エスクレ坐剤「250」の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
1. 理学検査時における鎮静・催眠。
1. 静脈注射が困難なけいれん重積状態。
用法・用量
抱水クロラールとして、通常小児では30~50mg/kgを標準とし、直腸内に挿入する。
なお、年齢・症状・目的に応じ適宜増減する。
総量1.5gを越えないようにする。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
1.1. 無呼吸、呼吸抑制(いずれも頻度不明):心肺停止に至った症例が報告されている〔8.1、9.7小児等の項参照〕。
1.2. ショック(頻度不明):呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下、浮腫、全身発赤等があらわれた場合には、投与を中止すること。
1.3. 依存性(頻度不明):連用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中の投与量の急激な減少ないし投与の中止により、まれに痙れん発作、せん妄、振戦、不安等の離脱症状があらわれることがあるので投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
- その他の副作用
- 過敏症:(頻度不明)発疹、紅斑、そう痒感。
- 血液:(頻度不明)好酸球増多、白血球減少。
- 消化器:(0.1~5%未満)下痢、(0.1%未満)食欲不振。
- 精神神経系:(頻度不明)頭痛、めまい、ふらつき、運動失調、興奮、抑うつ、構音障害。
- 循環器:(0.1%未満)徐脈。
使用上の注意
(禁忌)
- 本剤の成分に対して過敏症(ゼラチンに対して過敏症等)の既往歴のある患者[本剤のカプセルの主成分はゼラチンであり、ワクチン類に安定剤として含まれるゼラチンに対し過敏症の患者に、本剤を投与したところ過敏症が発現したとの報告がある(また、本剤投与によりショック様症状を起こした患者の血中にゼラチン特異抗体を検出したとの報告がある)]。
- トリクロホスナトリウムに対して過敏症の既往歴のある患者[抱水クロラール及びトリクロホスナトリウムは、生体内でトリクロロエタノールとなる]〔18.1参照〕。
- 急性間けつ性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン症の症状を悪化させる]。
(重要な基本的注意)
- 呼吸抑制等が起こることがあるので患者の状態を十分観察すること(特に小児では呼吸数、心拍数、経皮的動脈血酸素飽和度等をモニタリングするなど、十分に注意すること)〔9.7小児等の項、11.1.1参照〕。
- トリクロホスナトリウムは、本剤と同様に生体内で活性代謝物であるトリクロロエタノールとなるため、併用により過量投与になるおそれがあるので注意すること〔13.1参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
1.1. 虚弱者:呼吸抑制を起こすおそれがある。
1.2. 呼吸機能低下している患者:呼吸抑制を起こすおそれがある。
1.3. 重篤な心疾患又は不整脈のある患者:心機能抑制により症状を悪化させるおそれがある。
(腎機能障害患者)
腎機能障害患者:本剤は腎臓より排泄されるため、これらの患者では血中濃度の持続・上昇により副作用を増強するおそれがある。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:本剤は肝臓において加水分解され、トリクロロエタノールとなるため、これらの患者では血中濃度の持続・上昇により副作用を増強するおそれがある。
(妊婦)
投与しないことが望ましい。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
(小児等)
特に慎重に投与及び観察をすること(無呼吸、呼吸抑制を起こすおそれがある)〔8.1、11.1.1参照〕。
(相互作用)
- 2. 併用注意:
- 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)、モノアミン酸化酵素阻害剤[これらの作用を増強することがあるので、やむを得ず投与する場合には減量するなど慎重に投与すること(相加的に中枢抑制作用が増強するものと考えられる)]。
- アルコール[これらの作用を増強することがあるので、やむを得ず投与する場合には減量するなど慎重に投与すること(アルコール脱水素酵素を競合的に阻害し、アルコールの血中濃度を上昇させる)]。
- クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)[これらの作用を増強することがあるので併用する場合には、通常より頻回にプロトロンビン値の測定を行うなど慎重に投与すること(主代謝物であるトリクロル酢酸がワルファリンと蛋白結合部位で置換し、遊離のワルファリンを増加させる)]。
(過量投与)
- 症状
過量投与時、呼吸抑制、徐脈、血圧低下が認められることがある〔8.2参照〕。
- 処置
過量投与時、呼吸、脈拍、血圧、経皮的動脈血酸素飽和度の監視を行うとともに、気道の確保等の適切な処置を行うこと(血液透析、血液灌流が有効であったとの報告もある)。
(適用上の注意)
- 薬剤投与時の注意
1.1. 直腸内投与にのみ使用し、経口投与はしないこと。
1.2. 挿入後10分以内に排泄され、再投与を行う場合には、その形状が保たれていても、一部吸収されていることが考えられるので、慎重に行う(なお、形状に変化が認められる場合には、再投与を差し控える)。
(取扱い上の注意)
湿気を避けて保存すること。
(参考情報)
坐剤の挿入について 1. 直腸内への挿入は、添付文書の図のように矢印の方向に挿入すること。 1. 使用に際して、カプセル表面又は肛門部にゼリー様の油性物質を塗ると挿入が容易になり、あるいは肛門部を水でぬらしてから挿入する(カプセルに水をつけると膨潤・変形して挿入困難になることがある)。
(保管上の注意)
冷暗所に保存。