球形吸着炭
体内の毒素を吸着し、便と一緒に排泄することで慢性腎臓病(腎不全)による尿毒症を改善する薬

球形吸着炭の解説

球形吸着炭の効果と作用機序

  • 体内の毒素を吸着し、便と一緒に排泄することで慢性腎臓病腎不全)による尿毒症を改善する薬
    • 腎不全は老廃物などを排泄する腎臓の機能が低下し、体内に毒素が残りやすい状態
    • 活性炭は体内で毒素などを吸着し、吸着した毒素を便と一緒に体外へ排泄する
    • 本剤は活性炭の製剤であり、体内に毒素が蓄積する尿毒症の改善などが期待できる
  • 本剤は通常、食後2時間後や食間(食事から食事までの中間時間)などに服用する

球形吸着炭の薬理作用

慢性腎不全(腎不全)では老廃物などを排泄する腎臓の機能が低下していて、体内に毒素が残りやすい状態になっている。

活性炭には毒素を含む化学物質を吸着する作用がある。活性炭を体内へ摂取すると、毒素が体内へ吸収される前に活性炭が毒素をあらかじめ吸着し、便と一緒に体外へ排泄する。これにより体内に毒素が蓄積する尿毒症を改善することができる。

本剤は活性炭製剤であり、主に慢性腎臓病(腎不全)により排出できない体内の毒素を吸着し、体外へ便と一緒に排泄する作用により尿毒症症状の改善や透析導入を遅らせる効果が期待できる。

なお、本剤の吸着作用により、他の治療薬などを同時に服用するとそれらの治療薬の吸収低下や効果減弱が引き起こされる可能性があるため、通常、本剤の服用は他の治療薬と間隔をあけて行う(本剤は通常、食後2時間後や食間〔食事から食事までの中間時間〕などに服用する)。

球形吸着炭の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 便秘、食欲不振、吐き気、腹痛、下痢などの症状があらわれる場合がある
  • 皮膚症状
    • 頻度は稀だが、痒み、皮疹などの症状があらわれる場合がある
  • 他の治療薬を併用する場合の注意
    • 本剤の吸着作用により他の治療薬の吸収や効果を減弱させる可能性がある
    • 他の治療薬を併用する場合は本剤との同時服用は避ける

球形吸着炭の一般的な商品とその特徴

クレメジン

  • 本剤は通常、1日6g(病態などによって服用量が変更になる場合もある)を3回に分けて服用する薬剤で服薬状況などにより剤形選択が可能
    • カプセル剤(主成分を1カプセルに200mg含有)では通常、1日30カプセル(1日6g相当)服用することになる
    • 細粒剤(主成分を1包中に2g含有)では通常、1日3包(1日6g相当)服用することになる
    • 速崩錠(主成分を1錠中に500mg含有)では通常、1日12錠(1日6g相当)服用することになる