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ドラール錠15
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効果・効能

1.  不眠症。
1.  麻酔前投薬。

用法・用量

1.  **不眠症**:通常、成人にはクアゼパムとして1回20mgを就寝前に経口投与する。

    なお、年齢、症状、疾患により適宜増減するが、1日最高量は30mgとする。
1.  **麻酔前投薬**:手術前夜:通常、成人にはクアゼパムとして1回15~30mgを就寝前に経口投与する。

    なお、年齢、症状、疾患により適宜増減するが、1日最高量は30mgとする。

(用法及び用量に関連する注意)

    1. 〈効能共通〉本剤を投与する場合、反応に個人差があるため少量から投与を開始し、やむを得ず増量する場合は観察を十分に行いながら慎重に行うこと(ただし、30mgを超えないこととし、症状の改善に伴って減量に努めること)。
    1. 〈不眠症〉不眠症の場合、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 依存性(頻度不明):連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び投与期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により、痙攣発作、譫妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと〔8.3参照〕。

  2. 1.2. 刺激興奮、錯乱(いずれも頻度不明)。

  3. 1.3. 呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス(いずれも頻度不明):呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすことがあるので、このような場合には気道を確保し、換気を図るなど適切な処置を講ずること〔9.1.1参照〕。

  4. 1.4. 精神症状(幻覚、妄想等)、意識障害、思考異常、勃起障害、興奮、運動失調、運動機能低下、錯乱、協調異常、言語障害、振戦(いずれも頻度不明)。

  5. 1.5. 一過性前向性健忘、もうろう状態(いずれも頻度不明):本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に行うこと。なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。

    1. その他の副作用
    1. 精神神経系:(5%以上)眠気・傾眠、(1~5%未満)ふらつき、頭重感、(1%未満)めまい、頭痛、ぼんやり感、(頻度不明)抑うつ、神経過敏、健忘、不眠、昏迷、心悸亢進、尿失禁、歩行異常、リビドー減退、感情鈍麻、魔夢、多幸感、不安、運動過多、知覚異常、味覚倒錯、口内乾燥。
    2. 肝臓:(1%未満)AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、(頻度不明)肝機能障害、黄疸。
    3. 消化器:(1%未満)口渇、悪心、食欲不振、胃痛、腹痛、(頻度不明)嘔気・嘔吐、消化不良、下痢、便秘、口臭。
    4. 過敏症:(1%未満)発疹。
    5. 骨格筋:(1~5%未満)倦怠感、(1%未満)下肢倦怠感、膝脱力等の筋緊張低下症状。
    6. :(1%未満)眼瞼浮腫(眼痛)、(頻度不明)眼異常、視力異常。
    7. :(頻度不明)耳鳴。
    8. 皮膚:(頻度不明)皮膚そう痒。
    9. その他:(1%未満)発汗、(頻度不明)無力、疲労、悪寒、排尿困難、尿閉、ほてり、潮紅。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. 急性閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある]。
    1. 重症筋無力症の患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある]。
    1. 睡眠時無呼吸症候群の患者[呼吸障害を悪化させるおそれがある]。
    1. リトナビル投与中の患者〔10.1参照〕。

(重要な基本的注意)

    1. 食後の服用を避けること〔10.1、16.1.1、16.2参照〕。
    1. 本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
    1. 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期投与を避ける(本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討する)〔11.1.1参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい)〔11.1.3参照〕。

  2. 1.2. 衰弱患者:作用が強くあらわれるおそれがある。

  3. 1.3. 心障害のある患者:心障害が悪化するおそれがある。

  4. 1.4. 脳器質的障害のある患者:作用が強くあらわれるおそれがある。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者:薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること(一般に排泄が遅延する傾向がある)。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること(一般に排泄が遅延する傾向がある)。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 5.1. 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 5.2. ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある(また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸増強を起こすことが報告されている)。

  3. 5.3. 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

(授乳婦)

授乳を避けさせること(本剤15mgを健康成人に経口投与した時に投与量の約0.1%が母乳中へ移行するとの報告があり、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸増強する可能性がある)。

(小児等)

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

(高齢者)

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること(運動失調等の副作用が発現しやすい)。

(相互作用)

本剤は、主として肝代謝酵素CYP2C9、CYP3A4で代謝される。

    1. 併用禁忌
    1. 食物〔8.1、16.1.1、16.2参照〕[過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある(難溶性薬物である本剤は、胃内容物の残留によって吸収性が向上し、未変化体及びその代謝物の血漿中濃度が空腹時の2~3倍に高まることが報告されている)]。
    2. リトナビル(ノービア)〔2.5参照〕[過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある(リトナビルのチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される)]。
    1. 併用注意
    1. アルコール(飲酒)、中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)、MAO阻害剤[相互に中枢神経抑制作用を増強することがある(ともに中枢神経抑制作用を有する)]。
    2. シメチジン[本剤の作用が増強されることがある(シメチジンのチトクロームP450に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害されるおそれがある)]。

(過量投与)

    1. 処置

    本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、投与前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。

(適用上の注意)

    1. 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    投与した薬剤が特定されないままフルマゼニルを投与された(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、鎮静・抗痙攣作用が遅延するおそれがある。

(保険給付上の注意)

本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、投薬量は1回30日分を限度とされている。

(保管上の注意)

室温保存。