日を1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えない。
  3. フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法:ホスフェニトインナトリウムとして経口フェニトインの1日投与量の1.5倍量を、1日1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えない。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

  1. 急速に静脈内投与した場合、心停止、一過性血圧低下、呼吸抑制等の循環障害・呼吸障害を起こすことがあるので、用法・用量を遵守する(また、衰弱の著しい患者、高齢者、心疾患、肝障害又は腎障害のある患者等では、通常の投与速度よりも、より緩徐に投与するなど注意する)。

  2. 維持投与は、初回投与から12~24時間あけて行う。また、本剤を投与しても発作が止まらない場合、他の抗てんかん薬の投与を考慮し、本剤の追加投与はしない[血漿蛋白との結合部位においてホスフェニトインとフェニトインの置換が生じることにより、血中非結合型フェニトイン濃度が上昇する恐れがある]。

  3. 初回投与、維持投与前には、可能な限り血中フェニトイン濃度を測定し、過量投与とならないよう注意する。なお、初回投与時に神経症状等が発現した患者では、血中フェニトイン濃度の測定を行うとともに、維持投与速度の減速を考慮する。

  4. 経口投与が可能になった場合は速やかに経口フェニトイン製剤に切り替える[国内では、3日間を超えて連用した経験がない]。

  5. 本薬(ホスフェニトインナトリウムとして)の分子量はフェニトインナトリウムの約1.5倍である。

  6. 本剤を希釈する場合には、配合変化に注意する。

  7. フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法における用法は、フェニトイン経口投与時と同じ用法とする。

副作用

国内の患者を対象とした第3相試験において安全性を評価した47例中、副作用(臨床検査値異常を含む)発現症例は29例(61.7%)で、主な副作用は、血圧低下8例(17.0%)、眼振4例(8.5%)、ふらつき4例(8.5%)、そう痒症3例(6.4%)、発熱3例(6.4%)、肝機能障害3例(6.4%)、尿蛋白陽性3例(6.4%)であった(承認時)。

  1. 重大な副作用

    1. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):観察を十分に行い、発熱、紅斑、水疱・糜爛、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
    2. 過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更にリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)。
    3. SLE様症状:SLE様症状(発熱、紅斑、関節痛、肺炎、白血球減少、血小板減少、抗核抗体陽性等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    4. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、単球性白血病、血小板減少、溶血性貧血、赤芽球癆:観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
    5. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎、著しいAST上昇(著しいGOT上昇)、著しいALT上昇(著しいGPT上昇)、著しいγ-GTP上昇等を伴う重篤な肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
    6. 間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(肺臓炎)が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
    7. 心停止、心室細動、呼吸停止:投与速度や患者の状態により、これらの症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行う。
    8. 強直発作:観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
    9. 悪性リンパ腫、リンパ節腫脹:観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、減量するなど適切な処置を行う。
    10. 小脳萎縮:長期投与例で、小脳萎縮が現れることがあり、持続したフェニトインの血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
    11. 横紋筋融解症:横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意する。
    12. 急性腎不全、間質性腎炎:急性腎不全、間質性腎炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    13. 悪性症候群:悪性症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、意識障害、筋強剛、不随意運動、発汗、頻脈等が現れた場合には、本剤の投与中止、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行う(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)。
  2. その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、休薬、投与中止等の適切な処置を行う。

    1. 過敏症:(0.1~5%未満)アレルギー反応、(頻度不明)蕁麻疹、中毒性皮疹。
    2. 感染症:(頻度不明)敗血症。
    3. 血液及びリンパ系:(0.1~5%未満)白血球増加症、(頻度不明)貧血、白血球減少症。
    4. 内分泌系:(頻度不明)尿崩症。
    5. 代謝及び栄養:(0.1~5%未満)血糖値上昇、(頻度不明)低カルシウム血症、アシドーシス。
    6. 精神神経系:(5%以上)眼振、眩暈、ふらつき、傾眠、失調性歩行、(0.1~5%未満)頭痛、片頭痛、昏睡、落ち着きのなさ、気分不良、浮遊感、倦怠感、睡眠障害、意識レベル低下、振戦、錯乱状態、失神、協調運動異常、反射亢進、頭蓋内圧上昇、動作緩慢、歩行障害、構語障害、反射減弱、多幸感、感覚鈍麻、神経過敏、うつ病、感情不安定、人格障害、運動過多、ニューロパシー、ミオクローヌス、錯感覚、不安、嗅覚錯誤、錐体外路障害、伸展性足底反応、(頻度不明)脳症、譫妄。
    7. :(0.1~5%未満)複視、弱視。
    8. :(0.1~5%未満)耳鳴、難聴、(頻度不明)聴覚過敏。
    9. 心及び血管系:(5%以上)血圧低下、(0.1~5%未満)心拍数増加、血圧上昇、頻脈、動悸、徐脈、チアノーゼ、不整脈、血管炎、(頻度不明)心不全、ショック、心房細動、房室ブロック、播種性血管内凝固、心筋梗塞、血栓症。
    10. 呼吸器:(0.1~5%未満)呼吸数増加、呼吸数減少、過換気、咳嗽、しゃっくり、(頻度不明)呼吸不全、無呼吸、肺炎、慢性閉塞性肺疾患。
    11. 胃腸:(0.1~5%未満)悪心、嘔吐、下痢、腹痛、便秘、味覚異常、(頻度不明)嚥下障害。
    12. 肝胆道系:(5%以上)肝機能異常、(0.1~5%未満)ALT上昇(GPT上昇)、(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、γ-GTP上昇、胆汁うっ滞。
    13. 皮膚及び皮下組織:(5%以上)皮膚そう痒症、(0.1~5%未満)皮膚水疱、発疹、斑状丘疹状皮疹、皮膚変色、斑状出血、多汗症、口唇炎、(頻度不明)紅斑性皮疹、紅斑、血管浮腫。
    14. 筋骨格系:(0.1~5%未満)筋痛、関節痛、背部痛、筋力低下、筋痙攣、(頻度不明)CK上昇(CPK上昇)。
    15. 腎及び尿路:(5%以上)尿蛋白陽性、(頻度不明)乏尿、血尿。
    16. 全身及び投与局所:(5%以上)発熱、(0.1~5%未満)疼痛、浮腫、無力症、胸痛、口渇、注射部位腫脹、注射部位紅斑、注射部位疼痛、注射部位硬結、注射部位内出血、擦過部位腫脹、(頻度不明)多臓器不全、溢血。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 本剤の成分又はヒダントイン系化合物に対し過敏症の患者。

  2. 洞性徐脈、高度刺激伝導障害のある患者[心停止を起こすことがある]。

  3. タダラフィル投与中(肺高血圧症を適応とする場合)、リルピビリン投与中、アスナプレビル投与中、ダクラタスビル投与中、バニプレビル投与中、マシテンタン投与中、ソホスブビル投与中の患者。

(慎重投与)

  1. 衰弱の著しい患者、高齢者、低血圧又は心疾患のある患者[心停止、呼吸停止が起こりやすい]。

  2. 肝障害のある患者[肝障害の悪化、また、血中非結合型フェニトイン濃度が上昇する恐れがある]。

  3. 腎障害のある患者、低アルブミン血症の患者[血中非結合型フェニトイン濃度が上昇する恐れがある]。

  4. 血液障害のある患者[血液障害が悪化する恐れがある]。

  5. 薬物過敏症の患者。

  6. 甲状腺機能低下症の患者[甲状腺機能の異常を来す恐れがある]。

  7. 糖尿病の患者[2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある]。

(重要な基本的注意)

  1. 投与に際しては、心電図、血圧、呼吸機能等のバイタルサインのモニタリングを実施するなど、慎重に患者の状態を観察する。また、意識障害、血圧低下、心抑制、呼吸障害が現れた場合には、直ちに適切な処置を行う。

  2. 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態が現れることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行う(なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意する)。

  3. 連用する場合には、定期的に肝機能・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。

  4. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。

(相互作用)

本剤は、フェニトインのプロドラッグである。フェニトインは、主として薬物代謝酵素CYP2C9及び一部CYP2C19で代謝される。また、CYP3A4、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する。

  1. 併用禁忌

    1. タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)(アドシルカ)、リルピビリン(エジュラント、コムプレラ配合錠)、アスナプレビル(スンベプラ)、ダクラタスビル(ダクルインザ)、バニプレビル(バニヘップ)、マシテンタン(オプスミット)[これらの薬剤の代謝が促進され血中濃度が低下することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導による)]。
    2. ソホスブビル(ソバルディ、ハーボニー配合錠)[ソホスブビルの血中濃度が低下することがある(フェニトインのP糖蛋白誘導による)]。
  2. 併用注意

    1. ゾニサミド、トピラマート、ボリコナゾール、スチリペントール
      1. ゾニサミド、トピラマート、ボリコナゾール、スチリペントール[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状が現れることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(これらの薬剤が肝代謝を抑制すると考えられている)]。
      2. ゾニサミド、トピラマート、ボリコナゾール、スチリペントール[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている)]。
    2. クロバザム、タクロリムス、テラプレビル
      1. クロバザム、タクロリムス、テラプレビル[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状が現れることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(機序は不明である)]。
      2. クロバザム、タクロリムス、テラプレビル[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
    3. ルフィナミド
      1. ルフィナミド[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状が現れることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(機序は不明である)]。
      2. ルフィナミド[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(機序は不明である)]。
    4. カルバマゼピン
      1. カルバマゼピン[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状が現れることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(カルバマゼピンが肝代謝を抑制する)]。
      2. カルバマゼピン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、痙攣等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意する(カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
      3. カルバマゼピン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
    5. バルプロ酸
      1. バルプロ酸[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状が現れることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(バルプロ酸が肝代謝を抑制する)]。
      2. バルプロ酸[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、痙攣等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意する(バルプロ酸による蛋白結合からの置換により、非結合型フェニトイン濃度が上昇し、肝代謝が促進すると考えられている)]。
      3. バルプロ酸[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
    6. ネルフィナビル
      1. ネルフィナビル[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状が現れることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(ネルフィナビルが肝代謝を抑制すると考えられている)]。
      2. ネルフィナビル[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、痙攣等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意する(機序は不明である)]。
      3. ネルフィナビル[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(機序は不明であるが、フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導等が考えられている)]。
    7. ラモトリギン、デフェラシロクス[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(フェニトインがこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する)]。
    8. クマリン系抗凝血剤
      1. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[フェニトインの血中濃度が上昇することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整する;フェニトインの中毒症状が現れることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(クマリン系抗凝血剤が肝代謝を抑制する)]。
      2. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整する(フェニトインによる蛋白結合からの置換により、クマリン系抗凝血剤の血中濃度が上昇する)]。
      3. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整する(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
    9. アミオダロン、アロプリノール、イソニアジド、エトスクシミド、オメプラゾール、クロラムフェニコール、ジスルフィラム、シメチジン、ジルチアゼム、スルチアム、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、チクロピジン、パラアミノサリチル酸、フルコナゾール、フルボキサミン、ホスフルコナゾール、ミコナゾール、メチルフェニデート[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状が現れることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている)]。
    10. フルオロウラシル系薬剤(テガフール製剤、ドキシフルリジン等)、三環系抗うつ剤(イミプラミン等)、四環系抗うつ剤(マプロチリン等)、トラゾドン[フェニトインの血中濃度が上昇することがあり、フェニトインの中毒症状が現れることがあるので、このような場合には、減量するなど注意する(機序は不明である)]。
    11. テオフィリン、アミノフィリン
      1. テオフィリン、アミノフィリン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、痙攣等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意する(機序は不明である)]。
      2. テオフィリン、アミノフィリン[テオフィリンの血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
    12. リファンピシン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、痙攣等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意する(リファンピシンの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
    13. ジアゾキシド、シスプラチン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン等)、シプロフロキサシン[フェニトインの血中濃度が低下することがあり、フェニトインの作用が減弱することがあるので、痙攣等のてんかん発作の発現に注意し、また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意する(機序は不明である)]。
    14. イリノテカン[イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
    15. 主にCYP3A4で代謝される薬剤(アゼルニジピン、イトラコナゾール、イマチニブ、インジナビル、オンダンセトロン、キニジン、クエチアピン、サキナビル、ジソピラミド、ニソルジピン、ニフェジピン、フェロジピン、プラジカンテル、ベラパミル等、副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン等)、卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤(ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等)、PDE5阻害剤(タダラフィル(勃起不全・前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合)(シアリス、ザルティア)、シルデナフィル、バルデナフィル))、パロキセチン、フレカイニド、メキシレチン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
    16. シクロスポリン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による、また、フェニトインが吸収を阻害する)]。
    17. 甲状腺ホルモン剤(レボチロキシン等)[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(機序は不明である)]。
    18. カスポファンギン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意し、また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意する(フェニトインがカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こると考えられている)]。
    19. ドキシサイクリン[ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による)]。
    20. アルベンダゾール[アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し効果が減弱することがある(機序は不明である)]。
    21. 非脱分極性筋弛緩剤(ベクロニウム等)[フェニトインを長期前投与した場合、非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱することがある(機序は不明である)]。
    22. 血糖降下剤(インスリン、経口血糖降下剤)[血糖降下剤の作用が減弱され高血糖を起こすことがあるので、血糖の上昇に注意する(フェニトインのインスリン分泌抑制作用による)]。
    23. アセタゾラミド[クル病、骨軟化症が現れやすい(フェニトインによるビタミンD不活性化促進、アセタゾラミドによる代謝性アシドーシス、腎尿細管障害の影響が考えられている)]。
    24. アセトアミノフェン[フェニトインの長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる(フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている)]。
    25. セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(St.John’s Wort)[フェニトインの代謝が促進され血中濃度が低下する恐れがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意する(セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている)]。

(高齢者への投与)

本剤の初回投与量の減量を考慮又は投与速度の減速を考慮し、患者の状態を観察しながら慎重に投与する[高齢者では、心抑制、呼吸抑制が起こりやすいので、投与速度を減速するなど、患者の状態を観察しながら、慎重に投与する]。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。

    1. 妊娠中にフェニトインを投与された患者の中に、奇形児(口唇裂、口蓋裂、心奇形等)を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。
    2. 妊娠中のフェニトイン投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。
    3. 妊娠中のフェニトイン投与により、新生児に出血傾向が現れることがある。
    4. 本薬をラットの交配前から妊娠期間中に投与した場合、胎仔の脳奇形及び心血管系奇形等がみられた。また、周産期の投与では、母動物に分娩遅延、母動物致死量低下がみられ、新生仔回避行動増加傾向がみられた。
    5. 妊娠期間中にフェニトインを投与されたラットの新生仔においては、新生仔行動発達抑制、新生仔自発運動増加あるいは新生仔自発運動減少、新生仔異常回転運動、新生仔迷路学習抑制等の報告がある。
  2. 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい。

    1. 妊娠中に他の抗てんかん剤(特にプリミドン)と併用してフェニトイン投与された患者群に、奇形児を出産した例がフェニトイン単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。
    2. 妊娠中のフェニトイン投与により、血中葉酸低下が生じるとの報告がある。
  3. 授乳中の婦人に投与する場合は、授乳を避けさせる[ラット及びウサギにおいて、乳汁中へ移行することが報告されている]。

(小児等への投与)

2歳未満の小児に対する有効性及び安全性は確立していない[使用経験がない]。

(過量投与)

  1. 症状:本剤を過量投与した症例でそう痒症、眼振、傾眠、運動失調、悪心、嘔吐、耳鳴、嗜眠、頻脈、徐脈、心不全、心停止、低血圧、失神、低カルシウム血症、代謝性アシドーシス、死亡が報告されている。また、フェニトインを過量投与した症例では、前記の事象に加えて、構音障害、眼筋麻痺、振戦、過度の緊張亢進、言語障害、昏睡状態、呼吸障害、血管系抑制が報告されている。

  2. 処置:過量投与時、特異的解毒剤は知られていないので、人工呼吸、酸素吸入、昇圧剤の投与など適切な処置を行う(また、フェニトインは血漿蛋白と完全には結合していないので、重症の場合は、血液透析又は血漿交換を考慮する)。

(適用上の注意)

  1. 投与経路:本剤は静脈内注射にのみ使用する。

  2. 調製方法

    1. 本剤は、使用直前に適宜希釈する。
    2. 液に不溶性異物又は微粒子が認められる場合は本剤を使用しない。
    3. 希釈後の残液は廃棄する。
  3. 投与:投与にあたっては、投与速度を適切に調節できる方法で行う。

  4. 配合変化:本剤を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液に30倍(2.5mg/mL)で希釈したとき、室温で8時間、冷所(5~8℃)で24時間安定であった。また、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、重炭酸リンゲル液又は維持液に5倍(15mg/mL)で希釈したとき、室温で24時間安定であった。

(臨床検査結果に及ぼす影響)

本剤投与後2時間は免疫分析法による血中フェニトイン濃度測定を行わない[ホスフェニトインとフェニトインの交叉反応性のため、血中フェニトイン濃度を過大評価する可能性がある]。

(その他の注意)

  1. フェニトイン製剤では、血清免疫グロブリン異常(IgA異常、IgG異常等)が現れることがある。

  2. フェニトイン製剤では、経腸栄養剤投与中の患者で、血中フェニトイン濃度が低下したとの報告がある。

  3. 5日間を超える投与期間においては、安全性及び有効性の体系的な評価は行われていない。

  4. フェニトインと他の抗てんかん薬(フェノバルビタール、カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。

  5. 海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1,000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6~3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1,000人あたり2.4人多いと計算されている。

(保管上の注意)

2~8℃。