笑気ガス〈ショウワ〉の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
全身麻酔。
鎮痛。
用法・用量
本剤は酸素と併用し、酸素の吸気中濃度は必ず20%以上に保つ。使用目的・患者の状態に応じ、適宜酸素濃度を増加させる。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、頻度は不明である(再審査対象外)。
重大な副作用(頻度不明)
造血機能障害(顆粒球や血小板の減少等):顆粒球減少や血小板減少等、造血機能障害が現れることがあるので、長期にわたって連用する場合には血液検査を行い、このような症状が現れた場合には投与を中止する。
その他の副作用(頻度不明)
- 消化器(覚醒時):嘔気・嘔吐。
- 精神神経系:末梢神経障害。
使用上の注意
(慎重投与)
ビタミンB12欠乏症の患者[本剤の副作用が強く現れる恐れがある]。
造血機能障害のある患者[本剤の副作用が強く現れる恐れがある]。
耳管閉塞、気胸、腸閉塞、気脳症等、体内閉鎖腔のある患者[閉鎖腔内容量及び内圧が変化する]。
(重要な基本的注意)
ビタミンB12の不活性化により造血機能障害や神経障害を起こすことがあるので、患者の観察を十分に行い、このような症状が現れた場合にはビタミンB12を投与するなど適切な処置を行う。
麻酔を行う際には原則としてあらかじめ絶食させておく。
麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行う。
麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らない。
麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめる。
タンポナーデに用いられた気体が硝子体内に存在している眼手術後(パーフルオロプロパンが硝子体内に存在している眼手術後、六フッ化硫黄が硝子体内に存在している眼手術後等)の患者には、本剤を使用しない(本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により眼圧が急激に上昇し、失明する恐れがある)。
(相互作用)
併用注意:プロポフォール[麻酔作用が増強されたり、収縮期血圧・拡張期血圧・平均動脈圧及び心拍出量が低下することがあるので、併用する場合には、プロポフォールの投与速度を減速するなど慎重に投与する(相互に作用(麻酔作用)を増強させる)]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦(3カ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されている]。
(適用上の注意)
麻酔開始時:
- 吸気中酸素濃度は30%を超えることが望ましい。
- 麻酔開始のときには、亜酸化窒素の肺内残気による希釈を防ぐために十分な脱窒素を行う。
麻酔終了時:麻酔終了と同時に空気呼吸を開始すると、酸素欠乏症に陥ることがあるので、5分以上の100%酸素を吸入させることが望ましい。
(その他の注意)
亜酸化窒素は反復摂取の体験により、依存性が生じることがあるので注意が必要である。
本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により、中耳内圧上昇が起こり、鼓膜破裂に至ったとの報告がある。
亜酸化窒素の長期間(3カ月~数年)の摂取下で、亜急性脊髄変性様の神経障害が観察されている。
仰臥位での開頭術において、本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により術後に緊張性気脳症が発症したとの報告がある。
ヒトにおいては持続吸入開始4日目に顆粒球減少や血小板減少等の骨髄機能障害が認められるが、吸入を中止すれば3~4日で緩解がみられるとの報告があり、総じてヒトにおける連続吸入は、48時間以内にとどめるのが望ましいとされている。
(取扱い上の注意)
本剤のカフ内への拡散によりカフ内圧が高まり、カフの変形、破裂、その他のトラブルが生じることがあるので十分注意する。
職業的に、数年にわたり本剤に曝露された女性で、自然流産率が高いことが報告されているので、本剤の使用に際しては換気等に十分注意する。
亜酸化窒素が高濃度で存在し、かつ可燃物が存在する部位では、電気メス等の火気を使用しない。
本剤は液化ガスのため、容器は立てて使用する。
容器には転倒、落下等による衝撃を与えない。
バルブその他、ガスの直接触れる所には、油脂、有機物等が付着しないよう注意する。
使用するときはバルブをゆっくり全開にし、使用を停止するときや、容器が空になったときはバルブを全閉にする。
万一、ガス漏れ又は安全弁よりガスが吹き出したときは、凍傷に注意しながら、容器を立てたまま風通しの良い安全な場所に移し、直ちに販売店に連絡する。
(保管上の注意)
40℃以下。
日光の直射を避け、火気、暖房の付近に置かない。