NMDA受容体拮抗薬
アルツハイマー病による神経細胞障害や記憶や学習能力の障害などを抑える薬
NMDA受容体拮抗薬の解説
NMDA受容体拮抗薬の効果と作用機序
NMDA受容体拮抗薬の薬理作用
アルツハイマー病では脳に異常なタンパク質が蓄積し、記憶や思考能力が徐々に障害されていく。
脳内の神経興奮伝達物質であるグルタミン酸という物質が記憶や学習に関わっている。アルツハイマー病では蓄積している異常なタンパク質によって興奮性の伝達物質であるグルタミン酸が常に放出されている状態になっている。過剰に放出されたグルタミン酸は脳内のNMDA受容体(NMDA型グルタミン酸受容体)に作用し、この受容体が過剰に活性化することによって神経細胞の障害や記憶・学習機能の障害があらわれるとされる。
本剤は脳内のNMDA受容体に対して阻害作用を示し、この受容体の過剰な活性化を防ぎ、神経細胞障害や記憶・学習障害などを抑える作用をあらわす。
NMDA受容体拮抗薬の主な副作用や注意点
- 消化器症状
- 便秘、食欲不振、下痢、吐き気などがあらわれる場合がある
- 精神神経系症状
- めまい、頭痛、眠気などがあらわれる場合がある
肝機能障害 - 頻度は稀である
倦怠感 、食欲不振、発熱、黄疸 などがみられ症状が続く場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
NMDA受容体拮抗薬の一般的な商品とその特徴
メマリー
- メマンチン製剤
- 主に中等度から高度のアルツハイマー病に使用される
- OD錠(
口腔内崩壊錠 )、ドライシロップ剤があり、嚥下能力が低下した患者などへのメリットが考えられる