分子標的薬(ブレンツキシマブ ベドチン)
ホジキンリンパ腫などの腫瘍細胞に発現しているCD30抗原に特異的に結合し細胞内へ取り込まれた後、細胞分裂に重要な役割を担う微小管の阻害作用をあらわす物質を放出し腫瘍細胞の増殖を抑制することで抗腫瘍効果をあらわす薬
分子標的薬(ブレンツキシマブ ベドチン)の解説
分子標的薬(ブレンツキシマブ ベドチン)の効果と作用機序
腫瘍 細胞で発現しているCD30抗原という物質に結合し細胞内へ取り込まれた後、抗腫瘍効果をあらわす薬- ホジキンリンパ腫や未分化大細胞リンパ腫の腫瘍細胞表面ではCD30抗原という物質が発現している
- 本剤はCD30陽性細胞を標的としてモノクローナル
抗体 と細胞分裂で重要な役割を担う微小管の阻害作用をあらわす物質を結合させた抗体薬物複合体 - 本剤はCD30抗原に結合し細胞内へ取り込まれた後、微小管阻害作用により腫瘍細胞増殖抑制作用をあらわす
- 本剤は
がん 細胞の増殖などに関わる特定分子の情報伝達に作用することで抗腫瘍 効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(ブレンツキシマブ ベドチン)の薬理作用
がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し正常な細胞を障害し、転移を行うことで本来がんのかたまりがない組織でも増殖する。
ホジキンリンパ腫はリンパ腫の一つでホジキン細胞とRS細胞と呼ばれる悪性細胞の存在が特徴とされる。ホジキンリンパ腫のRS細胞や未分化大細胞リンパ腫などの腫瘍細胞の表面にはCD30抗原という物質が発現している。
本剤はCD30陽性細胞を標的としたモノクローナル抗体であるブレンツキシマブと細胞分裂で重要な役割を果たす微小管阻害作用をもつモノメチルアウリスタチンE(MMAE)の結合させた抗体薬物複合体の製剤となる。CD30陽性腫瘍細胞に結合し細胞内へ取り込まれた後、MMAEを放出し微小管阻害により腫瘍細胞増殖抑制作用をあらわす。
本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定分子の情報伝達に作用することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる。
分子標的薬(ブレンツキシマブ ベドチン)の主な副作用や注意点
- インフュージョンリアクション(薬剤投与による
免疫 反応などによるおこる有害事象)- 悪寒、吐き気、呼吸困難、そう痒、咳嗽、蕁麻疹、
まぶた ・唇などの腫れ、発熱、などがあらわれる場合がある
- 悪寒、吐き気、呼吸困難、そう痒、咳嗽、蕁麻疹、
- 末梢神経障害
- 手足のしびれ、手足の痛み、感覚のまひなどがあらわれる場合がある
- 呼吸器症状(肺障害など)
- 咳、痰、呼吸困難などがあらわれる場合がある
腫瘍 崩壊症候群- 体内の尿酸が増えたり、カリウムなどの
電解質 バランスが崩れるなどがあらわれる場合がある - 治療開始後、尿量が減ったなどがみられた場合は医師、看護師、薬剤師に連絡する
- 体内の尿酸が増えたり、カリウムなどの
骨髄 抑制- 進行性多巣性白質脳症
- 痙攣、
意識障害 、物忘れ、しゃべりにくい、考えがまとまらないなどがあらわれる場合がある
- 痙攣、
分子標的薬(ブレンツキシマブ ベドチン)の一般的な商品とその特徴
アドセトリス
- 通常、CD30陽性のホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫で使用する