溺水
最終更新: 2018.03.06

海や川で溺れた人を見た時の応急処置と治療

溺水とは、海や川で溺れるなどして、気道(空気が通る道)に液体が入り込むことで、気道が閉塞して窒息状態に至ることを言います。このページでは溺水の方を見かけた場合の応急処置の仕方や医療機関での治療を紹介します。

溺水の応急処置で大事なことはまず意識があるかどうか、脈や呼吸があるかどうかなどの確認をすることです。救急車を呼び、身体の状況や溺れていた時間など、わかる範囲の情報を救急隊員に伝えられるようにしましょう。

  • 脈も呼吸もない場合は、気道を確保して(顎を上に持ち上げ、首を後ろに反らせる)人工呼吸と心臓マッサージを行う
    • ただし、海で波にのみ込まれた場合などは首を痛めている場合があるため、その場合は首を反らすことは止め、通常の姿勢で人工呼吸を行う
  • 気管や肺に飲み込んでしまった(誤嚥した)水は無理に出させようとしない
    • 飲み込んだ水は少量のことが多く、大量でなければ身体に吸収されるため
    • 骨折や内臓損傷のリスクを高めるうえに肺に入った水を体外に出せる保証もないため、ハイムリッヒ法(腹部突き上げ法)は行わない
      • ハイムリッヒ法とは救助者が患者の背後に回ってお腹の上部と胸の部分を拳で圧迫して、喉に詰まったものを吐き出させる方法のこと
  • 衣類などで体を温める

意識があるが低酸素血症(血液中に酸素が少ない状態)がある場合は、酸素吸入を行い体を温めます。意識障害がある場合や低酸素血症が改善しない場合は気管挿管を行い、人工呼吸器を使用することが多いです。

意識障害がなく、呼吸数も正常で、酸素吸入をしなくても体の中の酸素濃度が保たれており、心電図や血液検査などの検査で異常がない場合には入院しないで済むことが多いです。