痔治療薬(外用薬)
痔の炎症を抑える成分や傷の治りをよくする成分などによって痔の症状を改善する薬

痔治療薬(外用薬)の解説

痔治療薬(外用薬)の効果と作用機序

  • 痔の炎症を抑える成分や傷の治りをよくする成分などによって痔の症状を改善する薬
    • 痔は直腸や肛門に炎症ができていて、硬くなった便によって傷がつきやすくなり症状が継続してしまう
    • 痔は創傷部の炎症を抑えたり、傷の治りをよくしたりすることで症状の改善が期待できる
    • 本剤は抗炎症作用をもつ成分や傷の治りをよくする成分などを含む製剤
  • 製剤によって抗菌作用をもつ成分や痛みを抑える局所麻酔薬などが含まれる場合もあり個々に特徴がある

痔治療薬(外用薬)の薬理作用

 

痔は痔核(肛門の内部や周囲の血流が悪くなり腫れる状態)や裂肛(肛門の出口付近の皮膚が切れたり裂けたりする状態)などに分かれ、傷がつくことで直腸や肛門に炎症ができている。炎症がある状態では硬くなった便によって傷がつきやすくなり、痔が継続してしまう。

本剤は抗炎症作用や傷の治りをよくする作用などによって痔の症状を改善する。製剤によって含有する薬剤の成分が異なる場合があり、抗炎症作用や傷の治りをよくする他、殺菌作用をもつ成分や止血作用をもつ成分などが含まれているものもある。炎症を抑える作用をもつ成分にはステロイド、痛みを抑える作用をもつ成分には局所麻酔薬などが使用されている。

痔治療薬(外用薬)の主な副作用や注意点

  • 過敏症(製剤によってあらわれる症状が異なる場合がある)
    • 頻度は非常に稀だが、接触性皮膚炎、刺激感などがあらわれる場合もある

痔治療薬(外用薬)の一般的な商品とその特徴

強力ポステリザン

  • 大腸菌死菌浮遊菌液という感染症を防ぎ創傷部の治癒を促進する成分に抗炎症作用などをあらわすステロイド成分を配合した軟膏剤

プロクトセディル

  • ステロイド(抗炎症作用)、局所麻酔薬(鎮痛作用)、抗菌薬(殺菌作用)、止血薬の4つの成分を主とする製剤
  • 坐剤と軟膏剤があり用途などによって選択が可能

ボラザ

  • 直腸肛門部の浮腫などを改善する成分と鎮痛作用をもつ局所麻酔薬を合わせた製剤
  • 坐剤と軟膏剤があり用途などによって選択が可能

ヘルミチン

  • 鎮痛作用、止血作用、創面の保護作用をもつ坐剤
    • 含有成分の局所麻酔薬(リドカイン)とアミノ安息香酸エチルにより鎮痛作用をあらわす
    • 含有成分の次没食子酸ビスマスにより出血を止め、創面を保護する作用をあらわす