褥瘡(床ずれ)・皮膚潰瘍治療薬
褥瘡(床ずれ)などの皮膚潰瘍に用い、薬剤によって感染制御、壊死組織の除去、創面の修復、血管新生など作用は様々であり、創面(傷口)の状態に合わせて薬剤を使い分ける

褥瘡(床ずれ)・皮膚潰瘍治療薬の解説

褥瘡(床ずれ)・皮膚潰瘍治療薬の効果と作用機序

  • 褥瘡床ずれ)などの皮膚潰瘍に用い、薬剤によって感染制御、壊死組織の除去、創面の修復、血管新生など作用は様々であり、創面(傷口)の状態に合わせて薬剤を使い分ける
    • 褥瘡床ずれ)は布団などと触れる部分の皮膚が長い間の圧迫での血流悪化により皮膚や筋肉などの組織が壊死する状態
    • 褥瘡は創面の色調により病期が4期(黒色期、黄色期、赤色期、白色期)に分かれる
    • 褥瘡の治療目標は大きく分けると「黒色期〜黄色期では壊死細胞の除去や感染制御」「赤色期〜白色期では創面の水分環境の保持・改善や保護」となる
  • 褥瘡以外にも外傷、熱傷、手術の傷などの皮膚潰瘍の治療にも使用する場合もある

褥瘡(床ずれ)・皮膚潰瘍治療薬の薬理作用

褥瘡は布団やベッドなどと触れる部分の皮膚が、長い間圧迫され続けることで血流が悪くなり皮膚や筋肉などの組織が壊死する状態。慢性化した状態では創面(傷口)の色調により病期が4期(黒色期、黄色期、赤色期、白色期)に分類され、一般的にはその状態に合わせた薬剤の選択が行われる。

黒色期〜黄色期では壊死組織の除去と感染制御、赤色期〜白色期では創面の水分環境の保持・改善や保護といったものが治療の目標となり、使用する薬剤(外用薬)も治療目標に合わせて選択する。

本剤は褥瘡などの皮膚潰瘍などに用い、感染制御作用や壊死組織の除去や軟化・融解作用、創面(傷口)の修復作用、血流改善による皮膚組織の新生を促す作用、血管の新生を促す作用などにより、創面(傷口)の状態や色調による病期に合わせて使用する外用皮膚治療薬である。

本剤は褥瘡以外にも、外傷、熱傷、手術の傷などによる皮膚潰瘍などに使用する場合もある。

褥瘡(床ずれ)・皮膚潰瘍治療薬の主な副作用や注意点

  • 皮膚症状(薬剤によっておこる症状が異なる場合がある)
    • 疼痛、刺激感、かゆみ、皮膚炎などがおこる場合がある

褥瘡(床ずれ)・皮膚潰瘍治療薬の一般的な商品とその特徴

ユーパスタ、カデックス、ヨードコート

  • ヨード(ヨウ素)含有の製剤で主に黒色期〜黄色期に使用する
    • ヨードによる感染防止作用などをもつ
    • ヨードに対してアレルギーがある患者へは使用しない

ゲーベン

  • 主に黒色期〜黄色期に使用する
    • 含有する銀による感染制御作用や壊死細胞の軟化・融解作用などをもつ
    • ヨード含有製剤(ユーパスタ など)と同時に使用すると効果が減弱する場合がある

ブロメライン

  • 主に黒色期〜黄色期に使用する
    • 壊死組織を分解・除去する薬剤
    • 局所刺激作用が強く出る場合があるので注意する

プロスタンディン

  • プロスタグランジンという物質を主成分とした製剤で、主に赤色期〜白色期に使用する
    • 局所的に血流をよくし皮膚形成を促進させる
    • 局所刺激作用が強く出る場合があるので注意する

フィブラスト

  • 主に赤色期〜白色期に使用するスプレー製剤
    • 血管新生を促す作用や皮膚組織や皮膚の損傷部位に新しい組織を作る作用などをもつ
    • 「患部から5cm離す」「一度に5噴霧する」など使用方法に特に注意する