カルニチン欠乏症治療薬
体内にカルニチンを補いカルニチンの欠乏状態を改善し、筋肉症状や精神症状などを改善する薬

カルニチン欠乏症治療薬の解説

カルニチン欠乏症治療薬の効果と作用機序

  • 体内にカルニチンを補いカルニチンの欠乏状態を改善し、筋肉症状や精神症状などを改善する薬
    • カルニチンは体内物質の一つで、筋肉におけるエネルギー産生などに関わる
    • カルニチンが不足すると低血糖、筋肉痛、精神症状、心筋症などがあらわれる場合がある
    • 本剤はカルニチン製剤であり体内にカルニチンを補う作用をあらわす
  • てんかん薬などによる薬剤性のカルニチン欠乏症に使用する場合もある

カルニチン欠乏症治療薬の薬理作用

カルニチンは体内物質の一つで、通常は食事による摂取と体内(肝臓、腎臓、脳)での生合成により供給されるが、先天性の代謝異常や後天的な医療行為(透析など)などにより欠乏する場合がある。カルニチンは筋肉細胞のミトコンドリアにおけるエネルギー産生に関与するため、欠乏により筋肉障害(筋肉壊死など)、低血糖症、脂肪肝、疲労、精神錯乱、脳症、心筋症などがあらわれる場合もある。

本剤はレボカルニチン(L-カルニチン)の製剤であり、体内にカルニチンを補うことで筋肉細胞でのミトコンドリア機能を保護しその代謝を促進させることによって、カルニチン欠乏症の諸症状の改善作用をあらわす。

また本剤は薬剤性のカルニチン欠乏症にも使用され、抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム など)などによる二次性カルニチン欠乏症の治療へ使用する場合もある。

カルニチン欠乏症治療薬の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 食欲不振、下痢、軟便などがあらわれる場合がある
  • 過敏症
    • 非常に稀だが、発疹、痒みなどがあらわれる場合がある
  • その他の副作用に関する注意
    • 顔面浮腫血尿貧血などがあらわれる場合がある

カルニチン欠乏症治療薬の一般的な商品とその特徴

エルカルチンFF

  • 剤形に錠剤、内服液剤、注射剤があり、嚥下能力や用途などによって選択が可能