グリチルリチン製剤
甘草(カンゾウ)などに含まれる成分であるグリチルリチン酸の効果により、肝臓の働きを改善したり皮膚の炎症などを抑える薬

グリチルリチン製剤の解説

グリチルリチン製剤の効果と作用機序

  • グリチルリチン酸の効果により、肝臓の働きを改善したり皮膚の炎症などを抑える薬
    • グリチルリチン酸は生薬の甘草(カンゾウ)などに含まれる成分
    • グリチルリチン酸は体内で様々な作用をあらわす
    • グリチルリチン酸には、抗炎症作用、免疫調節作用、肝細胞増殖作用などがあるとされる

グリチルリチン製剤の薬理作用

グリチルリチン酸は生薬である甘草(カンゾウ)などに含まれる成分で様々な作用をもち、肝機能異常や湿疹、皮膚炎などの治療に使用される。

グリチルリチン酸の作用には、抗炎症作用(抗アレルギー作用、炎症を伝える伝達物質の阻害作用などによる)、免疫調節作用(免疫細胞の調節作用による)、肝細胞への作用(肝細胞の障害を抑える作用や肝細胞増殖促進作用があるとされる)、ウイルス増殖抑制作用などがあるとされる。

本剤はグリチルリチン酸を含む製剤であり、皮膚炎、口内炎など多くの病態に対して使われている。また、肝臓への作用からグリチルリチン酸は肝庇護薬(かんひごやく)のひとつにもなっていて、慢性肝炎などの肝疾患の治療に使われることもある。

なお、本剤の特徴的な副作用として(甘草と同様に)偽性アルドステロン症(高血圧、低カリウム血症などがおこる)があり注意が必要となる。

グリチルリチン製剤の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 腹痛、吐き気などがあらわれる可能性がある
  • 偽性アルドステロン症(偽アルドステロン症)
    • 頻度は非常に稀である
    • 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばりなどがあらわれる場合がある
    • 上記症状に加え、力が抜ける感じ、こむら返り、筋肉痛などがあらわれ、だんだんきつくなるなどの場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
  • 甘草を含む製剤との併用に関する注意
    • 併用により本剤に含まれるグリチルリチン酸が重複し、偽アルドステロン症(偽性アルドステロン症)があらわれやすくなる場合がある
    • 甘草は多くの漢方製剤の構成生薬となっているため、本剤と漢方薬の併用時にはより注意が必要

グリチルリチン製剤の一般的な商品とその特徴

グリチロン配合錠、ネオファーゲンC配合錠、二チファーゲン配合錠

  • グリチルリチン酸にグリシン、メチオニンを配合した製剤
    • グリシンやメチオニンは体内で解毒作用などをあらわす